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カテゴリ:今宵、若様は恋におちる 全38話
春闺梦里人 Romance of a Twin Flower 第23話「門前の魚に秘めた想い」 季曼(キマン)は海に落ちて昏睡していたが、目覚めると記憶が戻っていた。 ひとまず桑葚(ソウシン)だけに報告し、実は想い人が寧鈺軒(ネイギョクケン)だと分かったという。 ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ″<寧鈺軒がががが! 「小姐、ならお宝の箱の中身は寧鈺軒に関わる物ですか?」 「お宝の箱?あ~!思い出した!ふふふふっ」 確かに季曼は憧れの人を下手な詩に詠んだり、絵姿を描いては大切に保管していた。 桑葚はともかくこれで帰海(キカイ)号へ帰れると喜んだが、季曼に拒まれてしまう。 「大好きな寧鈺軒のそばにいられるのよ?出て行かない!」 翌朝、寧鈺軒は鬼白(キハク)と海坊(カイホウ)港にいた。 回復した季曼が再び船に戻ってしまうと思うとやるせない寧鈺軒。 そこで季曼を引き止めようと帰海号の修繕を無理やり引き伸ばしてしまう。 すると蛟龍(コウリュウ)幇の幇主・袁朗(エンロウ)が現れた。 袁朗は寧夫人の見舞いに行きたいと言ったが、寧鈺軒は静養中につき遠慮して欲しいと断る。 年貢の護送の件では民のため手を組んだ2人、しかし季曼のこととなると途端に敵意をむき出しにした。 一方、季曼は仕事に復帰、早速、新商品の開発に意欲を見せた。 すると水娘子(スイニャンズー)こと水亦清(スイイーチン)がついに水宴居(スイエンキョ)を離れることになったと報告する。 そこで季曼も親友の水亦清と千怜雪(センレイセツ)には記憶が戻ったと知らせ、3人は抱き合って喜んだ。 皇帝に寧鈺軒から奏状が届いた。 寧鈺軒は海坊に船舶司を置いて海上貿易の拠点市場にしたいという。 喜んだ皇帝は寧鈺軒を元の爵位と官位に戻し、海坊船舶司設立の職務の兼任を命じた。 当然、資金源を奪われた檀(タン)王は激怒、その怒りの矛先は寧鈺軒を始末できなかった凌剣星(リョウケンセイ)に向けられる。 檀王の逆鱗に触れた凌剣星は都にいては海坊の者の手を借りるしかなかったと釈明し、自ら海坊へ出向くと決めた。 寧鈺軒は季曼のため魚の汁物を作って届けた。 「魚は目や頭をよくするし、病後の回復にいいそうだ これを作るため私は大きな恐怖と戦ったが、そなたのためなら平気だ!」 季曼は寧鈺軒の優しさに感激したが、実は寧鈺軒は魚が大の苦手だという。 かつて寧府に差出人不明で毎月のように魚が届いたことがあった。 時にはおかしな詩まで添えてあることもあったという。 季曼は寧鈺軒が自分の贈った魚に気づいていたと内心、喜んだが、思わぬ結末が待っていた。 「だが怪しい物は口にできない、だから夏には門を開けるたび腐った魚の臭いがした 怪しい送り主は私に恨みを持つ者で、嫌がらせだったのかもしれぬ」 季曼は自分の愛を込めた魚を嫌がらせと勘違いされ激怒、寧鈺軒に汁物を突き返した。 「魚は嫌いよ!持って帰って!」 水亦清は鬼白の護衛で新しい居所を探していた。 ようやく気に入った物件が見つかったが価が折り合わず、交渉中に別の買い手が現れてしまう。 水亦清はあきらめるしかなかったが、思いがけず鬼白が破格の価で買い取ると申し出た。 「水姑娘が気に入ったなら渡せない…すぐに払う」 皓雪堂(コウセツドウ)では季曼と聶桑楡(ニェサンユー)の妹・青雲(セイウン)が互いに恋の悩みで悶々としていた。 