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「世紀末農民的中国紀行」はまだまだ続くのですが、
旅行全行程の紹介が終わったところでミカンでも食べながらちょっと小休止を。温州ミカンには風邪を予防する効果もあるんです。 まずは、お知らせから 明日11月26日(月)の正午から始まる、みのもんたの「おもいッきりテレビ」(日本テレビ系列)で、みかんの話題が放送されます。 これまでの常識をくつがえす研究結果が・・・「ミカンに生活習慣病予防効果!」 という風なタイトルにでもなるのでしょうか?ぜひご覧下さい!!! さて、柑橘類は東南アジアの熱帯から亜熱帯の地域に広がって原生しているのですが、そもそもの原産地はどこだかご存知でしょうか?これは、紅茶で有名なインドのアッサム地方だといわれています。 紀元前3~4世紀のころ、中国の揚子江流域(四川、湖北、湖南省)に伝わり、経済栽培が始まりました。日本へ伝わったのは「よもやま話(1)」で書いた「非時香菓・ときじくのかぐのこのみ」で、西暦1~2世紀のころです。 ヨーロッパへ最初に伝わったのは、柑橘類の中でも香りが強くて酸っぱい「シトロン(仏手柑・ブッシュカンの仲間)」でした。これは、インドからメジア(ペルシャ地方?)へと伝わり、そこで栽培されていましたので、「メジアン・アップル」と呼ばれ、薬として珍重されました。紀元前2世紀の古代ユダヤの硬貨にシトロンが刻まれたものが残っているのです。 次にヨーロッパに伝わったのが「サワーオレンジ(橙・ダイダイの仲間)」でした。これはアラビア、イラクを経由して(いわゆるシルクロードです)10世紀に地中海にまでは伝わっていたのです。そのあと十字軍の遠征によってヨーロッパへと伝えられていきました。 それでは、レモンはどうなのでしょう?これは、中国から伝わったのですが、シルクロード経由ではありませんでした。レモンは広東省から陶磁器などと共に、船でシンドバッドの都・バクダッドへと伝えられていたのです。これも十字軍の遠征によってヨーロッパへ広がっていきました。 ここまで読んできて、何だか変だ?と感じたアナタ、鋭いです。実は15世紀までヨーロッパには甘い柑橘類はなかったのです。スイート・オレンジがヨーロッパに伝わるのは、何と1492年、バスコ・ダ・ガマの喜望峰航路発見のあとになるのです。スイート・オレンジも原産地は中国なんです。その後スペインのバレンシア地方でたくさん栽培されたために、甘いオレンジのことをバレンシア・オレンジと呼ぶようになりました。ですからヘンリー5世やジャンヌダルクはスイート・オレンジの味を知らないでこの世を去ったわけです。 16世紀の大航海時代、スペイン人やポルトガル人によって、オレンジはブラジル、フロリダに伝えられます。マゼランやコロンブスも、航海中の壊血病の予防のために、船にオレンジを積み込んだのです。17世紀には南アフリカに、18世紀にはオーストラリアに伝わっていきます。 19世紀の始め、オレンジの突然変異として冬に収穫できるネーブルオレンジが発見されました。場所は南半球のブラジルです。その後アメリカの西部開拓時代に、ブラジルからカリフォルニアへネーブルの苗木が輸入されました。輸入を担当したのがワシントン政府だったので、カリフォルニアの栽培農家はこのネーブルの事をワシントンネーブルと呼ぶようになりました。ちなみにネーブルとは英語で「ヘソ(navel)」と言う意味です。 明治10年になってカリフォルニアから日本へネーブルの苗木が輸入され、ようやく我々はおいしいネーブルを食べる事が出来るようになった訳です。 隣の国中国でできたオレンジは700年以上かけて世界を一周し、日本へ伝えられたという歴史があったのです。この事実を知ってしまったアナタ、これから食べるオレンジの味はひと味違ったものになるのではないでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2001年11月25日 01時03分43秒
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