|
テーマ:中国旅行(113)
カテゴリ:カテゴリ未分類
「黒龍澤」を周って再び文明門に出てきたところで、whさんの同級生が息子と一緒に待っていた。これから「玉龍雪山」に案内してくれるのだ。
「しかしサンタナの定員は5人なのにどうするのだろう」 とtetywestが心配することは、まったくの「余計なお節介」だった。そこにはカーキ色の軍服を着た2人の若者も待っていた。彼らはサンタナの運転手の同級生で、我々を乗せてくれる車を準備してあったのだ。 その軍服の同級生のパジェロにwhさんの同級生親子とhxyさんが乗り込んですぐに出発する。 「あの人たちは軍隊なの?」 「いいえ、森林警備隊です」 そう言われてパジェロのナンバープレートを見ると、真ん中辺りに「林」の文字がある。 「そうすると、もう1人は運転手なの?」 「そうです」 「黒龍澤」の出口が近くなった頃、whさんとサンタナの運転手が盛んに携帯電話をかけていた理由がようやくわかった。 しかし中国の「同級生の絆」の強さは凄いものがある。休日でもないのに仕事を休んで、しかもわざわざ車まで準備してくれるのだ。いや、同級生だけではない。whさんはtetywest夫婦のために1週間以上仕事を休んで旅行の段取りをすべてやってくれているのだから、これはもっと凄いことなのだ。 パジェロに先導されて麗江の市街地を抜け、山裾の真っ直ぐな道をひたすら北へ向かって走っていく。道路の両側はなだらかな丘陵地が広がっているのだが、潅木が生えているだけの石ころだらけの土地だ。ほんの少しずつ標高が上がっているのだが、道路はどこまでも真っ直ぐだった。30分ほど走ると、突然有料道路の料金所が現れた。しかしさすが森林警備隊、パジェロはお金を払わないで通過し、サンタナもその後に続く。家内にとっては初めての出来事だったのでかなり驚いていた。 料金所を過ぎても真っ直ぐな道が続いている。周りには低い松や杉の林が現れる。よく見るとその木々は規則正しく並んでいる。何もない草原に植林をしてここまで育てたのだ。森林警備隊はそんな大切な森を護っていると言うわけだ。丘陵地の向こうに見える連山の頂上付近は雲に覆われている。 雲南省に来てからずっと、日本の風景と何かが違う気がしていたのだが、この時はたと思い当たった。雲南省の雲は空に近いところにあるのだ。いや、晴れている時でも太陽が日本よりずっと近くにあるように感じる。昔、森村桂の「天国に一番近い島」という本を読んだことがあるのだが、tetywestにとっての雲南省は「天空に一番近い国」という言葉がぴったりと当て嵌まってしまった。 森村桂となると、またまた話が脱線してしまう。 実はtetywestは、かつて彼女の大ファンだったのだ。「かつて」がどれくらい以前かというと、まだ家内と知り合う前だから相当古い。最初に読んだ彼女の作品は「森村桂 アメリカへ行く」で、それもtetywestがUSAで暮らしているときだったのだ。まだ多感な青春時代に異国の文化に触れ、 「いったい日本は、そして日本人とは何なのだろう」 とやたら哲学的な思索をめぐらせていたとき、彼女の考え方がぴたっとtetywestに嵌ったのだ。そのときから彼女はtetywestの理想の女性になってしまった。しかし、家内と結婚して暫くして彼女が離婚した時、ものすごく裏切られたようでかなりのショックを受けた。したがってそれ以後の彼女の作品は一切知らない。 しかし、ふと振り返ってみると、森村桂は(本人ではなく、あくまで本の中の彼女なのだが)家内と結婚した頃のtetywestの理想の女性だったのだ。結婚相手を探すときに無意識に彼女と似通ったタイプを選んだ可能性は大きい。彼女が離婚したとき受けたショックは、もしかしたらtetywestもそうなるのかもしれないという恐れだったことも否定できないだろう。・・・これは銀婚旅行を終えた今だからようやく告白できることなのだが・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2003年11月13日 13時10分57秒
コメント(0) | コメントを書く |
|