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フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

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2008年12月15日
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昨日、一昨日とボリショイ大阪公演を観て参りました。結論から言いますと、「白鳥」「ドン・キ」両方ともとにかく素晴らしかった!の一言です。いや~、ほんと観に行けて良かった。命の洗濯が出来た。本当に幸せでした。あまりに素晴らしい舞台に興奮してしまって、昨夜はなかなか寝付けなかったくらいなんです。素晴らしい舞台を見せて下さったボリショイバレエの皆さん、本当にありがとう!
キャストは予定どおり、「白鳥」はアレクサンドロワ&シュピレフスキー&ベロゴロフツェフ、「ドン・キ」はオーシポワ&ワシーリエフでした。
「白鳥」は、あの名古屋での「白鳥」と同じ版?と思ってしまうくらい、印象が全く違うことに驚かされました。アレクサンドロワの、強靭な意志を持った、強いオデットは、王子が見た「夢」と言うにはあまりに現実的かつ人間的で、ザハロワを観て感じた、「夢」のような「幻」のような、天女がひと時地上に降り立ち、再び天に帰ってしまったかのような(実際は、ロットバルトにより引き離され死んでしまう?という、大変悲劇的な設定ではあるのですが)、そんな印象とは全然違う、どころか正反対に思えました。良い意味でとにかく存在感があり過ぎるので、「夢」だの「幻」だのという感覚は全くありません。また、王子が思い描く理想の女性、というのともまた違うと思いました。むしろ王子にとっての「理想の人間像」、そんな感じがしました。王子は自分自身がああなりたかったのではないでしょうか?どんな逆境にあっても、決して自分というものを失わず、諦めず、強い信念を持った存在、「男らしい」存在に。アレクサンドロワのオデットには、そうした王子自身の「理想」が投影されている、そんな印象を受けました。女性に対する、女性に対して思い描く「理想」ではありません。自分自身がああなりたい、ああいう存在になりたいという、自分が自分に対して思い描く「理想」なのです。憧れといってもいいかも知れません。
けどその「理想」は、「憧れ」は叶うことはありませんでした。彼は結局、自身の殻を破ることは出来ませんでした。現在の(自分に対して不満を抱いたままの)自分自身のままで、最後1人残される王子。今回もまた、言い様のない無力感のような思いに襲われてしまいました。これだけ受けた印象が違ったにもかかわらず、最後観終わって襲ってくる感情が似たようなものであったことにはちょっと驚きましたが。
ただやはりそうですね~、この版の主役は、やはり王子、とロットバルトだな、という感じは拭い切れませんでした。あれだけ存在感のある、しかも素晴らしいオデットを見せてくれたアレクサンドロワ(いや~、ほんとに惚れますわ。あんなにも意思的で、情熱的で、強いオデットというのは初めて観たかも)。観る前は正直、彼女のオデットって、どんななんだろう、想像出来ない、なんて思っていたのですが、登場した瞬間から本当にひと時も眼が離せない状態でした(あの登場シーンにも慣れたな・笑)。とにかくあの「腕」!あんなにも「腕が全てを物語る」、オデットというのも初めてかも。あの腕が本当に文字通り、オデットの全てを語ってくれる。滑るようになめらかなパ・ド・ブーレ、アラベスクでの見事なバランス、テクニックはまさに磐石。それはただまぁ、観る前から予想出来たことではあります。けど、王子の助けを待つしかない、悲しいだけの「受け身」のオデットではない、あくまで自分を貫き、王子との関係も「彼が好きになってくれたから、私も彼を好きになったの」ではなく、「私が彼を好きになったの!」的な「能動」のオデット。いや~、素晴らしいと思いました。て言うか、ほんとゾクゾクしました。いやもう、アレクサンドロワがこんなにも天晴れなオデットを見せてくれるとは!いや~、つくづくルンキナからアレクサンドロワに変更になって良かったよ。
ルンキナのオデットは、それはもうたおやかで美しい、まさに王子(男)にとっての理想の女性。ザハロワは、ルンキナより毅然として高雅な雰囲気を漂わせているけれど、やっぱり王子が夢見る理想の存在であることに変わりはないでしょう。っていうか、殆どのオデットはそうだと思う。けど、アレクサンドロワは違う。理想の「女」ではなく、理想の「人間」(注・別に彼女が女らしくないということではありません、けど多分、それを超えちゃってるのね)。
これはあくまで私が感じたことであり、他の人が観たらまた別の感じ方もあると思う、っていうかあるに決まってるけど、とにもかくにも天晴れなアレクサンドロワのオデットに、感嘆させられました、私は。けどな~、だからこそ、この版のラストに強い違和感を感じたのも事実。アレクサンドロワのオデットには、ハッピーエンドが相応しい、ように思われました。っていうか、このオデットなら、悪魔の呪いも自らの力で打ち払って、自分(だけ)でロットバルトに戦いを挑むことをも辞さないオデットみたいに感じられたのでね~(笑)。
そしてこのようなアレクサンドロワに対してシュピレフスキーのジークフリートは実にいい味出してたと思います。もっとスターオーラがバンバン出るようなタイプの王子なら、王子とオデット、二人とも似たもの同士になってしまって、却って逆効果だったことでしょう。シュピレフスキーのジークフリートについてはまた次回に。







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最終更新日  2008年12月15日 16時18分32秒
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