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カテゴリ:宮廷の茗薇~時をかける恋〜全40話
梦回 dreaming back to the qing dynasty 第24話「似た者同士」 力を合わせて盗賊を撃退した茗蕙(メイケイ)と十四皇子。 しかし満身創痍だった十四皇子はばったり倒れ、動けなくなってしまう。 「早く逃げろ…」 「いいえ、2人で戻るのよ!」 朦朧とする十四皇子を必死に引きずって行く茗蕙、やがて夜が明ける頃には川沿いに出た。 「十四…死なないで…まだまだあなたに話したいことがあるの…」 茗蕙は思わず十四皇子を抱きしめると、そこへ援軍を連れて2人を探していた八皇子が現れた。 徳(トク)妃は息子の恩人である茗蕙を長春(チョウシュン)宮で静養させた。 すると茗蕙は見舞いに来た徳妃に十四皇子への想いを告白し、殊勝にも何も望んでいないと訴える。 徳妃は分かったと言ったが、今はゆっくり休むよう勧めて何も約束しなかった。 十四皇子は怪我が癒えて元気になった。 茗蕙はなぜか一向に回復しなかったが、宮中では茗蕙の献身ぶりを知らぬ者はおらず、納蘭(ノーラン)貴妃も2人の縁談に前向きだ。 十四皇子はこれも茗蕙の策略だと気づいて避けていたが、母から急かされ仕方なく様子を見に行ってみる。 その時、茗蕙はせっかくふさがった傷口をかんざしで深く傷つけたところだった。 「(はっ)十四爺、やっと私の見舞いに?」 「見舞い?自分で悪化させたのだろう?」 十四皇子は自分の命を差し出してまで結婚を迫るという茗蕙の大胆な作戦に感心した。 しかし茗蕙は自分たちを″似た者同士″だという。 「私たちは虎や盗賊を殺し、生き延びた仲間なのよ?協力してこそ成し得ることもある 私には能力があるし、命すら惜しまない… 十四爺?私のような女子と共に事を起こせば面白いと思わない?」 茗蕙は命の恩人として貸しを返してもらう権利があると言ってお茶を差し出した。 「たとえ私に嫁いでも幸せになれると思うな」 「構わないわ、欲しいのは福晋(フジン)の地位だもの」 すると十四皇子は急に立ち上がったと思うと、植木鉢に茶をまいてしまう。 実は茗蕙は太医から届く薬湯をいつも植木に捨てていた。 「ならば私が与えるように仕向けるんだな」 茗蕙は十四皇子が全てお見通しだったと焦り、ちょうど部屋を出ようとしていた十四皇子の背中に叫んだ。 「福晋などどうでもいいのね、それなら与えても良いはずよ!待っているわ」 一方、十三皇子は権力争いから離れ、茗薇(メイビ)と幸せな時間を過ごしていた。 しかし茗薇は皇子である胤祥(インショウ)が争いから身を引けるはずがないと分かっている。 「十四弟は本当に彼女を娶るかしら?」 「いずれにせよ八哥には有利だ、だが君にとって脅威となる」 十三皇子が心配していたのは茗薇への影響だった。 すると茗薇は茗蕙など怖くないと安心させ、十三皇子がしたいようにして欲しいという。 「あなたを全力で支えるわ」 「私は大清の皇子である前に君の夫君だ、だから君の安全を一番に考えるよ…」 ( ತ _ತ) .oO(え__夫である前に皇子だと思ってたわ___ 十皇子は茗蕙の策略に憤慨した。 誰を娶るかは皇子が決めるもの、女子から縁談を強要されるとは皇子の面目が丸潰れだという。 冷静な九皇子は娶れば利があると言ったが、十四弟が茗蕙の言いなりになるとは到底、思えなかった。 しかし十四皇子は自ら皇帝に縁談を申し出る。 これに驚いたのは徳妃だった。 実は徳妃は知恵が回りすぎる茗蕙を警戒し、確かに命を懸けるほどの愛情は一見、美しく見えるが、時に人を傷つける凶器にもなると警告する。 すると十四皇子は茗蕙のことなら知り抜いていると安心させ、うまく扱う自信があると言って笑った。 「はお、あの子がお前を暖める暖炉になってくれることを祈るわ、でも火傷させられないようにね」 ( ˙꒳˙ ).oO(小薇も命を懸けてましたけど… 十四皇子と雅拉爾塔(ヤラルタ)茗蕙の婚礼が盛大に行われた。 茗蕙は寝所で十四皇子が来るのを待っていたが、所詮は形式だけの夫婦、共寝することなどないと諦めている。 しかし祝宴を終えた十四皇子が寝所に現れた。 すると十四皇子は茗蕙の蓋頭(ガイトウ)を外し、杯を渡す。 「…爺、これは私との婚礼の儀式?」 