『炎のメモリアル』(2004年/米国 原題:Ladder 49)を見た。
911の救助活動で活躍、殉職した消防士を称えた作品ということで、スーパーヒーローではなく、ごく普通の消防士が主人公。
なので、ハリウッド映画らしい派手さはなく、いい意味でも悪い意味でもさながら消防庁のPR映画のようだった。
私個人的には、消防士の日常生活を描いた部分に好感が持てた。
仲間と悪ふざけしたり(新人の歓迎の儀式?は面白かった)、火災がないときはビリヤードで時間を潰したり、同僚の家族と一緒にホームパーティーをしたり。
消防士は、自分を危険に晒しながらも人の命を救うという点で、ものすごい勇気と使命感を要求される仕事ではあるけれど、彼らもごく普通の人なんだ、そんな普通の人が誇りを持って仕事に取り組み、結果として社会に貢献しているんだ、ということがよく伝わってきた。
残念だったのは、全体的にあまりに淡々と進み、盛り上がり・見せ場がなかったこと。
主人公
ジャック(ホアキン・フェニックス)が“ごく普通の”人という設定とはいえ、
リンダ(ジャシンダ・バレット)との恋愛、先輩消防士
デニス(ビリー・バーク)との友情、子どもへの愛情、どれをとってもサラッと描きすぎてて重みがない!
「ドキュメンタリーじゃないんだから、ちょっとはドラマチックに作ってよ!」と何度も心の中で突っ込んでしまったわ。
最後の、
ジャックの上司だった
マイク(ジョン・トラボルタ)の、「彼の死を悼むより、その生き方を称えそこから学ぼう」みたいな感動的であるはずのスピーチも、それまでの
ジャックの熱い想いなんかが十分伝わってきてないから、あんまり心に響かないんだなぁ、、、、
![ring](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/44/0000084344/03/imgdbc60f1b3g57vk.jpeg)
この作品には、
St. Patrick's Day、クラダリング(→)、ギネス(ビール)など、アイリッシュ文化がよく出てきた。
登場人物の消防士たちもみんなカトリックだったし、やっぱり米国内の古くからの大都市では、警官や消防士にはアイリッシュが多いんだ、と再確認。
そうそう、昔ダブリンでシルバーのクラダリングを買ったけど、いつの頃からか行方不明。このクラダリングって、キムタクがしてて一時日本でも流行ったっけ・・・その時期にもすでに手元にはなかった気がする。うーん、どこへ消えたやら?
話が脱線しまくったけど、評価は、
★★★ (満点は5つ)
多くの人がレビューで書いているように、『バックドラフト』のような作品を期待していくと間違いなく期待ハズレに終わります、ご注意を!