カテゴリ:ギターリぺアー
◆YAMAHA L12-5
ギターオーナー様は、Terada様です 常連のIsi社長様の中学時代からのギターのお仲間で ご紹介を頂きました。 ◆画像から確認して行きます ![]() ●コンディションが余りにも良いので割と最近のモデルかと勘違いしてましたが 昭和51年から製造された、極初期のLシリーズでした ![]() ●名機L-10の12弦バージョンって事でしょうか? ![]() ●スロテッドヘッドです ![]() ●パーツが分解されてましたが、最も肝心なペグを固定するプレートが有りません ![]() ●↑カムとセンターポールを固定する金属プレートです スロテッドヘッドで無ければ何とでもなるのですが、このモデルはセンターポールの芯々が 24mmタイプで、現在は25mmに規格?が変わってますので、取付出来るペグが有りません ペグが無ければ弦を張る事が出来ませんので、リペアは一旦ペンディングせざるを得ません ![]() ●フレットは既に抜き取られてます 専用のフレット抜きで抜きますと、フレットを打込む切込みのエッジがガタガタになってしまいます ![]() ●Terada様からお預かりしました【HOSCO】フレットです ![]() ●バックにも殆どキズが有りません 初期のL12ですから、ヤマハで呼んでいたニューハカランダでは無く ブラジリアンローズウッド【ハカランダ】だったと記憶してますが 記憶違でしたら申し訳有りません ◆ペグのステーが有りましたとのご連絡を頂きましたので。リペアを進めて行きます ![]() ●打込む溝をクリーニングします ![]() ●溝のエッジがこの状態ですので、0.4mmのスペーサーを差し込んでパテ補修が必要です ![]() ●打込む事に問題に成りそうな箇所にスペーサーを差し込みます ![]() ●エボニーの粉末でパテを作って盛って行きます ![]() ●スペーサーを外してフレットボードをサンディングします ![]() ●ご用意頂いた【HOSCO】製のフレットを打込みました 同社のフレットを打込むのは初めてですが、フレットが柔らかく打込みし易かったです ![]() ●ベベリングファイルでエッジを揃えます ![]() ●指腹に引っ掛らない様にエッジ処理をします ![]() ●処理が済んだエッジです ![]() ●フレットの打替えが完了しました ![]() ●フレットを擦り合わせておきます ![]() ●フレットクラウンを修復します ![]() ●中途半端に付いていたストリングガイド&ピンホールの面取りを修正してブリッジ 周りを仕上げておきます ![]() ●プレートが届きましたので、バラして有ったペグを組み直して取付けます ![]() ●ギヤにグリースを塗って有ります ◆セッティングして行きます ![]() ●12弦用の弦は細くセッティング中に切れますと、コストも掛かりますので弦の張力を考慮して 6弦のライトゲージを代用品としてセッティングして行きます フレットを交換しましたので、ナットの交換が必要かと思いましたが既存のナットでOKです ![]() ●6E/12Fは2.25mmでOKです ![]() ●1E/12Fも1.75mmでOKです ![]() ●ライトゲージで代用しましたが、張力は12弦と同程度ですので微調整が有るとしても僅かと思います ![]() ●12弦ギターの弦の張り方は、細い副弦を上に張ったり下に張ったりで、正解は無いのかも知れませんが L-12のナットの弦溝を確認しますと、副弦【細い】を上に張るように溝が切られてますので 溝に合わせて張る様に成ります ![]() ●フィンガーボードの上で弦が暴れている様に感じますので、サドルのRを確認して サドルの曲面Rを修正します ![]() ●やはり微妙に合ってませんでしたが、微妙に合わない事が弾き難く感じる原因でも有ります ◆ナットの交換に関しましては、一任して頂きましたので交換する事にしました 交換する理由です ![]() ![]() ●6E&1E側が両方とも隙間が有り、ギターのグレードからオリジナルナットでは無く 交換されている可能性が高いです 音出しテストをしますと、12弦ギターに慣れて無い事も有りますが弾き難く感じます ![]() ●ナットの下に0.5mmのスペーサーを入れて高くするか迷ってました ![]() ●12弦ギター用のナット・スペーシング・ルーラーを持ってませんので、ナット及び 弦溝の正確さに定評のあるタスクのナットと交換します ![]() ●画像下が既存のナットで、上がタスクのナットです。 1弦~12弦の巾が既存のナットは広いですし、主弦と副弦の間隔も既存のナットは広いです ![]() ●仮にセットしたタスクナットと既存のナットの弦の位置が完全にズレてまして 既存のナットで弾くと、実に弾き難く感じます 特に主弦と副弦の間隔が広過ぎるのは、12弦ギターとして致命的な弾き難さに繋がります ![]() ●既存のナットとタスクナットのデータを取りますと、ナット巾に対して1弦~12弦の間隔が 広過ぎる事と、主弦と副弦の間隔が既存のナットでは広過ぎます ![]() ●タスク製のナットに交換して1フレットのクリアランスを0.5mmに揃えます ![]() ●6Eの主弦で2.20mmにセットしました ![]() ●1Eの主弦で1.75mmにセットしました ![]() ●既存ナットとの比較しまて見ますが、この極僅かな差が弾き心地に天と地ほどの差になります ![]() ●ヘッド周りの仕上がりです ![]() ●フレットボードの仕上がりです ![]() ●リペアの完了ですが、直前にロッドで微調整してますのでネックが安定しているか 確認するために数日間は様子を見る必要が有ります 🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年03月04日 21時37分43秒
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