テーマ:秋を探して・・(392)
カテゴリ:生きる
早や、10月・・ しばらくの間、ご無沙汰をしていました。 ここ何日かの空白は、大きな存在であった兄の死でさまざまな思いがよぎり 日記を書けずにいました。 みなさんから、心温まるコメントとメッセージをいただき、厚くお礼を申し上げます。 ありがとうございました 亡くなった兄の思い出は・・ 家族ひとりひとりが大きな大きな兄の懐に守られていた・・ どんなときも・・ その大きな存在の兄が亡くなったことは、無念の一語に尽きますが 兄は、素晴らしい人生を全うした・・と、日を追うごとにその思いがしています。 この悲しみの中で一冊の本を読み返しました。 遠藤周作著「深い河」 この本の中で祈りとは・・特定の宗教に限定するものではなく、 人間によって、解釈され宗教として確立される以前の、もっと原初的な 人間の根源から沸き起こる作用のようなもの。 敬虔なカトリック信者の著者遠藤周作が仏教の生誕地インドを舞台に ヒンズー教徒に、イスラム教徒に、また仏教徒にも目を向けている視点が興味深く、 この本の中の一節から・・ 「ガンジス河を見るたび、ぼくは<玉ねぎ>を考えます。 ガンジス河は指の腐った手を差し出す物乞いの女も 殺されたガンジー首相も同じように拒まず一人一人の灰を のみこんで流れていきます。」 <玉ねぎ>=キリスト教の神のこと ガンジス河には、火葬された死人の灰がまかれ、死体が流され、また輪廻転生の 解脱を願い沐浴する人たち・・その河の深さに、ひとりひとりの人間の背負ってきた 悲しみ、業の深さ、、祈りの深さをも受け入れる「河」の持つ意味。 人は死んでも、絶えることなく、流れ続けてきたガンジスの流れは、 いつの世も悠久の時を経ても変わらず静かに受け止めてくれている・・ 読み応えのある一冊でした。 人の悲しみ、苦しみを共感し共苦し 同感しながらまた同苦した兄の死への思いを一冊の本を読み終え、感じました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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