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テーマ:吐息(401)
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![]() 山門より境内を望む @海蔵寺 ![]() 凌霄花 @海蔵寺 ![]() 桔梗 @海蔵寺 ![]() 蓮 @海蔵寺 ![]() 光則寺山門 ![]() ![]() ![]() 半夏生 @光則寺 ![]() 御霊神社 ![]() 浄智寺の山門をくぐったところの木陰で、昼飯の稲荷寿司の包みをほどいた。 気の置けない人と散策する時の定番なのだけれど、ここで食べる稲荷寿司はことのほか美味しく思うのは、わたしの錯覚だろうか。 歩みを止めた途端に吹き出る汗は、背中と胸の谷間を瞬時に滴り落ちた。 「ここのシャガの群生が好きなの。花の頃は無数のシジミチョウみたいだし、この季節ならつやつやして緑がきれいだし、元気をくれるのよ」と、郷里の母が植えていたシャガに思いを馳せていた。 「あたしも好きよ。やはり母の影響だよね」妹が相槌を打った。 「ご飯を食べたら源氏山を越えて化粧坂から海蔵寺に行くつもりだけど、歩けるかなぁ?」 わたしより五歳若い彼女に尋ねた。 「大丈夫よ。普段からジムで鍛えているから」という言葉を信じて、浄智寺横のハイキングコースから源氏山に足を踏み入れた。 久し振りだったせいもあり、わたしはすぐに息が上がったが、妹は何食わぬ顔でついて来る。さすが若い! 登り切ってそのまま化粧坂に向かった。慣れた道ではあるけれど、足を踏み外すと怪我でもしかねないので、慎重に足を踏ん張った。彼女は初めてなので実際のところ足でも挫いたらと、気遣って何度も声をかけた。 無事に坂を下り、海蔵寺に向かった。 「あ、ここ知ってる」 「知ってるでしょう。いつもは鎌倉駅から直接来てるからね」 一昨年、カイドウが満開の時連れて来たが、今日はそのコースではなかった。 海蔵寺の境内に到着すると、紫苑も芙蓉も腰丈位で遠くに凌霄花のオレンジ色が目に飛び込んできた。 「わぁ素敵!」 妹が感嘆の声をあげた。 互いに若い頃、生け花の世界にどっぷりと浸かっていたので、声を上げる気持ちはすぐに伝わって来た。 次は、この鎌倉散策のメインディッシュと言っても過言ではない、半夏生が群生している光則寺。 一旦鎌倉駅に戻って、江ノ電で長谷駅を目指した。 しかし、観光客がすごい。江ノ電は、都心へ向かうそれみたいに混んでいた。 長谷駅で降りて、人込みをかき分けながら目的地光則寺へ。 急ぎ足でドキドキしながら、境内へ入って行ったのに残念ながら半夏生は少し早かった。 ここで初めて遭遇した時、わたしは思わず息をのんだ。 白い蝶が今まさに飛び立とうとしているようだったから。 脳裏に刻まれた半夏生には、遠かったけれど妹には伝わったようである。 光則寺を後にして、御霊神社に向かい極楽寺駅より帰路に就いた。 自宅の戻って携帯の歩数をみると、なんと20,824歩。 どうやら健脚コースの鎌倉散策だったようである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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