【ハネムーン日記~ラスベガス旅行記~】 15話
ショッピング楽しくて時間が過ぎるのも忘れたハネムーンも、残すところ1日となっていた。あっという間だった… 。・゚・(ノд`)・゚・。 帰国は明日予定と言っても、明け方の3時半頃にはホテルを出るみたいだから、遊べるのは今日1日で最後。今日こそは寝坊しないようにと早めに起き、お支度を始める2人。今日はね…最終日だし、ショッピングをするコトに決めたんだ!行き先はショッピングモールの「プレミアムアウトレット」!交通手段はタクシー。ストリップ地区から少し離れてて、歩いて行くには遠い距離。それでもタクシーだと片道10分、$17くらいで行けるみたい。ラスベガスに来てタクシーには数回乗ったけど、旅行会社の人と一緒だったし2人だけで乗るのは初めて。「タクシーのチップは料金の15%~20%くらいみたいで~」出かける寸前までガイドブックを読むリコ。日本みたいに車内で「これから買い物?」とか運転手にどうでもいい話持ちかけられたらどうしよう。そんな緊張と余計な心配をよそに、タクシー乗車体験はスムーズにできた。ホテルの玄関まで出るとホテルの人が「どこまで?」と聞いてきて、運転手さんに行き先を伝えてくれ、車内でも「ラスベガスは初めて?」「新婚さんかい?」みたいな余計なお世話な世間話もなく、通行料金が無料らしい高速道路を走るコト約10分、無事到着。代金が$15ちょっとなのを見て、チップをちょっとだけはずませて$20渡したら、急に笑顔になってご機嫌でリコたちを下ろしてくれた運転手。てかこの場合もし「おつりクレ」って言ったらいくら渡してくるんだろう?ちゃんと$10札持ってたからいいものの、$50札とかしかなかったらどうするよね。怖くて出せなくない? ((((;゚Д゚))))「Thank you~~!」とか陽気に言われて、ブーンと走り去ってしまうんだろうか。そんなこんなであっという間に着いたプレミアムアウトレット。で、デカイ!!ありとあらゆるショップがつらねて並び、その店舗の数は約120!!ジャスコより広い。(当たり前だ)早速1番角から順番にお店を回り始めたのだけど…「アウトレット」って言葉をすっかり忘れてたよ。結構高級なブランド物がアウトレット価格で買えるってコトだよね。御殿場アウトレットみたいなカンジだよね?(ローカルな例え)「ところでリコ、何買いたいだ?」「ん?うーーーんと…」アウトレット価格とは言え、ブランドもんはブランドもん。いくつか高級ブランド店に入ってみるものの、いくら少し安くなってるからって、旅先でのうわついた気持ちでパッと買っちゃえる安さでもない。「なんか来るとこ間違えたかねぇ?」とSちゃんと苦笑いしながら、それでも目を惹くショップにちょこっと入っては、その名の通りウインドウショッピング。ほとんど何も買うコトなく、何だか時間がもったいない気も…「ちょっとタバコ吸ってくるで」ちょうど中間地点辺りに来たところでSちゃんが灰皿のあるベンチに立ち寄り、「じゃ、リコその辺見てるね~!」と近くのお店に入ろうとしたその時、若くて長身で金髪のアメリカ人に呼び止められた。「Hey!Hello!Where are you from?」えっ?なんだ?どうやらそこで出している露店らしきお店の人みたい。「Form JAPAN…」「JAPAN!?コンニチハ!イラッシャイ、イラッシャイマセ!」日本語だ!すごーい!思わず笑っていると、そのお兄さんがなんかを手にして近づいてきた。「コレ、スゴイヨ!サラサラナルヨ」一見ヘアアイロンみたいなそれをリコの髪に近づけるお兄さん。「サラサラ、スキ?」「うん、スキだけど…」少し離れたところにあるベンチでタバコをふかしているSちゃんが、ちょっと笑いながらこっちを見てる。(汗)何、もしかして「サラサラナルヨ!」つって、これ買わせる作戦かぁ~!?リコ、どこ行ってもこういうのに捕まりやすい。