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今日は東京で会議。往復の時間は高橋浩子さんの「メルマガ成功のルール」(明日香出版社)を読んでいた。
発行者の思いはたかがメルマガ、されどメルマガ。使い方次第では夢を叶えることのできる魔法のツール。どんな思いでそれを使いこなすかどうか。これはまたいずれ、報告します。 それはさておき、一昨日の話。クロネコヤマトの創設者、ヤマト福祉財団理事長小倉昌男さんの「福祉を変える経営」は圧巻だった。 小倉さんの本の帯には「知っていますか?障害者の賃金が月給1万円にみたないことを。」 お役所任せじゃもうダメだ。障害者も、自分で稼いで社会に出よう!「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親が挑む本当のノーマライゼーション。とある。 今の日本の社会は障害者に明日はないというくらいお寒い状況。厚生労働省発行の「障害者の雇用促進のために平成14年度版」によると、日本には身体障害者325万人(2001年)、知的障害者45万9000人、精神障害者204万人(1999年)、計574万9000人とおよそ日本人の人口の約5%の障害者がいる。 その障害者の働く施設として、共同作業所があるが、国に認可された社会福祉法人(国からの助成で施設を運営)と無認可の共同作業所(親などが中心となり運営)がある。 認可され、社会福祉法人となるためには一定の大きさの土地と建物が必要で、都会などでは基準を満たすのはなかなか困難。それで多くが無認可の共同作業所となっている。 共同作業所で働く障害者の月給はおよそ1万円。著者は自由主義経済、資本主義社会のなかでのこの現状を嘆く。 障害者が社会復帰しにくい状況をつくっている国政に対して、障害者を雇用する事が義務づけられているにもかかわらず雇用しない企業に対して、そして月給1万円に甘んじている作業所の運営に対して疑問を投げかける。 ここで小倉さんのすごいのはただ文句を言うだけでなく、障害者がひとりで生きていくために、どうすれば障害者の給料を上げることが出来るのかを考えて、実践したこと。 共同作業所が1万円の給料に甘んじているのは経営を知らないからだと、その指導員を対象にわかりやすい経営セミナーを開く。パン屋さん(スワンベーカリー)や豆腐屋さん、炭焼き事業など障害者が参加しやすい事業を考え福祉財団で開始する。そして給料10万円を実現していく。 そのセミナーに学んだ養護学校の教師は仕事を辞め、スワンベーカリーのチェーン店となることを希望し、立地条件の悪い店舗のデメリットを克服して障害者の給料10万円を実現する。 ここには自分のためにではなく社会のために、障害者のために、どうすればこれまでの自分を還元することが出来るのか、そのことを真剣に考え、むきあう熱い人たちのたたかいを見ることができる。 確かにヤマトの創設者として行政と戦い、新たな市場を作り出してきた「人と資本と情報」という資産を持つ小倉さんだからこそできたことという部分は大きい。しかし多くの第一線を退いた日本の経営者がこうした形での社会貢献をしていない。やはり本物の経営者だと思う。 本の帯の裏には たった月給1万円!障害者就労の現実 いまだに差別と隣り合わせ 経営セミナーで共同作業所の経営を改革する パン屋さん、炭焼き屋さんを始めよう 一般企業よ、障害者に門戸を開け 「良い物を作れば売れる」は間違いです インターネットに携帯電話、ITの積極活用を考えよう 障害者のやる気を引き出すには とある。 今の日本社会と経営を見直すことの出来る素晴らしい1冊。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.01.25 05:52:56
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