【ハネムーン日記~ラスベガス旅行記~】 6話
セスナいつもより高い天井。おっきな布団。足元に有り余る程のスペース。ふと目が覚めると、見慣れぬ光景が目の前に広がっていた。「………?」枕元には高級そうな時計が、8:50という時刻を表示している。「……………???」ん?あ………?8:50?もしかして今ハネムーン中?2日めの朝?「う、うわぁぁぁ!」おっきな布団をどかして、飛び起きるリコ。大声を出したのに、まだ隣でぐーすか寝てるSちゃん。「ちょっと!Sちゃん!ヤバイよヤバイよ!」(出川かよ)本日グランドキャニオン1日観光。集合時間は、朝9:05。ホテルのバス乗り場まで!だぁぁぁ!!恐ろしい程、時間がない…!!「…!!今、何時だッ!?」「8:50だよ、ヤバイよ!!」「まっ、間に合わねぇじゃん!!!」わーわー言いながら服を脱ぎ、シャワールームへと駆け込んでお湯を出していると、Sちゃんがすっ飛んできた。「お前、何やってんだ!?」「え、お風呂…」「バカッ!!お風呂なんて入ってる場合じゃねぇぞ!」「あっ、そうか!」どう考えても集合時間まで15分しかないというのに、普通にお風呂に入ろうとしていたリコ、かなりの大物だ。 ( ゚Д゚)y─┛~~とにかく時間がナイってコトで、仕方なく顔だけ洗ってメイク。服はこの日のためだけに持ってきたジーンズを履いて、グランドキャニオンでの寒さに耐えられるよう、しっかり着込んで、マフラーに手袋、Sちゃんは100円均一で買ったニット帽を持って、部屋を飛び出した。「あ!パスポート持った!?パスポート!!」今日のグランドキャニオンでは、途中セスナに乗ってグランドキャニオンの空港まで移動する。てか、早くしないとみんなに迷惑をかけてしまう…!置いてかれっちゃうよ!!朝9時だってのに人で賑わったカジノの中を猛ダッシュで駆け抜け、バスターミナルへ!!相当急いだ甲斐あって、奇跡的にも集合場所へ着いたのは…9:05ジャスト。セーフ!「間に合ったぁ……」 。・゚・(ノд`)(ノд`)・゚・。 息を切らせながらバスに乗り込むと、すでに他のお客さんも乗っていて、リコたちが最後だったのか、その後すぐにバスは走り出した。遅刻しなくてホント良かったよ。ようやく呼吸が落ち着いた頃、「15分しかないのに、お前が風呂に入ろうとしたコトに目ん玉飛び出そうんなったわ」Sちゃんにそう言われた。 (・∀・)テヘバスは通行無料で走るコトができる高速道路をビュンビュンと走り、ノースラスベガス空港へと到着。リコたちはVision航空の乗り場からセスナに乗るらしい。バスを降りてフェンス越しに見える滑走路を見ると、リコたちが乗るらしきセスナが何機かあったよ。「リコ、お前大丈夫かね…?」不安げな表情のリコを見て、Sちゃんが心配そうにそう言った。実を言うと、今回の新婚旅行出発寸前まで迷っていたこのグランドキャニオン観光。実際に行ったコトのある友達や会社の人から聞いた話によると、そのセスナに乗るのが、めちゃんこ怖いらしいのだよ!(汗)『揺れるし、下はデコボコした崖みたいな砂漠だし、落ちたら死ぬなって思ってド怖いよ』『飛行機よりも怖いって』『前に、どっかの航空会社で1回グランドキャニオン観光中に墜落したらしいじゃんね』つ、墜落ってアンタ…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルそれからも昔日本でセスナに乗ったコトがあるらしいSちゃんが、『セスナは乗る人数が少ないから、すげー揺れるんだよ。お前ホント大丈夫かなぁ… 途中で降ろしてって言っても無理なんだぞ。大丈夫か?』そう、しきりにリコを心配していたモンだから、そんなにセスナってヤバイの?って頭から離れず、一時はキャンセルしかけた今回のツアー。それでも、経験者からは『でも絶対行ってきた方がいいよ』という言葉もかけられていたためか、キャンセルは思い留まって、今こうしてここにいるワケで…これがパルパルのジェットコースターなら、まぁまた乗ろうと思ったらいつでも来れるやってカンジなんだけど、その前にパルパルがローカルすぎてわかってくれる人は一部なんだろうけど、ここはアメリカ。後でやっぱ行こうと思っても、なかなか来られない場所。だったら、怖い思いをしてでも行っておこう!!そんな思いがリコに決意をさせた。「ではみなさん中に入って下さい、これから搭乗手続きを取って頂きます」言うの忘れてたけど、今回のツアーは日本人のガイドさん付きだからひと安心。パスポートを手に、搭乗手続きの列に並んでいて、リコは重大なあるコトを思い出した…!!『確か、セスナ乗る前にひとりずつ体重計ったよ』会社の人が言ってたコトを!!た、体重っ…!!Sちゃんに今まで教えたコトさえないのに、それを公衆の面前で計るなんて、高校の授業中、1番後ろの席で友達とみかん食べてて、「みかんを食うな!!」と、立たされた時くらい…恥ずかしいよ!!(みかん星人)「リコどうした?大丈夫だよ、俺が思ってたよりセスナ大きい機体みたいだしさ」元気のないリコを励ましてくれるSちゃん。