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カテゴリ:宮廷の茗薇~時をかける恋〜全40話
梦回 dreaming back to the qing dynasty 第11話「小春のお守り」 怪我を負った十三皇子に付き添い、そのまま眠り込んでしまった茗薇(メイビ)。 翌朝、目が覚めた茗薇は大慌てで天幕を飛び出すと、寝たふりをしていた十三皇子は密かにほくそ笑んだ。 茗薇は急いで四皇子の天幕に戻ったが、ちょうど徳(トク)妃が四皇子に薬湯を飲ませていた。 すると徳妃は一晩中どこにいたのかと茗薇を追及する。 しかし咄嗟に四皇子がかばってくれた。 「儿子が十三弟の世話をするよう命じたのです、傷が深く心配だったので…」 徳妃は誤解していたと安堵し、茗薇に今夜は四皇子を見るよう命じた。 こうして再び四皇子の介抱に戻った茗薇、しかしふと気がつくと熊から守ってくれた十三皇子のことばかり考えてしまう。 …何を考えているの?私が探していたのは四爺よ? …彼に尽くせばいいの、他の人のことなんて考えちゃだめ 康熙(コウキ)帝は回京を前に宴席を開いた。 「今回の狩りで活躍したのは胤禛(インシン)@4、胤祥(インショウ)@13、胤禵(インテイ)@14だ 朕を守り、大熊も捕らえた」 和やかに始まった宴席、しかしそんな中、皇太子だけは自分が捕らえた子熊が災いを招いたことで身の置き場がない。 すると十三皇子が熊の生け捕りにもう1人の功労者がいると上奏した。 皇帝は熊を誘き寄せたという茗薇を呼び、褒美は何が良いかと聞いた。 そこで茗薇はあの母熊を放して子熊と一緒に森へ帰して欲しいと嘆願する。 茗薇らしい要求に顔をほころばせる四皇子、十三皇子、十四皇子、しかし八皇子が異論を唱えた。 「あの熊は皇阿瑪を脅かし、大怪我をさせるところでした、熊を森に帰せば禍根を残すとことに…」 そこで皇帝は茗薇になぜ熊を放したいのか聞いてみる。 「万物には皆、情があると思います 人間と同様に動物にも家族がいる、特に親子の情は最も絆が強いものです 母熊は子熊のため必死で戦いました、それゆえ母熊は皇上の怒りに触れることに… でも母親が子を守るために戦うのは当然のことではないでしょうか? 皇上には何とぞ寛大にお取り計らいくださいますよう…」 「…なかなか見識のある女子だ、確かに血は水よりも濃い、よかろう、熊の親子を森へ帰してやる」 四皇子と十三皇子が静養に戻り、茗薇は十四皇子と子熊を見に行った。 「母熊はどうしているの?」 「太医に治療させている、傷が治ったら森へ帰す」 「熊を太医に見せたの?(´゚艸゚)∴ブッ」 「傷を治せぬ時は太医の腕を切り落とす、皇宮から追放だ」 ( ゚д゚)ぽかーん ( ̄꒳ ̄)くすっ 茗薇は十四皇子の冗談に気づいて失笑した。 「あなたって以前とは変わったみたいね~」 十四皇子と茗薇は熊の母子が森へ帰って行く様子を見守った。 「来年の春にまた会えるかしら?」 「熊にとっては我々と会えぬ方がいい」 十四皇子はしみじみ宮廷もこの深い森のように、至る所に危険が潜み、弱肉強食と適者生存の世界だと言った。 「相手を倒して強くならねば生き残れない、それが遊びの規則だ この規則に慈悲や情けは無用、自分では選べない、やむを得ぬ」 「私をだましたのもやむを得なかったからだと?」 「…そうだ、だが後悔している、気がついたのだ だませば2度と信頼を得られず、笑顔さえ見せてもらえないのだと…」 「一度、失った信頼を取り戻すのは大変なのよ?」 「だから今は後悔している…」 ↓( ;∀;)イイハナシダナー ってそこ?w 雪景色の紫禁城、狩りの一件ですっかり意気消沈した皇太子は庭園の梅の花に目を留めた。 「…梅は気骨があるな、寒さの中でも独りで咲く だが人はこの凍てつく寒さの中では生きる気力さえ失う」 皇太子は梅の枝を折って眺めていたが、そこに偶然、納蘭(ノーラン)蓉月(ヨウゲツ)が通りかかった。 「誰?!ここの掟を知らないの?梅は貴妃娘娘がお好きな花、この花は納蘭貴妃の寝宮に飾るのよ 許しもなく枝を折るとは無礼にもほどがある!」 