雨の三連休(正確には昨日は仕事だったけど・・・)を利用して、新潮文庫の
『ローマ人の物語 悪名高き皇帝たち』を読んだ。
恥ずかしながら、仕事に関係のない本を読んだのはものごっつぅ久しぶり。
私は、古代ローマ、特に
カエサルの時代~暴君で知られるネロの時代くらいまでが大好きだ(ミーハー丸出しだけど)。
映画も、古いものでは
『ベン・ハー』、
『クレオパトラ』、最近のものだと
『グラディエイター』なんかもしっかり見ている。
そうそう、最近販売&レンタルの始まった
『NERO ザ・ダーク・エンペラー』(←)っていうのもちょっと気になっている。
このタイトルだとネロがすんごい嫌な奴に描かれてるんだろうなぁ・・・
カエサルというと、シェイクスピアの戯曲
『ジュリアス・シーザー』の台詞:「ブルータス、お前もか」や、エジプトの女王クレオパトラの愛人(庇護者)であったことで有名な、ローマの軍人かつ政治家。
私にとってのカエサルは、
いわばリーダーの理想像。
というのも、塩野七生の著作でよく引用されている、次の記述について、いちいちすべてに納得してしまっているから。
「指導者に求められる資質は、次の5つである。
知力。説得力。肉体上の耐久力。自己制御の能力。持続する意志。
カエサルだけが、このすべてを持っていた」(イタリアの普通高校で使われている歴史教科書より)
まぁ、本当にカエサルがすべてを持っていたかどうかはもちろんわからないけど、この5つを備えた上司のもとで働きたいなぁ、、、などとついつい思ってしまうことが少なからずある。
ネロは、キリスト教徒迫害で有名な暴君。
けれど、私にとってのネロは、
ステージママの犠牲者という印象が強い。ママ(小アグリッピーナ)の野心で皇帝になんかならなければ、芸術好きの貴族の坊ちゃんとして平和に暮らしていたんじゃないか、でもって、後世こんなに悪者として名を残さずに済んだんじゃないか、と。
おそらく普通の(キリスト教徒でない)人だと、中学か高校の歴史の教科書でこの名前を知ると思うんだけど、私とネロとの出会いは、もう少し早くて、小学校高学年~中学入学直後の頃に読んだ、
藤本ひとみ著『愛してローマ夜想曲』という本だった。
年がばれるけど(苦笑)、当時の藤本ひとみは、ローティーン向けの
集英社文庫コバルトシリーズを代表する作家で、もう少し言うと、後に直木賞作家となった唯川恵もこの文庫で活躍してたっけ。あぁ、懐かしい・・・
なんだか脈絡がなくなったけれど。
この本の中で、印象に残った一文をひとつ。
「
テロ行為とは、文明が未熟であるから起こるのではない。選挙による落選という手段を奪われているから、やむをえずテロに走るというのでもない。
権力が一人に集中しており、その一人を殺せば政治が変わると思えるから起こるのである。」 (第2部 皇帝カリグラ より)
追記 : この『悪名高き皇帝たち』に、もちろんカエサルは含まれません。初代皇帝アウグストゥス(オクタヴィアヌス)の後を受けた
ティベリウスから始まりネロで終わります。