日本語は知っている文が少しある程度みたいで、英語で何やら説明を始めながら、戸惑っているうちにその機械で髪の毛をはさまれた。すると…その部分が確かにしっとりサラサラに。「Good!サラサラ!カワイイ、サラサラダヨ!」「おぉ、ホントだ~」 愛想笑いでごまかしていると、どういう仕組みでサラサラナルヨ!なのか話し出したんだけど、ただのヘアアイロンじゃなくて、髪をはさむ部分が「セラミック」だというコトくらいしか聞き取れず。ワケがわからんので適当に「フーン、すごいね」と日本語でつぶやいたら、「スゴイ!Yes!スゴイ!超スゴイヨ!」「スゴイ」という単語もインプットされているらしく、思い出したかのように「スゴイ」を連発し出した。(言うんじゃなかった)そして今度はそれを使って、ウエーブもできると話し出すお兄さん。イイ加減ちょっとうざくなってくる。そしてそのウエーブも見せようと、唯一サラサラが自慢のリコの髪を持って、またアイロンをはさみ、今度はくるくるとねじり出す。や、やめろーーーーーー!!(カイジ「人食いパチンコ」編に登場する一条風)(わかりづらすぎ)これによってリコの髪の一部がひと昔前のウエービーヘアに早変わりした。(怒)「スゴイ!クルクル!クルクルダヨ!」クルクルダヨじゃねーよ、何してんダヨ! ヽ(`Д´)ノ今日まだ1日長いし、これからまだ買い物するのになんてコトを…!そこへ失笑しながらSちゃんが近づいてくる。「どうしただ、お前…」リコの旦那とわかり、Sちゃんにもひと通りヘアアイロンの説明を始めるお兄さん。もぉ、Sちゃん助けに来るの遅いに!説明を理解したのかしてないのか、Sちゃんは「How much?」と直球ストレートで質問を投げかけた。なんか…Sちゃんカッコイイじゃん、オイ。思えばSちゃん、行きの飛行機では飲み物を頼むのに「コーヒー、プリーズ」と思い切り和製英語を言って、CAに「What's?」なんて聞き返されてた時は不安だったけど、それからラスベガスに来て、英語の聞き取りにはリコ以上に能力を発揮、「コーヒー」も「カッフィー」とすんなり言えるようになり(?)、気づいたら、旅中頼れる存在になってたよ。新婚旅行で海外行って成田離婚…なんてのが昔よく言われてたけど、成田離婚ならぬセントレア離婚になる心配はまったくなさそうだ!(なげーよ)Sちゃんが値段を聞くと、「$180」だと言うその外人。ひゃッ、$180~!?そんな高いの誰が買うかーーー!!!ただでさえ旅の前半でカジノで使いすぎて、このアウトレット来ても高価な物に手を出せずにいるってのに、$180って。リコたちが笑いながら「無理無理。No money、No money!」と言うと、お兄さんがそこから値引きした金額を言い出した。なんだかんだで$100まで下がる、そのヘアアイロンの値段。日本で値引の達人Sちゃんが「$100、Harf!Harf!」と、大胆かつわかりやすい値段交渉を始める。(爆)Harfなんてそんな無茶な~!とお兄さんが言い出し、Sちゃんがそれだったらいらない!と言うと、ちょっと待って!とお兄さん。(*・д・)(・д・`*) < あーでもねーこーでもねーあのぉ…それより何より、この一部だけクルクルになったリコの髪何とかしてくれんかね?結局最初言った金額が$180なのに値引交渉で$80まで下がったものの、残念ながら$80の価値は見つからない。キッパリお断りだったけど、この髪を何とかしなきゃ帰れない。「うん、とりあえずさ…これ何とかしてくれん?」無理やり日本語で押し通して、ようやくもう一度ヘアアイロンでそのクルクル部分を戻してもらい、ようやく買わずにその場を離れるコトができた。「お前なんでああいうのにすぐ捕まるだかね?」思えば小学6年生の修学旅行で、東京タワー内のお土産屋さんで小さな東京タワーのクリスタル模型みたいなのを触って見てたら、「お嬢ちゃん触ったんだから買ってよ、それ」と強気なおばちゃんに言われて、指紋がついたとか何とか言われて無理やり買わされたっけ。