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テーマ:アメリカ旅行記/生活記(903)
カテゴリ:旅行
2月24日(火)1976年
さて、tetywestたちはなぜトロントに向かったのかというと、トロントから見るナイアガラがとても奇麗だと聞いていたからなのだ。しかし、トロントがカナダだということをはっきりわかっていたわけではなかった。 シカゴから5時間ほどでバスはデトロイトへ到着し、そのままエリー湖の海底トンネルを通ってトロントへと向かった。海底トンネルを出るとそこはカナダ国境で、イミグレーションがパスポートチェックにバスに乗り込んできた。tetywestたちは喫煙席なので最後尾あたりのシートに座っていたのだが、3人束になってバスから下ろされた。仕方がないのでY住君も一緒に降りる。 最初、一体何が起こったのか理解できなかった。そのままバスは行ってしまい、tetywestたちはイミグレーションの建物の中に連れて行かれた。係官の説明によると、 「君たちのパスポートはビザが切れている」 「このままカナダへ行けるが、アメリカへ再入国はできない」 との事だった。しかし、1ヶ月ほど前に農友会はパスポートを集めて、ビザの延長手続きをやってくれていたはずなのだ。パスポートにはそれらしき書類が余分にホッチキスで留められている。それを何度見せても、 「書類が不備だ」 の一点張りだった。 「じゃ、どうすればいいの?」 「タクシーに乗ってデトロイトへ帰りなさい」 やがてタクシーが来た。出発する間際に係官に訊いてみた。 「料金は誰が払うの?」 「政府」 ・・・・なるほどね。でも、アメリカ? カナダ? どっち? 海底トンネルを通って再びデトロイトへ戻り、バス・ステーションで下ろされた。ちょうど真夜中の12時だ。もうバスの便はない。 バス・ステーションから見るデトロイトの街は空が薄明るくて、ビルが黒く浮かび上がって見える。そのビルは巨大な無機質の集合体のようで、何となくキングコングが出てきそうな雰囲気だ。大きな赤いデジタルの看板があって、数秒ごとに数字が増えている。デトロイトで生産される自動車の数らしい。 ハンバーガー・ショップへ入ってこれからどうしようと相談する。トイレに行くと若い黒人が、 「これ買わないか」 と、プラスチックの筒に入った白い粉を売りに来た。 「何、それ?」 「クリスト」 「どうやるの?」 「こうやって、鼻から吸い込むんだ」 「いくら?」 「5$」 T君が、 「何事も、物は試しだ」 と言って買った。後でホテルで試してみたけど、ただの小麦粉だったようで何も起こらなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年02月22日 12時17分12秒
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