ユニークな発想!-谷口正和著「デジタル感性」(1999年04月税込 1,680 円)-
●こういう発想には初めて接しました。感性というとアナログ、理性というとデジタル、となんとなく漠然と考えていた私は、まずタイトルの「デジタル感性」という造語に、驚くとともに敬服しました。しかもこの本が出たのは今から9年も前ですからね。著者のイメージ創出能力はたいしたものです。------------------------------------------------------------------------------------「デジタル感性-21世紀の感性、21世紀の社会-」著者: 谷口正和 出版社: 産業能率大学出版部 サイズ: 単行本 ページ数: 187p 発行年月: 1999年04月 本体価格 1,600円 (税込 1,680 円) 送料別 在庫状態 品切れ 売り切れました内容情報】(「BOOK」データベースより)「 20世紀のラストシーン、突如襲ってきたデジタルの波。第3の波の先端を走るデジタルの波。地球は変わる。社会は変わる。個人も変わる。我々はいまだ出会ったことの無い未知の完成と遭遇する。未来は今日の延長線上にはない。しかし今日が未来である。予測すること、予知すること、予見すること、時代をにらむ顔がいまほど必要な時はない。21世紀はデジタル感性社会になる。1万年の生物学的アナログと、2001年の未来学的デジタルがはじめて統合される。本書は21世紀の感性スタンダードとなるはずの「デジタル感性」を、さまざまな角度から読み解こうとするものである。 」【目次】(「BOOK」データベースより)第1章 圧縮される感性/第2章 デジタル波動/第3章 新たな自然/第4章 超ハイスタイル社会/第5章 永遠の旅人へ/第6章 「個人」の消滅/第7章 サイバー・バランス論 -----------------------------------------------------------------------------------●この本は抽象的な文章が多いので、おそらく読んで楽しい本ではないと思います。しかし、日頃から「IT時代とはどういう時代なんだろう」「web2.0とはどんなものなんだろう」という問題意識をお持ちの方には、この本は随所にユニークな発想がでてくるので参考になるでしょう。●ただ、この本は、小見出しがとても刺激的な言葉で埋め尽くされている割に、読んでみると「なあんだ、そんなことか」という箇所も結構あります。著者がひねり出した造語のイメージ喚起力はなかなかのものですが、著者の思索は、この時点ではまだ、魅力的な造語のイメージ喚起力に十分には追いついていない感じもします。●とはいえ、この本の魅力は、上記の「ないよう情報」より「目次」の方によく表れています。例えば、第一章の「圧縮」という言葉。データの圧縮技術の向上は直感重視の時代を招く、と喝破しています。また、第3章の「新たな自然」は、都市は新しい自然である、と言い切ります。●次回は、この本に喚起された私のかってなイメージを書いてみたいと思います。ただ、残念なことに、売れ筋本位の「楽天ブックス」では、例によって売り切れだそうです。