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カテゴリ:安楽伝 あらすじ
安乐传 The Legend Of Anle 第18話 帝承恩(ディチォンエン)の肩には帝梓元(ディヅユアン)の肩にあるはずの傷痕がなかった。 韓燁(ハンイェ)は独り碁を打ちながら物思いにふけっていたが、そこへ温朔(ウェンショウ)がやって来る。 「白と黒が互角ですね?…殿下、安楽(アンルー)姐と帝小姐のことを考えているのでしょう?」 温朔に見透かされた韓燁は面白くなさそうに白石を碁笥に戻した。 「何の用だ?」 「殿下、お妃候補の鍾景(ショウケイ)が宴に来なかったのは火事で一家もろとも焼死したからでした 噂では鍾海(ショウカイ)という下僕が火を放ったとか…」 しかし韓燁は何か裏があると疑い、独りで翎湘楼(レイショウロウ)へ出かけた。 ちょうどその頃、安楽は洛銘西(ルォミンシー)から韓燁が肩の傷の件で身代わりに勘づいたかもしれないと聞いていた。 帝承恩の素性が露見すればこれまでの努力が水の泡、しかし下手に動けばかえって怪しまれてしまう。 「彼女の肩に傷をつける必要はないわ、復讐のために他人を犠牲にできない それより鍾海を見つけなくては…」 韓燁は楼閣の大階段を上りながら、安寧(アンニン)との会話を思い出していた。 『もし梓元が幽閉されていなければ、安楽のようにこの世をのびやかで自由に生きていたはず』 するとちょうど安楽が洛銘西の部屋から出で来るのが見えた。 「洛大人…鍾海の件はお願いね」 安楽は韓燁がいると気づいたが、知らないふりをして帰ってしまう。 洛銘西は安楽を見送ると、柱の影に隠れている韓燁へ聞こえよがしに言った。 「太子殿下がお見えならお茶を入れましょう」 韓燁は気まずそうに姿を現したが、部屋に入ると安楽が使っていた手炙りが残っていた。 一匹狼の洛銘西がなぜ安楽を特別に気遣うのか。 2人は鍾海の件を隠し、公務と言いながら翎湘楼で密談している。 韓燁の疑念は一気に深まった。 「今日、帝承恩と会って筆跡を見た、8歳の時と同じ字だった だが10年も経っていながら上達していないのは妙だ 字は変わらぬのに気性は別人、そればかりか…」 するとそこで洛銘西に話を遮られてしまう。 「殿下、何を疑おうと皇族は情で動くべきではない 守るべき者は誰か、手放すべき者は誰か、忘れてはなりません」 「変わったのは気性ではなく人だとしたら?梓元ではないとしたら…」 「別人だとしても決めたことはもう変えられない 後悔したとしても太子として己の言葉を守るしかない」 韓燁はおとなしく帰って行った。 しかしこのままでは帝承恩が偽物だと気づかれるのも時間の問題だろう。 …早く安寧から真相を聞き出さねば… 安楽は忠僕の鍾海なら主の無念を晴らすため、必ず命懸けで訴え出るはずだと考えた。 大理寺は各県に手配書を貼っていたが、実は偽の特徴と別の人相書きで鍾海を逃げやすくしている。 すると予想通り鍾海が上京、報告を聞いた忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)は冤罪を訴えられたら厄介なことになると焦った。 ともかく年が明けたら息子を都から出すことにしたが、古斉善(コセイゼン)は拒否、一族の危機だというのに自分のことしか頭になかった。 その夜、帝承恩は偶然、慕青(ムーチン)が燃やし損ねた密書を目にした。 …帝承恩に近づく者を全て報告せよ… 帝承恩は唯一の家族だと慕っていた慕青が実は自分を見張っていたと知り、その裏切りに深く傷ついてしまう。 翌日、安楽は久しぶりに采微軒(サイビケン)に立ち寄った。 すると幼い頃からずっと探していた″南露剣譜(ナンロケンプ)″が入荷している。 「はっ!これをもらうわ!」 「任大人、申し訳ありません、これは先約がございまして」 「でもずっと探していたのよ?」 「君も探していたのか…」 その声は店の奥にいた韓燁だった。 かつて梓元はこの書を読めば剣の達人になれると聞き及び、欲しがっていたという。 10年探し続けてやっと見つけたものの、実は剣譜の技は見かけ倒しだと明らかになっていた。 「それに帝承恩はもう剣術に興味がないしな…」 韓燁は以前のように自分から横取りするつもりかと煽ったが、安楽はあっさり返した。 