「我々の間に虚礼など必要か?」 「ふっ、そうね…私たちはただの同盟関係だもの」 「そうかな?」 十四皇子は茗蕙と夫婦の杯を交わすと、その夜、2人は夫婦として結ばれた。 ↓じぇじぇのニヤリがオカルト( ̄▽ ̄;) 翌朝、十四皇子と茗蕙は長春宮を訪ね、徳妃へ茶を献上した。 徳妃は何かと福晋を気遣う胤禵(インテイ)に感心し、こんなに人を案じる息子を見たのは初めてだと目を丸くする。 すると2人の仲睦まじい姿に安堵し、正月15日の縁日に参拝に行くよう勧め、早く子が授かることを願った。 雪景色の紫禁城、長春宮を出た十四皇子と茗蕙は相合い傘で宮道を歩いた。 茗蕙は徳妃の心遣いに感謝したが、十四皇子は2人きりになったら芝居は必要ないと冷たい。 「優しくされて嬉しいのは本心よ」 「ふっ、そうか~君にも人の心があるんだな~」 「あなたのために尽くすと言ったのも本心よ」 「早くも私に夢中か?…どうやら地位だけでなく私の心も欲しくなったようだ」 「私の気持ちがまだ分からないの?」 茗蕙は徳妃の前で見せた十四皇子の優しさが本物なのか芝居なのか分からないという。 「本物であって欲しいわ…」 「本物だと言ったら信じるか?」 「もちろんよ」 「君が本物だと思うなら本物だ」 すると十四皇子は茗蕙に傘を持たせ、ひとりで先に行ってしまう。 …本物だと思えば本物になるの? …だったらこのお芝居をずっと続けていたい 帥府園(スイフエン)、十三皇子は茗薇を侍女と偽って屋敷にかくまうため、使用人を全て入れ替えていた。 それでも七香(シチキョウ)から他の者たちに怪しまれぬよう、戯れはほどほどにと釘を刺されてしまう。 十三皇子と茗薇は七香の小言などどこ吹く風、しかし十三皇子はずっと屋敷に閉じ込められている茗薇に同情した。 茗薇は十三皇子といられるだけで満足だと言ったが、十三皇子はもうすぐ縁日なので灯籠を見に行こうという。 「出かける?出かけるなんて!見つかったら面倒なことになるわ」 「私に良い策がある…」 正月15日、縁日で賑やかな市中に無料の仮面を配る順児(ジュンジ)の姿があった。 やがて大街に仮面を付けた人々があふれ、これで十三皇子と茗薇も仮面を付ければ気兼ねなく縁日を楽しめる。 2人は久しぶりの外出を満喫、しかしちょうど同じ頃、参拝を終えた十四皇子と茗蕙も灯籠を見ようと縁日に立ち寄っていた。 十四皇子と茗蕙が馬車を降りると、人々が綺麗な福晋だと歓声を上げた。 羨望の的となった茗蕙は自尊心が満たされ、高底鞋で歩くのも苦にならない。 やがて茗蕙は結び紐の露店を見つけた。 「爺、1月15日の縁日で買った結び紐を枝に掛けると白髪になるまで添い遂げられるのです」 十四皇子は早速、赤い結び紐を買うと、どうせなら寺に戻って木のてっぺんに掛けようと言った。 尼寺の御神木の前にはたくさんの夫婦や恋人たちが集まり、結び糸を掛けていた。 「結ぶ場所が高いほど願いはよく叶うそうだ」 「好きな所へ掛ければいいわ、どうせ私のことをからかっているんでしょう?」 すると十四皇子は結び糸を持ち、突然、走り出したかと思うと、見事な軽功で木の枝に飛び乗り、高い場所に紐をかけて降りて来た。 「ありがとう」 「早く願い事をせよ」 …私の願い事はただ1つ、白髪になるまであなたと添い遂げること… 茗蕙は両手を合わせて目を閉じた。 十四皇子と茗蕙は再び縁日に戻った。 しかしさすがに高底鞋で歩いた茗蕙は足の痛みが我慢できなくなり、顔を歪める。 「つらいのに我慢していたのか?」 「ここまで来たら、最後まで我慢してみせるわ」 すると十四皇子は背負ってやると言った。 「今日、歩き回ったのは福晋らしく振る舞うためだろう?協力してやる」 「ふっ、十四福晋として当然の扱いを受けるわ」 十四皇子は人目もはばからず茗蕙を背負って歩いた。 「私に地位だけを与えるつもりなら、なぜ婚礼の夜に部屋へ来たの?」 「娶った以上、君は私の妻だからだ、そうだろう?」 つづく (  ̄꒳ ̄)14は懐柔したいのか?責任を感じて埋め合わせなのか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.03.22 22:23:58
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