ううん、そうじゃないの…体重が…(あわわ)めちゃんこ心配した体重測定手続きだったけれど(搭乗手続きだよ)、幸い、乗った体重計の表示画面はこっち側を向いていなくて、パスポートのチェックの後、座る座席の番号が書かれたチケットを渡されただけで済んだ。良かったぁ………ん?「えっ、Sちゃん座席どこって書いてある?」「俺、12Dだよ」「ウソ!?!?リコ、12Fって書いてあるに!!!もしかして…席隣じゃないのかね!?」「もしかしたらそうかもしれんな。体重でバランス取るためにみんなバラバラなのかも」そ、そんなぁ…!!そんなバカな…っ!イヤだイヤだ!Sちゃんの隣じゃないと怖いよ!イイ!多少機体が傾いても、リコSちゃんの隣に座る!ヽ(`Д´)ノ出だし早々そんなイヤな予感が走ったものの、ツアー客20名くらいの登場手続きが済んだ後のガイドの話では、セスナが出発するのは11時らしいのだけど、ただ今の時刻9:40。って、オイオイ…9:05に集合した意味なくね!?せめて9:30とかでも良かったんじゃないか!?何とか間に合わせるためにお風呂にも入れず、Sちゃんなんかツンって後頭部に寝癖ついたままだし、リコだってお化粧もロクにできないまま飛び出してきたってのによぅ。とにかく11時まで空港内で時間をつぶすコトになり、売店がひとつしかない建物の中にいても仕方ないねと、一旦外に出てみるコトに。外の駐車場に車が何台も止まっていたけれど、アメ車に混ざって、日本車も。ラスベガスに来て、ストリップ通りやホテル前で車をたくさん見かけたけど、日本でリコたちにとっては高級車の部類に入る車が、平然と走っててすごいなぁって思うんだけど、よく考えてみれば、そんな中に時々混ざって走ってる日本車の方がこっちにとっては外車なんだよね。不思議なカンジがするのう。「あ!見て!サボテンあるに!」「ホントだ!」駐車場で人の車をじろじろ見ていると(不審すぎるぞ)、駐車場の向こうの方に、サボテンが見えた!!駆け寄る2人。「すげぇ、サボテンが普通に生えてるよ」「ちょっと!サボテンと写真撮るか!」サボテンとのツーショットをSちゃんに撮ってもらった後、Sちゃんとサボテンも撮ってあげると、Sちゃんが両腕を挙げ、ひじを90度に曲げた。「…もしかして、サボテンの真似!?」「そうだよ」「うわぁ、リコもその真似して撮る!!」そんなワケで撮ったその2枚。(汗)てかね…日差し強ェェェ!!なんか「まぶしい」とかのレベルを通り越えてるだよ。目に刺さるに。 (*゚Д゚*)待ち時間の間は、そんな風に写真を撮ったり、ベランダみたいな所に出て滑走路を見たり、売店でおっきなパンをひとつ買って、Sちゃんと半分コにして食べたりして時間をつぶした。いよいよ時間が迫り、集合がかけられ、リコたちはセスナへと進むコトに。セスナに乗る前に、セスナと操縦士と一緒にペアやグループ毎に順番で写真が撮れるらしく、その順番を待ちながら、リコが手袋をつけていると…リコたちの後ろにいた外国人が英語で話しかけてきた。「こんなにお日様が出てカンカン晴れなのに、手袋なんてするのかい!」(リコ訳)(「カンカン晴れ」は余計)「だってグランドキャニオン寒いらしいよ」Sちゃんと笑いながらそう答えていると、その外国人2人のおじさんがどこから来たのか尋ねてきた。その片方おじさんがどう見ても洋風の加藤茶にしか見えない。(爆)「From Japan」「Japan!?Oh,Beautifull!」よくわからないけど、日本を誉められご機嫌のリコたち。一方のカトちゃんらの出身を聞いてみると…(カトちゃんって言うな)「From Canada」カナダ!?カナダってあのカナダ!?「Really!?」ウソついてどーする!通りで、リコの厚手のコートとマフラーと手袋という重装備に驚いてるワケだ!だって、カナダってド寒いだら?(遠州弁丸出し)すると、カトちゃんがヘンな質問をしてきた。「タクシーって日本じゃ何なの?」「え?」英語が早口なのと、なまりみたいなのもあってうまく聞き取れないのだけど、もう一度聞き返しても、そう言っているように聞こえる。Sちゃんと「え…?どういうコトかね?」と顔を見合わせながら、え~、カナダにタクシーってないワケないよなぁと思いつつも、「バスみたいな…」と言うと、「バスじゃなくて、ミニバスみたいな、あの4人用の人を運ぶ車だよ!」みたいな返事が返ってきた。「え……?普通にそれがタクシーだよね?違うのかね?」(モロ日本語)「?」←カト茶「What do you call it in Japan?」←シムケン(勝手にあだ名つけてるヤツ)「日本でどう呼ぶって……タクシーだよ!タクシー!」(モロ日本語)「タクシーー!?」「Yes!Japanese call taxi!!」「Oh!!Taxi!!」(´・ω・`) <?よくわからなかったけど、カトちゃんケンちゃんは日本でもタクシーをタクシーと呼ぶコトに、驚きながら喜んでたよ。なんだったんだろう?カナダ人とおしゃべりに夢中になっている間に、写真の順番が来て、これから乗るセスナをバックに、イケメン操縦士とSちゃんとリコの3人で写真を撮った。そして、セスナへと乗り込んだ…!<つづく>