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カテゴリ:花令嬢の華麗なる計画 全24話
花琉璃轶闻 Royal Rumours 最終話「太平の世の礎」 崖から落下した皇太子・姫元溯(キゲンソ)と花琉璃(カリィウリ)。 しかし2人は運良く枯れ枝の上に着地し無事だった。 「私から離れるな、この通りだ、そばにいてくれ」 元溯は改めて琉璃の大切さを痛感し、思わず口づけした。 翌朝、英(エイ)王・姫元灝(キゲンコウ)はまだ皇太子と花郡主を探していた。 従者の金瓜(キンカ)と銀瓜(ギンカ)は姫元溯が消えれば英王が皇太子になれると喜び、実は賢(ケン)妃からも皇太子が弱っていたら一思いに殺せと命じられたという。 これに姫元灝は激怒した。 「身を挺して賊を引き離してくれた太子の危機につけ込むとは何事か!うせろ!」 興奮した英王はうっかり足を踏み外し、崖から滑り落ちてしまう。 すると偶然にも崖下にいる皇太子と花郡主を発見、兵を呼んで2人を引き上げた。 しかし琉璃は搬送中、最期まで自分を守ってくれた宋光(ソウコウ)の亡骸を見つけ、泣き崩れてしまう。 皇宮では昌隆(ショウリュウ)帝と護国大将軍・花応庭(カオウテイ)が一緒に息子と娘の帰りを待っていた。 皇帝は皇太子の計画に従い、仮病を使って逆賊を掃討したが、駙馬・謝臨州(シャリンシュウ)が皇后の謀反の一味の残党で林(リン)妃と通じていると知り、心痛に堪えないという。 すると無事に2人が戻って来たと報告が来た。 姫元溯は琉璃を東宮で休ませ、雲寒(ウンハン)の罪状書に目を通した。 …誠意をもって接してくださった殿下に残る命を捧げ、死に花を咲かせる所存です、殿下にお許しは請いません、志を果たされますよう、来世では全身全霊でお仕えします… 「出かけるぞ、用意しろ」 小八(ショウハチ)が馬車の準備に出かけると、皇帝と花将軍が駆けつけた。 花応庭は寝台で倒れている娘に駆け寄ったが、琉璃はこっそり父の袂を引っ張って狸寝入りだと合図する。 すると元溯は皇帝に琉璃をこのまま東宮で静養させたいと懇願した。 花応庭は娘の体面を考え連れて帰ると言ったが、元溯は思わず自分の″皇太子妃″だと口を滑らせる。 「認めていただけるなら側室は持ちません、妃は琉璃1人です 政(マツリゴト)は余しだいですが、余は琉璃しだいです、これでいかがですか?」 その時、琉璃がわざとらしく咳をして目を開けた。 「殿下、おでかけになるなら私も一緒に…」 そこで元溯は皇帝に今日中に婚約したいと訴え、花応庭の説得を任せた。 裴済懐(ハイセイカイ)は城門を封鎖、謝臨州は玉京を脱出できなくなった。 楽陽(ラクヨウ)長公主は自分と娘を巻き込むなと反発したが、激怒した謝臨州に毒薬を無理やり飲まされてしまう。 「長公主は故郷を思うあまり声を失った、すぐ故郷に戻らねば…」 長公主の馬車が延啓(エンケイ)門に現れた。 謝臨州は車の帷をあげて楽陽の具合が悪いと訴えたが、その時、皇太子が駆けつける。 「もう芝居は良い、雲寒の命を償ってもらう」 「死んだと?…では″死人に口なし″では?」 すると謝瑶(シャヨウ)が車から飛び降り、母を助けて欲しいと泣きついた。 しかし楽陽が逃げ遅れ、謝臨州に捕まってしまう。 元溯は叔母の命には代えられず開門を命じたが、馬車が城門を出たところで弓矢を放ち、馬を御していた謝臨州を仕留めた。 姫元溯は馬車で待っていた琉璃の元に戻り、2人で冷宮の林氏を訪ねた。 「やっと来たわね」 謝臨州は謀反を起こした皇后の配下だった。 当時、挙兵に失敗するも逃げ延び、反旗を翻す機会をうかがっていたという。 実は″雲倉嶺(ウンソウレイ)の役″で暗躍していたのも謝臨州だった。 「あなたの母親を殺したのは私よ」 子のない皇后は姫元弘(キゲンコウ)の即位を約束し、林氏を懐柔したという。 