|
カテゴリ:安楽伝 あらすじ
安乐传 The Legend Of Anle 第31話 姜瑜(キョウユ)の謀反が公となり、北秦(ホクシン)の公主・莫霜(モーシュァン)は自分たち兄妹も巻き込まれるのではと不安になった。 その夜、妹を呼び出した冷北(ランベイ)は自分が必ず守ると安心させたが、やむを得ず協力を頼む。 「できるならお前を巻き込みたくはなかったが…」 「哥哥のためなら何でもするわ」 翌日、帝梓元(ディヅユアン)は沅水閣(ゲンスイカク)を訪ね、皇太子の釈放に協力してくれた帝承恩(ディチォンエン)に感謝した。 帝承恩は洛銘西(ルォミンシー)のおかげで故郷が分かったおかげか自身を取り戻し、そろそろ目を覚ます時が来たという。 「都を離れることにしたわ、故郷へ帰るの」 すると帝承恩は拝礼して別れを告げ、翌朝、慕青(ムーチン)と一緒に旅立った。 安寧(アンネイ)は梓元を誘って翎湘(レイショウ)楼にやって来た。 久しぶりに韓燁(ハンイェ)を顔を合わせてばつが悪そうな梓元、しかし安寧は今夜だけは存分に飲もうという。 「私は西北に戻る、梓元は靖南に帰る、これが別れの杯になるわ」 すると梓元もこの時ばかりはわだかまりを捨て、楽しく飲むことにした。 その頃、冷北はすでに軍隊を結集させていた。 これで複数の地を征服し、最後に青南山を落とせば鉄騎兵で都まで一気に攻め込める。 冷北は安寧に帯同して西北に戻り、内部から北秦軍に協力する計画だった。 酔いが回った4人は思い出話に花を咲かせ、最後は笑い合って散会した。 梓元は独り夜風に当たっていたが、そこへ韓燁がやって来る。 「来年の君の誕辰は祝ってやれぬ」 「靖南に戻れば長思花(チョウシカ)が満開の季節… 春に咲き誇る長思花は殿下の兎の灯籠より贅沢だわ、クスッ」 「あれが気に入ったのなら毎年、届けよう、太子手作りの灯籠だぞ?ふっ」 2人は冗談めかして笑ったが、梓元はふと冷静になった。 「わざわざ靖南くんだりまで届ける必要はないわ いつかもっと美しい上元節を迎え、殿下の灯籠を宝物だと思う女子に出会える」 「…梓元、君も私と離れたくなかったはずだ」 「私たちの間には歳月と重荷がある、殿下も結果を分かっていたはずよ?」 「確かに…分かっているから止められぬ 谷の底だからこそ、あの時が永遠に続くことを願えた」 「約束した太平の世を見せてちょうだい」 「…もう二度と会えまい、ここで一生分の誕辰の祝福を贈っておくよ」 そんな2人の様子を遠目から洛銘西が見ていた。 前線からの戦報が届いた。 姜瑜の計略によって辺境の複数の城が北秦に寝返っているという。 何とかもちこたえているのは安寧が率いる青南城と唐石(トウセキ)将軍が指揮する軍献(グンケン)城だけだった。 皇帝は娘の身を案じて西北へ戻ることを反対したが、安寧は国と民を守るのが将軍の務めだという。 「はお、西北に戻るといい…安寧、そちは将軍であるが朕の娘でもあるのだぞ?」 「私がいなくてもどうかご自愛ください」 こうして安寧は急ぎ西北へ出立することになった。 韓燁と梓元は安寧の無事を祈りながら城門で一行を見送っていたが、その隙に温朔(ウェンショウ)は何とか都に残るよう苑琴を説得する。 「安楽(アンルー)姐は君が残ると言うなら許してくれる」 「小姐は帝家のために自分の思いを封印してきた、私にできるのは寄り添うことだけなの」 安寧を見送った梓元も靖南へ出発することになった。 