「姑娘(グゥニャン)、それは失礼を、東宮には梅がないのでつい…」 東宮と聞いた蓉月は皇太子だと気づいて渋々、拝礼したが、そこに小春(ショウシュン)が現れた。 「この梅園は本来、陛下のもの、梅園どころか天下さえ後継者である太子爺のものだと言えましょう 姐姐(ジェジェ)、先ほどの言葉は太子爺に失礼では?もし皇上のお耳に入れば姐姐のお立場が…」 すると蓉月は驚き、皇太子に不敬だったと謝罪して帰って行った。 皇太子は小春と再会し、孤独な胸の内を明かした。 狩りでの失態で今やすっかり宮中の笑い者となり、自分を支持していた大臣たちまで離れてしまったという。 明日は父の名代として軍を閲兵(エッペイ)するが、恐らく八皇子一派はこの機会を見逃さないだろう。 皇太子は八皇子一派が何か企んで自分の顔に泥を塗るつもりだと分かっていた。 「自信がないのだ…手に負えぬ事態になれば皇阿瑪を失望させてしまう、今度は許されまい」 すると小春は肌身離さず持っていた玉の首輪を外した。 「太子爺、私の故郷では勇敢な兵士が出征する時、女子は心を込めて編んだお守りを贈るのです」 小春は首輪を皇太子の腕に結びながら、胸を張って顔を上げれば勇気が湧くと助言、必ず成功すると励ました。 閲兵式に皇太子が現れた。 九皇子と十皇子は皇太子がまた醜態をさらすと嘲笑っていたが、皇太子はお守りをくれた小春の言葉を胸に顔を上げる。 「皇上の名代として私が号令を発する!…命令だ!気をつけ!」 しかし将軍がろくに剣も扱えない者の命令など聞けないと反発、兵士たちから失笑が漏れた。 すると皇太子は威厳を示すため、反抗した者を即刻、処刑するよう命じる。 弱気な皇太子とは思えない決断に驚きを隠せない九皇子と十皇子、将軍は慌てて命乞いしたが無駄だった。 「皇上いわく″軍紀は軍の基本″である、今回の閲兵で向上を見せた者は皇上に報告しておくぞ」 こうして皇太子は飴と鞭を使い、見事に軍を掌握した。 小春は庭園で皇太子が戻るのを待っていた。 すると皇太子が駆けつけ、思わず小春を抱きしめてしまう。 「おかげで太子の威厳を兵に示すことができたよ!」 「それは何よりでした…でも太子…その~」 皇太子は慌てて小春を離して謝罪したが、そんな皇太子の慌てぶりを見た小春は思わず失笑した。 こうして自信を取り戻した皇太子、しかし皇帝が以前のように自分を認めてくれるかは分からないという。 父の期待があまりに大きく、皇太子は応えたいと思う一方で失望させるのではと怖かった。 しかし小春は皇太子が心を解き放って大胆になれば必ず成功するはずだと鼓舞する。 「すでに第一歩を踏み出された、いつの日かその努力が皇上の目に留まります」 皇太子は自分を信じてくれる小春だけが心の支えとなった。 ( ;∀;) おじーちゃん、しっかり!って違うっw 一方、狩りで皇帝を救った茗薇は一目置かれるようになった。 何でも茗薇の功績のお陰で、父・英禄(エイロク)まで昇進したという。 朝廷では今や各勢力が雅拉爾塔(ヤラルタ)家を味方にしたがっていた。 宮中の遊園会、茗薇は参内する母との面会を楽しみにしていた。 しかしなぜか長春宮に姉の茗蕙(メイケイ)が現れ、茗薇は思わず身構える。 (* ̄꒳ ̄)<妹妹(メイメイ)~私と会えて嬉しくないみたいね? (; ̄▽ ̄)<いいえ~ 実は文氏が風邪を引いてしまったため、代わりに茗蕙が来たという。 茗蕙は優しい姉を演じ、茗薇の手を握り締めながら父まで出世させた妹を優秀だと褒めた。 (; ̄▽ ̄)<姐姐も優秀よ、じゃ、仕事だから〜ε=┏( ・_・)┛ピュー 茗薇は観劇席に菓子を運んでいた。 しかし角を曲がったところで誰かとぶつかり、落としてしまう。 「どこに目をつけているの?!四爺の側福晋(フジン)ですよ!」 側仕えに叱られた茗薇は、四皇子の側室なら年羹堯(ネンコウギョウ)の妹だと分かった。 ( ´△`).oO(面倒くさそうなのにぶつかっちゃったな~ すると年氏から割れた器を手で拾えと命じられてしまう。 茗薇は素直に破片を拾い始めたが、そこに四福晋がやって来た。 