カテゴリ:元気の出る言葉
日本人は昔から、木の内部には霊が宿っていると考えてきた。霊は神に通じ、仏に通じる。
木の内部の仏性に形を与えると仏像になる。江戸時代の初期に円空さんが、後期に木喰さんが、全国を回国しながら多くの仏像を彫り、今も多くの仏像が各地に残っている。 木喰さんは 1718年から1810年までの仏教行者で、木喰仏(もくじきぶつ)の作者である。木喰五行上人、木喰明満上人などとも称する。非常に厳しいといわれる木食戒(もくじきかい)を受けた。「木食」とは、五穀(米、麦、アワ、ヒエ、キビ)あるいは十穀(五穀+トウモロコシ、ソバ、大豆、小豆、黒豆))を絶ち、山菜や生の木の実しか口にしないという戒律である。訪れた先に一木造の仏像を刻んで奉納した。56歳から回国をし、亡くなる数年前の91歳まで行脚し彫り続けたというから、疲れの溜まった中高年には元気のでる話である。利他主義の鏡のような人物である。時間があれば少し掘り下げて心理を探ってみたい。 日本各地に仏像を残した遊行僧としては、木喰さんより1世紀ほど前の時代に活動した円空さん(1632年から1695年まで)がよく知られるが、同じ笑みを浮かべる仏像でも、円空さんの荒削りで野性的な作風に比べると、木喰さんの仏像は温和なものが多い。両者のものとも伝統的な仏像彫刻からは逸脱しているが、簡潔な造形の中に深い宗教感が表現されている。 当時の庶民にとって身近な二人の仏像は、平穏な生活への願いだったり、病気回復の祈りだったり、飢饉や災害へのお守りだったり、それらを叶える守り神だったことだろう。リスクメネジメントに携わる人間として、安心安全のよりどころのヒントにしたい。 まるまると まるめまるめよ わが心 まん丸丸く 丸くまん丸 わが心 濁せばにごる 澄めばすむ 澄むも濁るも 心なりけり お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.04.23 11:18:33
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