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カテゴリ:今宵、若様は恋におちる 全38話
春闺梦里人 Romance of a Twin Flower 第22話「よみがえった記憶」 袁朗(エンロウ)は季曼(キマン)が乗船しているとは知らず、蛟龍(コウリュウ)幇たちと海賊に扮して官兵の船を襲撃した。 王錦堯(オウキンギョウ)と碁を打っていた寧鈺軒(ネイギョクケン)も船室を飛び出し応戦、しかしうっかり季曼からもらったお守りを落とし、拾おうとしたところで海賊に剣を突きつけられてしまう。 すると鬼白(キハク)たちも武器を捨てて降参した。 王錦堯は荷を運び出し、海賊に全ての銀子を差し出しすふりをした。 しかし寧鈺軒は王錦堯と海賊がぐるだと分かっている。 「王錦堯、芝居の必要はない…そうだろう?袁幇主?」 袁朗は仮面を外して正体を明かすと、王錦堯も本性を現した。 「お前も寧夫人も策を弄して組合の掟を破った、私が許しても私の上のお方が許さぬ!」 王錦堯は袁朗に寧鈺軒を始末するよう命じたが、寧鈺軒も袁朗の説得を試みた。 「仲間を海賊に仕立てて年貢を手にした途端、蛟龍幇はお尋ね者になるぞ?!」 そこで王錦堯は身代わりとなる男たちを連行させ、袁朗を安心させた。 「人足を募る名目で海坊周辺の集落から集めた男たちだ」 すると袁朗は寧鈺軒を斬ると見せかけ、その剣先を王錦堯の首に突き付ける。 実は袁朗が手を組んだのは王錦堯ではなく寧鈺軒だった。 …寧鈺軒は蛟龍幇を訪ね、袁朗に王錦堯の悪事を明かして協力を頼んだ 『劉家村を知っているな?村の男たちはどこにいると思う?』 海坊の年貢は何度も奪われ行方知れず、しかし毎回、海賊はあっさり捕まっていた 実はこれまでの年貢強奪で捕まった海賊は王錦堯が手配した無垢の民だという 寧鈺軒は王錦堯を倒さない限り海坊の平和はないと訴えた… 官兵の船に積んだ年貢は全て石ころ、本当の銀子は別の船で都へ向かっていた。 袁朗は王錦堯からもらった令牌で堂々と船に乗り込み、密かに銀子と石ころを入れ替えておいたという。 こうして王錦堯の企みは失敗に終わった。 あとは船が都に到着するのを待って大理寺に引き継ぐだけとなる。 寧鈺軒は袁朗も一緒に上京すれば蛟龍幇の名も上がると言ったが、袁朗は名声のためでなく民のためだと断った。 その時、王錦堯が拘束していた男を突き飛ばし、着火器に火をつける。 「こうなったら全員を道連れだ!」 「危ない!」 すると突然、季曼が甲板に現れ、王錦堯の着火器を奪おうと飛びついた。 「箱の中は猛火油よ!」 しかし季曼は王錦堯に振り払われ海へ落下、寧鈺軒は思わずあと追って飛び込んでしまう。 鬼白は咄嗟に暗器を投げて王錦堯を始末したが遅かった。 積荷に向かって弧を描き飛んで行く着火器、しかし袁朗が間一髪のところで着火器をつかむ。 一方、海中へ沈んだ季曼は薄れゆく意識の中で失った記憶を取り戻していた。 …半年前、季曼は想い人に会うため京城へやって来た そこで都の娘たちのように美しい衣を買うことにする 店主の話では季曼が選んだ衣の生地は貴重な玲瓏紗(レイロウシャ)で、店に2着しかない代物だった 『訪ねる勇気が出るまで4年もかかったわ、今日こそあなたにこの気持ちを伝える』 季曼は思い切って2着とも買うと決めたが、実はすでにもう1着を陌玉(バクギョク)侯夫人が買っていた 陌玉侯とは左執政(サシッセイ)の寧鈺軒のこと、しかも今日は寧鈺軒が第二夫人を迎える日だという 『今日が婚礼?!』 季曼の想い人とは寧鈺軒だった しかし告白する前に失恋と分かり、客桟で独りやけ酒をあおる 『婚礼?!しかも2人目って…そうだ!三夫人にしてもらえばいいわ!ダメダメダメ…!』 季曼は悶々としていたが、せめて自分の想いだけでも伝えようと決意し、寧府へ急いだ すると自分と同じ衣をまとった夫人が屋敷を飛び出して来る 季曼の前を慌てて走って行く寧夫人、彼女は季曼とうりふたつだった 季曼は私兵に追われる夫人の後を追って山に入った その時、ちょうど崖から落ちる夫人を目撃、慌てて河に飛び込む 季曼は水中で自分とそっくりな夫人を発見したが時すでに遅く、事切れた夫人は静かに川底へ沈んで行った… 寧鈺軒は季曼を救出して県衙に戻った。 なかなか目を覚まさない季曼を献身的に介抱する寧鈺軒。 実はその時、季曼は寧鈺軒に一目惚れした時の光景を思い出していた。 海坊の港建設に尽力した寧鈺軒は開港式に参加し、季曼はそこで寧鈺軒に一目惚れしてしまう。 その時、季曼はふいに目を覚ました。 「…永遠にそばにいて欲しい、二度と傷つけはせぬ、だから目覚めてくれ」 寧鈺軒の告白を聞いた季曼は慌てて寝たふりをしたが、思わず顔が赤くなってしまう。 すると苜蓿(ムーシュ)が夫人の具合が悪いのではと心配して騒ぎ出し、仕方なく季曼は目を開けた。 「うるさくて眠れないわ」 「…うるさい?もしや私の言ったことを聞いていたのか?」 (´゚艸゚)∴ブッ ( ̄▽ ̄;)<まあよい… そこで季曼は寧鈺軒が作った麺が食べたいと頼んだ。 袁朗は季曼の無事を聞いて安堵した。 趙龍(チョウリュウ)と趙虎(チョウコ)は寧鈺軒を非難、袁朗なら季曼を危険な目には遭わせないという。 「自分が聶桑楡(ニェサンユー)ではないと知れば寧鈺軒から離れると思った だが2人はますます親密になっている…」 「李小姐を取り戻そう!俺たちに任せてくれ」 趙龍と趙虎は小姐を敵の妻にしておくわけにいかないと訴えた。 寧鈺軒は厨房で桑葚(ソウシン)から季曼に想い人いると聞いて動揺した。 しかし想い人の特徴を聞けば聞くほど、自分のことのように思えて来る。 ともかく季曼に麺を作って届け、その夜は桑葚に任せて休むことにした。 季曼は桑葚だけに記憶が戻ったと明かした。 確かに季曼は桑葚との出会いや船での決まりごと、好きな物も全て知っている。 桑葚はついに小姐が戻ってきたと抱きついて喜んだが、何より驚いたのは季曼の想い人のことだった。 つづく ( ๑≧ꇴ≦)ついに記憶が戻る! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.04.29 18:33:41
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