「それが手違いで毒入りの煎じ薬をあなたではなく、あなたの母親が飲んでしまったの…」 「ではおあいこだな、お前の想い人は余が殺した」 林氏は愛する人が死んだと聞いて呆然となった。 しかし元溯は謝臨州に愛などなかったと指摘する。 「謝臨州は自分の退路を残すため、太平宴でお前に正体を現させたのだ お前はあの者に利用されたに過ぎぬ」 「違う!全ては元弘のためよ!」 琉璃は三皇子を口実にするなと非難した。 すると元溯は三皇子から託された絵を渡し、琉璃を連れて帰ってしまう。 三皇子が描いた母の姿絵は優しく穏やかな笑顔だった。 …母妃、私は何も望みません、笑顔の母妃とずっと暮らしたい、皆が楽しく暮らせることが望みです… 林氏は息子の絵を見ながら自分の過ちの大きさに気づき、その場で泣き崩れた。 姫元溯と琉璃は高台から眼下の町を眺めた。 「殿下、もう戦は起こりませんか?」 「私とそなたがいる間は起きまい」 「では私たちは縉(シン)国の礎を守ったのですね?」 琉璃は父から家族だけではなく縉国の民すべてを思い、愛する故郷だけではなく国の門を守るのだと教えられていた。 実は元溯も父皇から国家とは領土ではなくこの地で暮らす民だと教えられたという。 一方、金珀(キンハク)国に戻った第二皇子・賀遠亭(ガエンテイ)は亡き琉璃を思いながら、城楼で独り酒を飲んでいた。 まさか同じ朝日を琉璃が愛する皇太子と一緒に眺めているとは夢にも思わず…。 玉京に平穏な日々が戻った。 英王と田嘉敏(デンカビン)は想いが通じ合い、笑顔の絶えない毎日を過ごしている。 鳶尾(エンビ)も裴済懐とのわだかまりが解け、ささやかながら幸せな時間を手に入れていた。 そして深窓の令嬢だった杜琇瑩(トシュウエイ)も今や祖父のように清貧な師匠となり、独りでも強く生きている。 その腰には″寒″と彫られた玉が下がっていた。 「会わぬのか?」 酒楼の露台にいた姫元溯と雲寒は偶然、大街を歩く杜琇瑩を見かけた。 しかし雲寒は杜琇瑩とは会わないという。 「私は死んだ…それでいい、江湖では危険と取り合わせの身ですから」 「では私の婚儀は?」 「十分なご祝儀を贈ります、ふふ」 「気持ちだけ十分だ」 その頃、賀遠亭に思いがけない招待状が届いた。 …縉国郡主・花琉璃より、金珀国の敗将・二皇子へ招待状を送る 太子・姫元溯と郡主・花琉璃の婚礼に祝儀を携えて来られたし… 「ふっ、何と生きていたのか…生きているならまだ終わりではない、また会う日も来よう」 皇太子と花郡主の婚礼当日、2人は家族や友人たちに見守れ、拝礼の儀を執り行った。 幸せに包まれる琉璃だったが、実は思いがけず夢がついえてしまったという。 「馬鹿馬鹿しい夢ですが、歴史に名を残す病弱美女になりたかったのです 両親も兄も応援してくれました まさかこんな無邪気な私の心を理解してくれる人がもう1人いるなんて… 殿下に会えて幸せです、でも私が殿下を救ったことが都中に知れ渡り、たくましいとばれました 殿下を救えたのは嬉しいけれど、長年の夢が…」 「そなたは私のために夢を捨てたのだな」 「殿下にはその価値があります」 そこで姫元溯は史書に自分の妃が縉国の歴史上、最も美しい病弱美女だと記し、琉璃の夢を叶えると約束した。 おわり (´・ω・`)ァァァァァァァァ… 最後の最後に悪手を使うとは… ラブコメに良くある手法だけど、興醒めしちゃうのよね〜 さて反省会場はこちらです( ̄▽ ̄;) 病弱設定はてっきり花家への批判をかわすためだと思ってた まさか病弱美女になることが夢で、家族も応援して送り出してくれただと? 最初から言って欲しかったわ〜 そもそも皇太子が琉璃を呼んだって、聞いてないわ___ え?言ってた? あ、私が見てなかっただけかもw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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