「心配しないで、私は臣下ですから…どうぞ」 「いやいいんだ、江南へ同行してくれた礼だ」 安楽は剣譜もらって店を出た。 しかし韓燁がずっとついてくる。 安楽はやはり剣譜が惜しいのかと呆れ、ちょうど露店で売っていた″皇太子府愛情故事″を買って贈った。 「この物語と同じように帝小姐とお幸せにね」 「…任安楽、君はある人によく似ている」 「言ったはずよ?天下に任安楽は私一人だけだと…」 すると安楽は皇太子妃の座にも興味がなくなったと言って帰ってしまう。 帝承恩は屋敷の門前に赤い傘を置いた。 知らせを聞いた左丞相・姜瑜(キョウユ)は喜び、帝承恩が期待に応えてくれることを祈る。 一方、洛銘西は公主府に安寧を訪ねた。 帝承恩が太子妃の座を手に入れれば安泰のはず、反対なのは危険だからかと探りを入れる。 「そもそも梓元は逆賊の娘、韓家の娘でありながら梓元を恨みもせず同情すると?」 「靖安(セイアン)侯は高潔な方だった、逆賊ではないわ」 そこで洛銘西は青南(セイナン)山でいかに兵士たちが虐殺されたかを話し始めた。 あの時、巨石を落とされ、万の矢を放たれ、兵士たちは声を上げる間もなく血だるまになったという。 「もうやめて!」 「今も公主の脳裏には″安魂″が響き、惨殺の光景が浮かぶはずだ!」 「お黙り!」 その時、外で控えていた冷北(ランベイ)が公主の怒号に驚いて殿内に入った。 「大丈夫ですか?!」 「何でもない…下がって」 安寧は悔恨の念から、あの時、靖安侯が兵を動かしたのは皇帝の筆跡を真似た密書を受け取ったからだと明かした。 驚いた洛銘西は事を公にするよう訴え、このままでは梓元が自害した宦官・良喜(リョウキ)のように宮中で殺されてしまうという。 「そこまでよ!彼女は私が守る…冷北、お帰りよ」 「…君の考え一つで将兵らの魂は安らかに眠れる、梓元もこれからは幸せになれるんだ」 洛銘西は安寧の決断に期待して引き上げたが、安寧は公主という立場上、告発することはできなかった。 皇帝が帝承恩を韓家の″除夜の宴″に招待した。 何とか阻止すべく画策する皇太后・孫瑜君(ソンユクン)、一方、姜瑜は冷北を呼び出し、帝承恩から協力の承諾を得たと報告した。 「帝承恩の太子妃の座を守るためには殿下のお力添えが…明日の除夜の宴こそが動く好機かと」 慕青は帝承恩を心配し、宴に行かないよう勧めた。 しかし赤い傘と手を組んだ帝承恩は何としてでも皇太子妃の座を手に入れると決意する。 その頃、冷北は宴に招待された妹を訪ね、欠席するよう説得した。 退屈している莫霜(モーシュァン)は安寧公主に会いたいと拒んだが、冷北は危険から守るためだという。 「分かったわ、でもいくら安寧公主と親しくても、危険な時は自分の身を守ってね」 一方、洛銘西は除夜の宴で皇太后が帝承恩の暗殺を企てていると知り、密かに安寧に知らせた。 …帝承恩が危ない… 姜瑜は忠義侯の配下が鍾海を血眼になって探していると聞いた。 どうやら息子に関係があるらしい。 「忠義侯の配下の後をつけろ、臨機応変にな 鍾海の口封じをする気なら手を貸してやろう、証拠を残すなよ」 鍾海は刺客に追われ、五柳(ゴリュウ)街に追い込まれた。 しかし苑書(エンショ)から報告を聞いた安楽が駆けつけ、危ないところで鍾海を救う。 すると刺客は合図の笛に気づき、廃屋に火を放って2人を閉じ込めて撤収した。 その頃、宮中へ急いでいた安寧は偶然、宴に向かう皇太子の馬車と出くわした。 「太子哥哥!梓元の身が危ないの、急ぎましょう」 韓燁と温朔は車を降りて馬に乗り換えたが、その途中、火災現場を通りかかった。 聞けば任大人がひとりで中へ入って行ったという。 驚いた韓燁は安寧を先に行くよう頼み、温朔と五柳街へ急いだ。 安楽は何とか扉を蹴り飛ばし、脱出しようとした。 その時、梁が落下、安楽は咄嗟に鍾海を突き飛ばして逃し、独り取り残されてしまう。 韓燁は燃え盛る廃屋に飛び込んだ。 すると倒れた扉に足を挟まれ、動けなくなった安楽を発見する。 韓燁は安楽を助け出し、抱きかかえたが、すでに火が回って逃げ場がなかった。 しかし運良く片隅に置かれた水瓶を見つける。 つづく (  ̄꒳ ̄)やる時はやるジュゴン ←いや違うw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.03.28 21:38:38
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