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今月のNBSニュース、来日直前のシュツットガルト・バレエのダンサー三人のインタヴューが掲載されていますが、私がものすご~く興味を引かれたのが、オネーギン役で主演予定の、
イリ・イェリネク。彼の「オネーギン」という作品に対する解釈、すご~く面白い!って思いました。私もオネーギンのことを悪い男、っていうか嫌な奴、とは全然思わないんだけれど、タチヤーナに対する彼のご意見は、全く想像もしていなかったことで、まさかこんな見方があったなんて!って、正にちょっとした「衝撃」でした(笑)。タチヤーナに対しては私、彼女が優等生過ぎるのがつまらない、なんてことばかり言ってきたように思うけど、流石に「過ちを犯したのはタチヤーナの方」だとは、全く考えてもみなかったことで、なるほど、こういう見方もあるのか~、と正に絶句してしまいましたよ。タチヤーナがオネーギンを理性で持って拒絶したことを、「僕の考えではバカだとしか思えない」とは。いや~、ダンサーのインタヴュー読んでこれ程までに衝撃を受けたのって、もしかして初めてかも。は~、なるほどねぇ。しかしその直後の台詞は、私にとっては頭の痛い台詞でもあるなぁ。私も殆ど、「頭」で生きてきているからねぇ。「心」のままに生きられたら、そりゃあどんなにいいだろうとは思いながらも、いっつも理性が邪魔するんだよねぇ。で、だからこそ、自分とは正反対のキャラである「マノン」なんかを、異常なまでに好きになっちゃうんだよねぇ。「心」のままに、生きていくマノンを。私から見れば、タチヤーナは自分と似てる。だから、うっとおしいんだよねぇ。 舞台の上でまで「現実」を見させないで!って感じで。 けどだからって、あの場面でタチヤーナがオネーギンを拒否しなかったら、一体ど~なってたのよ?って感じでもある。オネーギンはタチヤーナと結婚することまで考えてたのか?それとも愛人になるつもりだったの?唯単に、ひと時のアバンチュールを楽しみたかっただけ?あの国のあの時代の背景というものを全く分かってないので何とも言えませんが、妻(勿論夫も)が愛人を持ってたって別に大した問題じゃあない、って時代や国もありましたよね? まぁそこまで深く考える必要もないのでしょうが、う~ん、過ちを犯したのはタチヤーナ、か・・そんな解釈の仕方があろうとは・・あ~、イリ・イェリネクさん、私、あなたのこと、好きかも(笑)。 タチヤーナにしてみれば、オネーギンのことは「想い出」に止めておいてこそ、想い出は想い出であるからこそ美しい、って思いもあったと思うんですけどね。少なくとも私はそう思います。けど、こういう考え方こそ「頭」で生きてる、ってことなんでしょうね。「心に従って」生きてみたら?確かに人生変わっちゃう。それが恐くて、いっつも自分自身を「理性」で御してるんだけど、タチヤーナもあの時、自分の「心」に本当に素直になっていたなら・・あ~、そんなこと考えてたってしょうがないですけどね。 しかしそれにしてもイェリネクの解釈があまりに衝撃的だったので、俄然、彼のオネーギンが観たくなってきてしまったよ(笑)。大阪でも彼はオネーギン役での出演が予定されてたと思うけど、う~ん、どうしようかな・・とその前にチケット残ってるんだろ~か? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年11月12日 12時32分05秒
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