658848 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2008年12月19日
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
シュピレフスキー君のジークフリート、実は観る前からかなり興味深深だったんです。
彼って、ベルリンにいた頃には、失礼ながら「セミオノワの相手役、というよりサポート役」って感じで、日本での評価はあまり芳しいものではなかったように記憶していたので。ので、ボリショイでジークフリートを踊る、しかも相手役はアレクサンドロワ、ということで、一体彼がどんなジークフリートを見せてくれるのか、というかそもそもシュピレフスキーって、どんなダンサーなんだろう(私にとっては初見)、見た目だけは素晴らしいらしいけど(笑)、あのアレクサンドロワの相手を務められる程、成長されたのかな~、なんていろいろ思いながら開演を待ちました。
そしてうん、1幕での彼は、本当に素敵でしたね。背が高くお顔も綺麗なので、どこにいてもひときわ目立つ存在。ついつい眼が行ってしまう存在。踊りも、特に腕の動きが優雅に美しくて、思わずうっとりしてしまう程。まさに「王子様!」って感じでした。そもそも、今日?成年に達したばかりという、ジークフリートが「若い」青年である、という設定に、ぴったしはまっている。正直その設定には少々無理があるなぁ、なんて思ってしまう王子が多いなか、これ程20歳?のジークフリートそのものに見える人も珍しい。それだけで、やっぱりもの凄く「説得力」のようなものが出てくるんですよね。若い青年、成年に達したといってもまだまだ未熟な若者、人生を知らなくて、知恵も分別も勇気もまだ何も自分のものにはしていない青年。蝶よ花よと周囲から大切に大切に育てられたお陰で、人の良い、穏やかで温厚な青年。けどどこか不安気でメランコリックになりがちな青年。何不自由ない身の上でありながら、そうであるがゆえに、優しい彼は時々思わず逃げ出したいような思いに駆られることもあっただろう、うん、そうだろうね、国王になるなんて、大変なことだもんね、一般国民には想像も出来ない程、大変なことだもんね、その将来に不安を抱き、けどまた不安を打ち消すかのように踊ってみたり・・揺れ動く王子の心境が、シュピレフスキーの「若さ」ゆえになんだか凄く説得力を持って私には伝わってきました。ほんと彼は「そのまんまジークフリート」ですねぇ。別に特別な演技をしているとも思わないんだけど、そのままで十分、ジークフリートに見える。リアリティを感じさせてくれました。
踊りは美しく、良かったと思いましたが、背が高いせいか、いまいち「キレ」に欠けているような気がしました。けど、それが却って良かったと思います。何もかもに恵まれた存在でありながら(であるからこそ、なのかも知れないけど)、あまり「覇気」のないジークフリート、という設定が、ここでも生きてきます。これで思い切りキレのある、胸のすくような素晴らしい踊りを披露されたら、却ってジークフリートという青年の人となりを表現するのに失敗してしまうと思う(とは言え、それはそれで観たかったなぁ、なんて思いもありますが)。ロットバルトに操られ、彼の手によってオデットと出会い、恋を知り、恋を失い、終始一貫してロットバルトのリードのもとで話が進んで行くという設定が、説得力を失ってしまうと思うのね。
彼とロットバルトとの絡みは、この版を象徴する場面であるように思う。ジークフリートの背後で、彼とシンクロするように同じ動きをするロットバルト。ロットバルトが見えない糸があるかのようにジークフリートを手繰り寄せようとし、王子がその見えない糸=ロットバルトの力、に引っ張られるように身体をのけぞらせるシーンなどは、本当に白眉といっていいのではないでしょうか?
オデットとの出会いも、これもまたロットバルトがそうなるよう、仕組んだものなのでは?なんて思えます。あの登場シーンも、オデットはあくまでロットバルトの支配下にある、ということを、特に伝えたくてあのような登場の仕方にしたのではないでしょうか。オデットはあくまで囚われの身。ロットバルトの許可が下りて初めて自由に動くことが出来るようになる。そしてロットバルトは王子がそこにいると知りながら、オデットを一時解放したのですから、正直あの後で起こること、王子とオデットが愛し合うようになる、ということも、目論見どおり、だったのではないでしょうか。ロットバルトはそうなると分かっていて、或いはそれを期待して、わざとあの場面で二人を引き合わせた。どうも私にはそんなふうに思えてならないのですが。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年12月19日 16時55分10秒
コメント(0) | コメントを書く


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

お気に入りブログ

まだ登録されていません

コメント新着

まるさん@ WBC雑感  新緑の里さん、続きです。  WBC、…
まるさん@ Re:衝撃のネイサン・チェン~2017四大陸。(02/23) 新緑の里さん、ご返信、本当にありがとう…
新緑の里@ Re[1]:衝撃のネイサン・チェン~2017四大陸。(02/23) まるさん > 今の男子フィギュアの状況…
新緑の里@ Re[1]:衝撃のネイサン・チェン~2017四大陸。(02/23) まるさん 大変興味深く拝読させて頂きまし…
まるさん@ Re:衝撃のネイサン・チェン~2017四大陸。(02/23) 新緑の里さん、ご返信ありがとうございま…

プロフィール

新緑の里

新緑の里

フリーページ

バックナンバー

2024年04月
2024年03月
2024年02月
2024年01月
2023年12月

© Rakuten Group, Inc.