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カテゴリ:宮廷の茗薇~時をかける恋〜全40話
梦回 dreaming back to the qing dynasty 第23話「尼寺での暗示」 十三皇子に大打撃を与え、盗賊討伐という大任をつかんだ八皇子。 十皇子はまるで自分の事のように意気揚々としていたが、八皇子は息を潜めている四皇子を警戒していた。 すると四兄を見張っていた九皇子が駆けつけ、怪しい行動があったと報告する。 最近は毎日、郊外の別邸へ行く以外に動きはなかったが、今日になって四兄がなぜか配下に鏢局(ヒョウキョク)の警護を命じたという。 「密偵によれば素性が分からぬ女子がいると…」 八皇子はまさかと思いながら茗薇(メイビ)の生存を疑い、何としてでもその女子を捕まえるよう命じた。 四皇子は屋敷で茗薇の無事な回京を祈っていた。 すると密偵が駆けつけ、八皇子派が城門で検閲を始めたと報告する。 しかし下手に動けばかえってひと目を引くため、無理に阻止することもできなかった。 もし八皇子に見つかれば四皇子が父を欺くという大罪を犯したことが露見してしまう。 その話をちょうど差し入れに来た四福晋(フジン)が聞いていた。 無事に城内へ入った茗薇、しかしすでに八皇子たちが市中で捜索を始めていた。 茗薇は八皇子たちの姿に驚いて慌てて逃げ出したが、突然、馬車が現れ、四福晋が助けてくれる。 一方で別の馬車に乗った側福晋たちが偶然を装い、八皇子たちの行く手を阻んでいた。 四福晋は機転を利かせ、茗薇を屋敷ではなく尼寺に預けて戻った。 何も知らずに協力した側福晋・年(ネン)氏は事情を知って激怒、四皇子に茗薇のどこが良いのかと不満をぶつける。 しかし物分かりの良い妾室・夙敏(シュクビン)が四皇子の不快そうな表情に気づき、慌てて年氏を連れて出て行った。 報告を聞いた四皇子は危険も顧みず協力してくれた福晋に心から感謝した。 すると四皇子が福晋の手を優しく握りしめ、久しぶりに笑顔を見せてくれる。 どんな時でも四皇子にふさわしい正室であろうとふるまう福晋、しかし心の中では茗薇に嫉妬し、弟の福晋のために家族を蔑ろにする夫に憤りを禁じ得なかった。 しかし冷たく無情な仕打ちをされるより、愛する人の眉をひそめる表情を見るのは何より辛い。 ならば正室としてどんな困難も分かち合い、四皇子が茗薇を守りたいなら自分も全力で協力しようと腹をくくった。 皇帝は皇子たちに尼寺で祈祷するよう命じた。 珍しく四皇子は欠席、代わりに四福晋がやって来る。 九皇子と十皇子は早速、八兄の重用が不満で来ないのかと揶揄したが、十三皇子はすかさず父が決めたことに四兄が不満なはずはないと言い返した。 「四哥は体調を崩しただけ、病人に失礼では?言葉を慎んだらどうです?」 すると皇太子が言い争いにならぬよう話を遮った。 険悪な雰囲気に包まれる控室、そこへ僧侶たちが茶と菓子を運んで来る。 十三皇子は自分の好きな茉莉花(マツリカ)茶だと気づき、しかもお茶請けが栗餅だと驚いた。 十三皇子は8話で茗薇に自分の好きな物を伝えたことを思い出した。 …私は茉莉花茶が好きで、お茶請けには栗餅が絶品だ… まさかと思いながらひとり中庭で物思いにふける十三皇子、その時、どこからともなく指笛が鳴る。 「小薇?…小薇か?!いるんだろう?」 必死に茗薇を探す十三皇子、その姿を物陰から見ていた茗薇はそっと涙を流した。 「小薇…毎日、祈っているんだ、夢の中で君に会いたいと…でも君は現れない 怒っているのかい?嫌われたなら仕方がない… 君に従うよ、でも私を残して″しっかり生きろ″とは残酷すぎるぞ?」 するとふいに風が吹き、コツンと音がした。 十三皇子は驚いて振り返ってみると、御神木に見覚えのある指輪がぶら下がっている。 それは茗薇に贈った亡き母の指輪だった。 指輪には小さな木片が括り付けられている。 …杏の花咲く粗末な家で日の光もと暮らしたい… 十三皇子は茗薇が生きていると確信し、指輪を握りしめながら嬉し涙があふれた。 思わず駆け出しそうになる茗薇、しかしその時、順児(ジュンジ)が十三皇子を迎えにやって来る。 茗薇は会いたい気持ちを必死に抑え、そっと姿を隠した。 …焦ってはだめ、全てが水の泡になる、今は待たなくては… 帥府園(スイフエン)に戻った十三皇子は居ても立ってもいられなかった。 そこで七香(シチキョウ)に救い出したい者がいると相談する。 「あれは福晋だ、小薇は生きていて尼寺に隠れているんだ!」 ポカーン( ゚д゚)え?尼寺ではありませんが…って (Ŏ艸Ŏ)あっ! 