「ここは徳妃の寝宮です、ほどほどになさい」 感じが良さそうな四皇子の福晋が助けてくれたが、年氏が金切り声で言い返した。 「この女官の不手際ですよ?!まさか見逃せと?!」 「仰せの通りです、すぐ片付けます」 茗薇は再び破片を拾おうとしたが、うっかり指を切ってしまう。 (๑ ŏ_ŏ)<あっ… 手を止めてはならぬ!拾うのよ!>( ̄^ ̄#) そこへ四皇子がやって来た。 「何事だ?!」 四皇子は年氏に叱られているのが茗薇だと気づき、すぐに立たせた。 四福晋が事情を説明すると、四皇子は不機嫌そうに茗薇を連れて行ってしまう。 「なぜ爺(イェ)はあの小娘に手当てするなどと…」 「あの女官が皇上を救った茗薇姑娘ね…」 聡明な四福晋はすぐに気づいた。 ↓いかにもな年氏w 四皇子は茗薇を涼亭に連れて来た。 「いじめられたら私に言え」 「でも先ほどの件は私が悪いのです」 すると全児(ゼンジ)が薬を持って来る。 茗薇は必要ないと言ったが、四皇子は自ら介抱した。 「側福晋は四爺には誠実な方です」 「かばう必要はない、私にとって誰が大切かは分かっている…」 茗薇は八皇子一派にとっても重要な駒となった。 すると十皇子は宴席で給仕していた茗薇に酒を飲めと強要する。 憤慨した十三皇子が立ち上がったが、十三皇子より先に四皇子が口を開いた。 「私が代わりに受ける」 思いがけない四皇子の行動に静まり返る宴席、焦った茗薇はその場を収めるため、十皇子の杯を飲み干した。 茗薇はひとり城楼に立って酔いを覚ましていた。 (๑ ŏ_ŏ).oO(スーイエとシーサンイエ…一体、私はどうすればいいの? 思いがけず四皇子と十三皇子の板挟みとなった茗薇、すると十四皇子が現れ、酒を飲もうと茗薇を郊外まで連れ出した。 「十三哥もあきらめず四哥まで…まさに両手に花だな?」 「そんなつもりじゃないの、十三爺は友だちよ?四爺は…私が探していた人なの」 「とにかく君が2人の間で揺れているのが問題だ」 十四皇子は迷えば迷うほど選べなくなり、誰かを傷つければあとが厄介だと警告した。 耳の痛い話だが、茗薇は確かに役に立つ助言だと感謝する。 「…でも2人とは仲が悪いのに、なぜ私にそんなことを?」 「こじれると君が損をする、そうなったら誰も君を守れないぞ?」 「分かったわ、謝謝」 徳妃は連日の観劇で菓子を食べ過ぎ、胃がもたれたと笑った。 すると参内していた茗蕙がちょうど持って来た″山査子(サンザシ)羊羹″をどうかと勧める。 実は茗薇が子供の頃から胃が弱いために作って持って来たのだ。 徳妃は甘酸っぱくて爽やかだと喜び、妹思いの姉だと褒める。 そこへ暇を持て余した納蘭貴妃が現れた。 貴妃は気が利く側仕えがいて羨ましいと漏らし、言葉を交わしたことがある茗蕙に目をつける。 茗蕙には願ってもない機会だったが、すかさず茗薇が母の病で姉は家を離れられないと口を挟んだ。 「なら太医に診せればいいわ、その方が治りも早いでしょう?」 「娘娘の仰せの通りに…」 十四皇子は激しい琴の音を耳にし、様子を見に行った。 すると涼亭でひとり茗蕙が広陵散(コウリョウサン)を奏でている。 「″玉が砕けるがごとく清らかな音色″…強引な例えかな?」 「十四爺、私の知音になってくださる?」 「姑娘の知音になるには山中の獰猛な虎か毒蠍でなければ到底、無理だな〜」 「ふっ、ご謙遜を、幼なじみだけど、あなたの方が数段うわ手よ」 茗蕙は十四皇子ならこの危険に満ちた宮中で生き延びる方法を身につけていると言った。 「傍観者の振りをして巧みに策を弄す、ふふ、未熟な私をお導き頂きたいわ」 「私の導きなど必要か?…まあいい、怒りに満ちた琴の音色には興味がある 一体、誰が君を怒らせたのかな?どうやって仕返しするつもりだ?」 つづく ( ゚д゚)何?急に幼なじみ設定… それにしても姐姐の琴演奏wwwここは笑うところなのか?どうぞお見逃しなく! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.04.05 21:06:14
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