近未来サバイバル小説第2弾。
聖都市「No.6」のエリート候補生から一転犯罪者として逃亡中の紫苑。
ネズミの言った「すべてを知ってもなおNo.6に帰りたいならオマエは敵だ」の真意は?
深い・深すぎる。
物語は架空の世界だけど、将来の地球のような気がするし、している事は今の時代と変わらないような気がする。
何かを変えてみたい(平和とか)って思っている人が読むには、ちょっと辛いと思う。
何巻まで続くかわからないけれど、納得の行く・ただの作り話でしょ的ではない終わり方ができるのかな?
内容的には、色々ありました。
ただ1番心に残ったのは、あとがきなんです。
話を読み終わって、このあとがきを読んで、頭の中では911やテロ、飢餓の映像などがぐるぐる回って「ウウウウ…(。>0<。)」ときました。
長いけれど、一部引用させてもらいます。
(まずいかなー?まずかったら削除します)
この物語のこのページを読んでくださっている今、みなさんの周りにはどのような風景がひろがっているのでしょうか。
戦争は、飢餓は、世界は、どうなっていますか。殺戮は続いていますか。憎しみは溢れたままですか。嘆きは満ちたままですか。
みなさんは、希望という言葉を信じていますか。わたしは信じたいと思っていました。この世界はまだ修復できる。人は武器を捨てることができる。いつか…。
若い人たちに向かって物語を書くことは、希望を語ることに他ならない。絶望の中からは何も生まれてこないはずだ。
わたしは、ずっとそのように思い、その思いに従順に容易く希望を語ってきました。
略
ネズミが紫苑に投げつけた辛辣な言葉の数々は、そのまま私自身に突きつけられた刃であり、突き刺さってくる針でした。
そう、わたしは何も知らないまま、知ろうとしないまま、ここまで生きてきたように思います。身体に病はなく、明日の食べ物を憂うこともなく、ロケット弾や地雷に吹き飛ばされる危険など微塵も感じることなく生活しています。少し退屈だけれど平穏な生活を愛しんでいます。それはそれでいいのだろうけれど、その平穏な生活の表層をめくったとき、そこは遠い異国の地での戦争や飢餓にとても密に繋がっていることを見ないわけにはいかなかったのです。
個人は必ず国と繋がり、国は必ず世界と結びついています。切り離すことはできないのです。そのことにやっと、気がつきました。
略
それは、国家というものの醜悪さ、人間の脆さ、自分自身の狡さに焦点をしぼり、そこから視線をそらさないということでしょう。
そして、やはり最後に希望を語りたいのです。安易にへらへらと耳障りのいい萎えた言葉ではなく、自分を賭けた言葉でぼそぼそとでもいい、この手でつかんだ希望を語ってみたい。
今、24時間テレビを放送しています。この本もたくさんに人の目に触れて欲しいな!
(昨日のSmaSTATIONでのオードリー・ヘップバーンの特集。短くても凝縮されていて感動した)