アジア制覇も本田「レベルが低い」MVPに満足せず…アジア杯
アジア制覇も本田「レベルが低い」MVPに満足せず…アジア杯スポーツ報知1月31日(月)8時0分[.] ◆アジア杯 ▽決勝 日本1?0オーストラリア(29日、カタール・ドーハ・カリファ競技場) 日本代表MF本田圭佑(24)=CSKAモスクワ=がアジア杯優勝から一夜明けた30日、ドーハ市内で取材に応じ、自己批判を展開した。決勝のオーストラリア戦は延長戦の末、1?0で勝利し、優勝を飾ると同時にMVPの2冠を獲得。しかし、エゴを捨てて大会に臨んだ結果、チームの救世主になれなかったことを明言。チームの成長は認める一方で、個人の能力を伸ばすために、個人プレーにこだわっていく姿勢を打ち出した。 アジア杯優勝、MVPをもってしてでも、MF本田圭の心が満たされることはなかった。半そで短パンで取材に応じ、自己批判を展開。「日本代表、本田圭佑はレベルが低い。もっともっとうまくなりたいし、強いヤツに勝ちたい。世界中に認めさせたい」。チームとしても、個人としてもアジアNO1の座を手中にした選手とは思えない言葉を口にした。 決勝戦は、延長後半にFW李の決勝点で優勝を決めた。豪州の空中戦に苦戦を強いられたが、守備陣が奮闘。守って、一撃をものにした。本田圭も守備に走り、勝利に貢献したが、攻撃では球離れが遅く波に乗れない。狙った無回転FKも壁に当てた。今大会はPKによる1得点だけ。あれだけこだわってきた、ゴール前での個人能力を発揮できなかった。いや、しなかった。 「それは、自分の力のなさに尽きる。今のオレには、チームを救える力がない。優勝させる力がないから、自分のエゴを消した」。初めてのアジア杯。加えて、ザッケローニ監督は就任したばかりで、チームのベースを作る時期と重なった。強引な突破は控え、パスを探した。結果は「今やったら、チームにマイナスと感じている」と後悔する羽目になった。 「自分のプレーと、チームが優勝した満足感は完全セパレート(別物)。プレーは不本意。オレは器用やから、プレーを切り替えてしまう。そんな自分が嫌だ。今までは、目立つために、成り上がるために、守備やパス、あえていろいろなことをやってきた。それをやると成長スピードが速い。でも、しないと日本人のスピードになってしまう。それじゃダメだ」 今合宿、携帯ゲームを持ち込んだ。選手6~8人が集まって、協力して恐竜などを退治するゲーム。本田圭が加わるのは初めてのことだった。常に「オレが」と先頭を走ってきた姿勢を変え、宿舎内では仲間に歩み寄った。だが、プレーまで変える必要はなかった。 「MVPは個人的にヤットさん(遠藤)。替えの利かない選手だった。いなかったら優勝できなかったと思う。オレは、周りに助けられた感がある。この大会は優勝して良かった、の一言に尽きる。アジアと言っても、何も成し遂げたわけじゃない」。MVPにも、優勝にも満足せず、前を見る。本田圭が「オレ流」を復活させ、成長の階段を上る決意を固めた。[.]