なんか急に思い出してむかついてきた。 ヽ(`Д´)ノクルクルサラサラ事件もあり、せっかくタクシーに乗ってここまで来たのに、買いたい物も特に見つからず、Sちゃんと相談した結果、ホテルの方向へ戻るコトに。とりあえずホテルベネチアン辺りまでタクシーで行こうと、最初にタクシーを降りた場所に戻って、乗り込むリコたち。今度は行き先をリコたちが自分で伝えなきゃいけない。「ベネチアン」「What's?」「ベネチアン!」「ベネシアン…?」ストリップ地区にあんなにでかく建ってる有名なホテルベネチアンを、「Sorry…I don't know」知らないと言うタクシー運転手!いくら言っても通じない。なんで!?「うーん、じゃあ…Do you know WYNN?」「Yes!」ベネチアンのすぐ隣にある、リコたちが泊まってるウィンなら知ってるらしい。とりあえずウィンまで行ってもらうコトになったが、不思議でしょうがない。なんでベネチアンを知らないなんて言うのか…?この真相がわかったのは、日本に帰国して随分経ってからのコト。そもそもホテルベネチアンは現地で「ベネチアン」なんて言わないらしい…!「VENETIAN」と書くこのホテル名。「ベネチアン」というのは日本語読みで、ガイトブックにも思い切り「ベネチアン」とあるのだけど、本土では「ヴィニーシャン」(ニでアクセント)と呼ぶとのコト。全然違うやん。 (*゚Д゚*)タクシー運転手に通じないワケだ。そんなコトは知らないリコたちはタクシーに乗った後…言葉がわからないのをイイコトに、後部座席で言いたい放題。「なんでベネチアン知らないのかね?」「見習いかね?」「そうだね、タクシー運転手なりたてなのかもしれんね!!」かなり失礼なコトをしゃべくっていた。ウィンで下ろされた後、まだ朝から何ひとつ買っていないリコたちは買い物を続行。その前にさすがにおなかがすいてきた…と、ベラージオからウィンにタクシーで移動した途中で見かけた気がするバーガーキングを探すものの、なかなか見つからない。「この辺で看板を見た気がするんだけどなぁ…」ストリップ通りをウロウロしている中で、ひと際賑わったカジノ場を見つけて、ちょっとだけ入ってみる。ホテルで見てきたようなテーブルゲームやスロットマシーンがたくさんあるのだけど、ふと見ると…テーブルゲームのMINIMUM BET(最低賭金)が$3だったり$5だったり!安っ!!そう、リコたちがラスベガスに来てカジノと言ったら見たのはどれもホテルの中のカジノで、ただのカジノのお店には来たりしてなかったんだけど…どうやらホテルのカジノのレートが、ホテルにもよるけど全体的に高いみたいなのだよ!確かにベラージオでも、最低でもMIN$10でしかもそのテーブルはごくわずか、ほとんどは$50や$100…そんな高いお金賭けられるか~!!と思ったけど、ちゃんと庶民ができるテーブルゲームも、他のカジノ場にはあったんだ。そんな大事なコトに気づかなかったせいで、高級ホテルのカジノでテーブルゲームに到底手が届かず、せめてもと手を出したBigSixではソッコー負け、結局はどう考えても勝てそうにないスロットマシンやらを打って、大負けこいて、最終日、ギャンブルをやるお金もなくなった頃それに気づいたリコたち。(チーン)そうだよ、よくよく見ればベラージオやウィンのカジノにはお金持ちのチョイ悪オヤジみたいなのとか、ドレスアップしたセレブが遊んでたけど、ここはごく普通の若者や旅行客で賑わってる…(´・ω・`)絶対もう一度ラスベガスにまた来て、今度はおこずかい握り締めて、こういうカジノ場に来てテーブルゲームやったりして遊ぶんだ!2人揃ってそう誓い合い、ホテルのカジノで大負けしたお金はその勉強代だと思うコトにした。<つづく>