想い人が寧鈺軒だと打ち明けるきっかけがつかめない季曼、しかし青雲の問題なら手を貸せると気づく。 「そうだ、私が陶(トウ)将軍を呼び出して2人きりになれる機会を作ってあげる でもその後は…自分で何とかしてね?」 聶桑楡に誘われた陶思維(トウシイ)は喜んで駆けつけた。 そこで季曼は青雲と3人で街を散策しながら、妹の世話を頼みたいという。 陶思維はもちろんだと承諾したが、聶桑楡は青雲を残してさっさと店に戻ってしまう。 季曼は帰海号の修繕がそろそろ終了すると聞いた。 しかし最後に船室の点検があると分かり、あのお宝の箱を開けられたら一大事だと慌てる。 そこでその夜、桑葚と2人で船に戻り、寝台の下に隠しておいた箱を取り出した。 「小姐、私が海に捨てます!」 「待って!想いがつまっているのに捨てられないわ」 季曼はひとまず箱を持って県衙に戻ったが、その様子を運悪く第二夫人・温婉(オンエン)に見られていた。 季曼は母屋で箱の中身を見ていたが、突然、寧鈺軒が現れた。 「皆は下がれ」 驚いた季曼は咄嗟に箱を椅子においてその上に座り、衣で何とか覆い隠す。 しかし温婉から報告を聞いた寧鈺軒はすでに季曼が箱を持っていると知っていた。 「その箱の中身は何だ?…力になる、中身を私の物に替えれば大丈夫だ」 「アイヤー!絶対に見せない!」 一方、都では聶桑楡の父・聶向遠(ニェコウエン)がついに季銘(キメイ)の居場所を突き止めていた。 季銘は再会を喜んだが、聶向遠の表情は険しい。 「どういう経緯で帰海一刀(キカイイットウ)になった?なぜ18年も娘に会いに来なかったのだ?」 「過去の私の人生を消すためだった、私と向遠大哥の身を守るためだった」 「保身のために双子の娘の片方を見捨て、自由に暮らしていたのか?!」 すると聶向遠は季曼の姉が亡くなったと明かした。 季曼は意地でも箱を渡さなかった。 さすがに腰が痛くなってきたが、寧鈺軒は中身を見るまで帰らないという。 そこへ鬼白が入ってきた。 「屋敷で争い事が…夫人の侍女・桑葚と温姨娘の侍女・檀香(ダンコウ)です」 痺れを切らした温婉は侍女に騒ぎを起こさせ、母屋に乗り込むことに成功した。 「姐姐、私の目が行き届かずお許しを…私が厳しく戒めます」 すると寧鈺軒は皆に下がるよう命じた。 しかし隙をついて檀香が引き返し、季曼を突き飛ばして椅子の下にあった箱を奪ってしまう。 ( ゚Д゚)゚Д゚)<アアアアアアアアアアアアッ! 檀香は箱の中身を取り出して自慢げに掲げた。 そこで鬼白が何を隠していたのか確認したが、下手な侯爺の絵姿と紛失した侯爺の巾着だと分かる。 温婉の目論見は外れ、夫人を侮辱した檀香は寧鈺軒の逆鱗に触れた。 「次はないぞ?!…温婉、しっかり侍女を躾けるんだな」 思わぬ誤解で面目丸潰れの季曼。 しかし寧鈺軒は季曼の宝物が自分の絵姿だったと知って天にも昇る心地だった。 それにしても自分の巾着をなぜ季曼が持っていたのだろうか。 「どうしてこれを?」 「正直に言うわ…全部、思い出したの」 「記憶を取り戻したのか?」 「そうよ」 つづく ( ゚ェ゚)侯爺は何を持ってると思ったの?よく分からなかったわw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.05.04 22:28:21
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