新世紀のヒロイン誕生=フェリックス、初の21秒台で圧勝-世界陸上・女子200
新世紀のヒロイン誕生=フェリックス、初の21秒台で圧勝-世界陸上・女子200 最初のスタートでフライングが出ても、動揺することはない。女子200メートルでフェリックスが格の違いを見せた。長らく記録が低迷していたこの種目で21秒81。22秒を切ったのは1999年以来、新世紀になってから初めての快挙だった。 スタートこそやや遅れたが、コーナーを出るころにはもうすぐ外側のキャンベルに並びかけて抜いた。あとは、もう独壇場。100メートル女王のキャンベルの走りがスローに見えるほど差をどんどん広げ、ゴールでは0秒53もの大差。「22秒を切るのを長く待っていた。簡単な道のりではなかったけど、やり遂げた。今夜は特別」と、クールに見える21歳もさすがに興奮していた。 世界の舞台に駆け上がるのも驚異的なスピード。18歳で出場したアテネ五輪で銀メダルを獲得し、翌年の世界選手権ではこの種目で10代の選手として初めて世界チャンピオンに輝いた。そして大会2連覇。この2年間は無敵に近い存在だ。 不滅とも言われる世界記録21秒34への挑戦にも、「いくつかのステップを踏まなければならない。北京(五輪)が終わってから考えたい」と意欲を見せた。今大会では出場しなかった100メートル、400メートルでも高い能力を持つ。新世紀のヒロイン、フェリックスには輝かしい未来が開けている。(了)[時事通信社]