「殿下、行くわ、もう会うこともない、私のことは忘れてね」 「…私は一国の太子だ、政務が忙しいから思い出す暇もないよ、ふっ」 「それなら私も安心だわ」 「梓元、長思花が咲いたら文で知らせてくれ」 「…いいえ、心をすり減らすのはお互いにやめましょう」 苑書(エンショ)は梓元と苑琴を乗せ、馬車を出した。 走り去る馬車を見つめる韓燁、すると梓元が窓の外を見たが、すぐ簾を下ろしてしまう。 …全て終った、認めたくはないけれど、今までの人生で一番、楽しかった日々は都でのこの1年だった… それぞれの道を歩き始めた梓元と韓燁。 一方、青南城に戻った安寧は陥落地の将軍たちが敵に寝返った者以外、殺され、すでに敵が軍の名簿や地図を持っていると知る。 「内部に間者がいて軍情を漏らしていたのでしょう」 驚いた安寧は白諍(ハクソウ)に全将兵の素性を調べるよう指示、万一に備えて都から戻った兵も対象に加えた。 焦った冷北は長旅の疲れを取るため休むよう勧めたが、安寧は休んでいる暇などないという。 韓燁は初めて翎湘楼の楼頂にある洛銘西の部屋に案内された。 「まさかこんな隠し部屋があったとはな~この部屋で梓元と相談を?」 「そうだ」 韓燁は梓元の行き先を聞いたが、洛銘西は都を離れたらどこでも同じだろうとつれない。 「梓元を支えてくれて感謝している」 「太子殿下、私など殿下に遠く及ばぬ」 洛銘西はすでに韓燁が帝家の遺児を救ったことを知っていた。 しかし梓元には温朔の素性を明かしていないという。 「殿下の功労だ、私が話すことではない、だが当人たちは知る権利がある」 「どう伝えたらいいものか…」 温朔の件は君主を欺く大罪であり、国は今、内憂外患の危機にあった。 その時、2人は露台から大街で火の気が上がるのを見る。 火事になったのは北秦公主が滞在している四方館だった。 四方館から火が出て莫霜公主が亡くなった。 皇帝は直ちに皇太子と洛銘西を呼んで協議したが、韓燁たちは事故ではなく放火だと疑う。 確かに警固の厳しい四方館での火災は不自然だった。 未だ公主の亡骸も見つかっていないことから、何者かが仕組んだ可能性がある。 「目的は戦でしょう、北秦が戦を仕掛ける気なら公主の死は開戦の絶好の口実になります」 安楽寨に戻った梓元は暇を持て余し、川沿いでのんびり昼寝していた。 夢に見るのは韓燁のことばかり、しかしいつかは目が覚める。 その時も苑琴と苑書が魚が釣れたと喜ぶ声で気がついた。 しかしそこへ思わぬ知らせが舞い込む。 …西北で変あり、おそらく開戦間近… その夜、軍営の安寧は都からの急報で四方館の火事を知った。 何としでも青南城を死守せねばならない安寧、その時、ちょうど白諍が北秦の間者から手に入れた密書を届けてくれる。 密書にはこれまでの任務も書かれていたが、その中に″除夜の宴での暗殺″があった。 すると安寧は当時を思い出し、ハッとする。 …冷北と莫霜は妙に親しい、あの刺客の体つきも傷の箇所も… そこで安寧は白諍だけでは心配なので冷北にも間者のあぶり出しを頼んだ。 「分かりました」 安寧は部屋を出ようとする冷北に背後から斬りかかった。 咄嗟に冷北は応戦、すると除夜の宴で兄と刺客の手合わせを見ていた安寧に正体を見破られてしまう。 「除夜の宴の刺客はお前ね?!」 「そうだ、さすがだな」 すると冷北はしびれ薬をふきつけ安寧の動きを封じ、手刀で打って眠らせてしまう。 その時、白諍の声がした。 「将軍!」 つづく ( ๑≧ꇴ≦)ランベイィィィィィィィィィ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[安楽伝 あらすじ] カテゴリの最新記事
|