七香はうっかり口を滑らせ、もはやごまかせなくなった。 「福晋なら四爺のところに…」 実はあの日、七香は火に強い黒絹を縫い込んだ旗袍(チーパオ)を福晋に届けていた。 そして毒酒を渡す時、密かに薬を混ぜて福晋を仮死状態にしたという。 火葬の時はさらに黒絹で作った覆いを被せ、福晋を守っていた。 「なぜ私にまで隠したんだ?」 「ご心配のあまり取り乱すかと…失敗が許されない状況だったのです」 七香は救出した後も四皇子から口止めされていたと話した。 毒酒のせいで福晋は危険な状態が続き、万が一の場合に備え、ぬか喜びになることを恐れたという。 しかし福晋は四皇子の別宅で療養していたはず、尼寺にいるはずがなかった。 十三皇子はともかく茗薇がひとり苦しんでいると察し、すぐ連れ戻すという。 一方、山東では十四皇子の活躍と茗蕙(メイケイ)の献策により盗賊討伐は順調だった。 茗蕙は意中の相手が十四皇子だとそれとなく示し、八皇子は2人の中を取り持とうとする。 しかし十四皇子は茗蕙に冷たかった。 「私も普通の女子と同じよ?好きな人のそばにいたい、その人が困難と戦うなら力になりたいわ」 「我々は互いに腹の底を見通している、絶対、一緒にはなれない」 「″真心は道を開く″…絶対なんて信じないわ」 茗蕙は時間ならまだたっぷりあると自信を見せたが、十四皇子は茗蕙に全く興味がないとあしらった。 十三皇子は茗薇を呼び戻すため、帥府園で福晋の法要を行うと決めた。 茗薇は僧侶たちに紛れて懐かしい我が家に戻り、久しぶりに自分の寝殿に落ち着く。 七香の話では十三皇子はこの部屋を誰にも触らせず、自分で掃除していた。 確かに部屋の中は出て行った時と同じ、何もかもそのままになっている。 …胤祥(インショウ)、やっと帰って来たわ… 日が暮れた頃、仕事を終えた七香が茗薇を呼びに来た。 「死を装ったことは皇上を欺く大罪ですから、しばらくは侍女としてお仕えください 十三爺は書斎です、では私はここで…」 「はお」 茗薇は中庭に出ると、書斎までの道しるべに灯籠が並んでいた。 灯籠にはそれぞれ十三皇子と茗薇の挿絵が入っている。 茗薇は灯籠をひとつひとつ眺めながら2人の思い出と共に進んで行くと、やがて暢和亭(チョウワテイ)で待つ十三皇子の姿が見えた。 「ただいま」 茗薇と十三皇子は抱き合い、互いの無事を喜びながら幸せを噛みしめた。 茗薇は十三皇子が恋しくて四皇子の所から逃げ出したと話した。 十三皇子は四皇子との間に何かあったと察したが、こうして茗薇が戻ったのならどうでも良い。 しかし茗薇は都へ入れたのは四皇子のおかげだと話し、七香も尽力してくれたと感謝した。 十三皇子は皆への恩を忘れないと約束し、茗薇に玉扳指(ギョクハンシ)を返す。 「もう2度と無茶するなよ?…何かあったら私にまず相談するんだ」 「うん…怒ってる?」 「自分に腹が立つ…君がこんな辛い目に遭ったのは私が娶ったせいだと…」 「私が望んだのよ?夫婦でしょう?水くさいわ」 「そうだな、夫婦は一心同体、もう決して離れない」 すると2人の再会を待っていたかのように雪が舞い落ちてきた。 一方、山東では清の軍営に思わぬ急報が届いた。 十四皇子が盗賊の待ち伏せに遭い、兵の多くが犠牲になったという。 そこで十四皇子は兵士たちを守るため、自らおとりになっていた。 付近一帯は起伏が激しく、盗賊には土地勘があるため、援護もできなかったという。 八皇子は日が昇るのを待って援軍を送ると決めたが、茗蕙は待ちきれず軍営を飛び出して行った。 茗蕙はひとり馬を駆けて十四皇子を探した。 しかしやがて木の枝にぶつかって落馬してしまう。 そこには兵士たちの亡骸がごろごろ転がっていた。 驚いた茗蕙は捻った手をかばいながらその場を離れたが、運悪く盗賊たちに見つかってしまう。 盗賊たちに包囲され絶体絶命の茗蕙、するとまさに茗蕙に襲い掛かろうとしていた盗賊の背中に矢が突き刺さった。 十四皇子は危ないところで茗蕙を助けた。 しかし多勢に無勢、十四皇子はやがて盗賊から剣を突きつけられてしまう。 その時、茗蕙があの短剣を握りしめ、盗賊の首を切りつけた。 こうして2人は再び手を組んで盗賊を撃退したが、満身創痍だった十四皇子はその場でばったり倒れてしまう。 つづく ( ;∀;)シーサン、思わずホロリとしたわ〜 からのオカルトじぇじぇ( ̄▽ ̄;) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.03.20 15:21:07
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