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西式健康法とヨガ

西式健康法とヨガ

私はかつて(昭和62~63年に掛けて数回)沖ヨガ本部道場で、
東洋の修業法・鍛錬法・健康法の集大成としての、
日本式ヨガ生活を体験をしました。それはインドの生活をベースにしたヨガ生活ではなく、
日本の文化風土を背景にした、日本人の生活法としての総合的ヨガ生活でした。
その体験から、沖ヨガのもとになったさまざまな東洋の修行法、
健康法に興味がでて勉強をしたものです。 食生活は桜沢如一の食養(マクロビオティック)、
生活スタイルとしては、西勝造の西式健康法の影響が見うけられました。
他に中国の気功導引術の操法、
野口整体や均整法などとヨガポーズを組み合わせたヨガ修正法。 橋本敬三の操体法。
精神的なヨガとして中村天風の影響もありました。
それらは沖ヨガの創始者、沖正弘が修養・修業の過程で得たものと、
その道の大家との交流からきたものです。
(敬称は略させて頂いています。)

西式健康法からの影響として、

・朝食抜き健康法。(沖ヨガ道場ではランニング後の”味噌汁一杯”の朝食)
・温冷交互浴。
・寒いときにも薄着、裸での鍛錬法。
・金魚運動や毛管運動などの実行。  等が沖ヨガ道場では、行なわれていました。

他に広池ヨーガ等でも、西式の金魚運動や毛管運動にヨガポーズ名をつけて行なっています。


西式健康法とは

西式健康法は”西勝造”氏(1884~1959)により作られた日本の民間健康法です。
病気の症状は、病気に対する自然の”良能作用”であり
その症状を利用することにより治療を助けるという原則に立っています。
「症状即療法」というものです。 風邪の発熱は風邪の菌をやっつけるために体が熱を持っているのであり、
下痢は体に悪いものを排出する作用であるから、その症状をそのまま治療に役立てる考えです。
薬で症状を抑え、悪いところを切り取る対症療法とは違う、ホリスティック医療に共通する考えで、
野口整体や沖ヨガにもみることが出来ます。

それでは、この生物が本来持っている自然良能作用(自然治癒力)の働きを弱めているものは
何かと西勝造氏は考えました。

それは、人間を他の生物と切り離す”人間生活の要素”だとしています。
直立歩行、衣服の着用、火を通したものを食べる文化生活などです。
これらのために心身の弱体化、良能作用が弱まっていると考えに成り立ち、
西式健康法はつくられています。
直立歩行からくる、足や脊椎の無理からくる病気、体の故障に対し
足の運動法(扇形運動や上下運動など)、
衣服の着用からくる皮膚の弱体化に、薄着、裸での皮膚鍛錬、温冷交互浴。
火食からくる弊害に、生のものを食べる健康法。
文化生活から来る弊害に、固い枕の利用や、平らで固い床の上に寝る睡眠を奨めています。

西式健康法を代表する健康体操もこの考えで作られました。
寝て腰を中心に体を揺する、金魚運動。
両手両足を上げゆする毛管運動などです。
ひと昔まえ、金魚運動を自動でしてくれる機械が
TV通販で売られていたりしていましたから、
”西式”は知らなくても、金魚運動の名はご存知の方がいらっしゃると思います。

金魚運動

金魚運動
金魚運動は魚が泳ぐように、体を細かく横揺らしする健康体操で、
正式名は”金魚式脊柱整正法”です。

効果は、
1・背骨の左右亜脱臼をなおし、神経の左右差を整える。
2・腸管に刺激を与え、腸の働きを正常化、促進する。


やり方:仰向けに体を真っ直ぐにして寝て、首の後ろに手を組み両肘は開きます。
アキレス腱は伸ばし足首を立てましょう。
腰を左右にゆすり、その振動を頭や足に伝えます。
時間は1~2分。



応用変化としては ・うつ伏せでやる伏臥金魚
・両膝を立て左右に交互に倒す、膝立金魚
があります。

金魚運動

人にやってあげる時は、足元に立ち、相手の足を持ち上げ左右に揺すります。
また幼児にするときは、足ではなく腰に手を添え行ないます。
人にやるときは相手の具合を聞きながら、様子を見ながら行ないましょう。
(左右の振動の伝わり方で、左右の体の硬さを見る。
または足を持ち上げる高さを変化させ どの角度が気持ち良いか聞くなど。)



毛管運動

毛管運動
毛管運動は仰向けになり、両手両足を垂直に上げ細かく振動する、
西式健康体操です。
(正式には首の後ろに、青竹踏みのような硬い枕を置きます。)
これも1~2分行ないます。

効果は、全身の毛細血管から心臓へと血液を循環させ、血行をよくし、
栄養と酸素を巡らせます。
内臓と循環器の病気によい運動です。
また手足の傷の治りを速くし、足の不調を治します。

応用として手先、足先で丸く円を書くように、手首足首を動かしたり、
股関節と肩を動かし、手足は真っ直ぐのまま”馬”の字を書く運動をします。



西式健康法の一部は現代では、武道の準備運動や、
日本ヨガのウォーミングアップやリラクゼーション法として活用されています。

資料:原本・西式健康読本 (農文協)
医薬にたよらない健康法 (農文協)


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