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2004年01月23日
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カテゴリ:books, movies
本日は計画通りジョギング休み。うーん何でだか昨晩ふいに「今週は一日おきにしよう」と思ったもんで、ヘヘヘ。そうしたら今日はもっと寒かった様ですね。でも一番寒いのって6~7時の時間なんですよね。まあ、明日はきちんと走ろう。という訳で、昨日読了した本について!


『ロンメル将軍』デズモンド・ヤング著 ハヤカワ文庫

往年の(笑)ミリタリーファンとしては何で今さらとも思ったけれども、ちょっと最近砂漠の戦争なんかがニュースになっている影響からか、興味を持って読んでみました。でも今回の自衛隊派遣とは関係ないのであしからず。

ロンメル将軍というとあまり知らない人でも、第二次世界大戦の頃のドイツの将軍かあ?位にはご存知かと思います。エルウィン・ロンメルは多くの貴族出身の将軍とは異なり、校長先生の家に生まれた庶民出身の将軍でありました。

何でこの人に興味を持ったかと言えば、小学生の頃に読んだ子供向け世界大戦史みたいなの中に「ヒトラーに逆らった」という一説を読んだからであります。一体どんな風に?それにしても悪魔の様なヒトラーに逆らって殺されなかったのかねえ?以来ウン十年経ってしまった(恥)。しかし今回読んでみて認識を新たにしました。

そうしたらやっぱりこの人結構良い奴でありました。極悪非道に言われているドイツ軍ですが、ヒトラーの周辺を固める親衛隊と異なり、国防軍というのはプロイセン以来の伝統があって、古き良きヨーロッパの騎士道精神なんてのが残っていたそうです。その中でもアフリカ戦線で功を挙げて英雄視されていたのがロンメル将軍であります。

トラック数台に飛行機のプロペラエンジンを積み、敵の何キロか先で猛然と砂煙を巻き上げて戦車隊と間違わせたのは有名な作戦でした。天才的なひらめきもあって、北アフリカでは快進撃を続けました。

作戦の指揮のうまさの他にも、自分は兵隊と同じ食事をする。水が一日コップ一杯分しかない時にも捕虜の待遇は自軍同様にする。自分は痛んだパン3枚と水で同盟軍の将軍と食事を済ませる「それでも結構いけたよ」(笑)。ヒトラーの銃殺命令書や撤退禁止命令書は焼き捨てて、部下の命を大切にしました。

ヨーロッパの戦場とは違い、ドイツ軍アフリカ軍団は非常にクリーンな戦いをするということで、英米軍からも一目置かれていたそうです。ドイツの退役軍人はアフリカにいたというのを密かに誇りにしていたとか。

武器燃料の不足もあって北アフリカで敗れ去ったロンメルは、ヨーロッパに帰ってからはじめてナチの極悪非道を目にします。ゲシュタポ(秘密警察)や親衛隊による強制収容所、奴隷労働、ユダヤ人の大量虐殺、etc.etc. それを知ったロンメルはヒトラーに面と向かって懇請しに行ったそうであります。

「もしかかる仕業が今後も行なわれたら、戦争は敗北ですぞ!」ゲシュタポはただちに解散、親衛隊は分解して国防軍に組み入れる様に、そしてヒトラーユーゲント(青少年の軍隊)の廃止を要請。「我が国の少年達を殺すのは正気の沙汰ではありません!」さすがのヒトラーも面喰らったそうです。

ホントなら逆らっただけで銃殺されちゃうところですが、何しろ人気のある将軍なのでヒトラーも手が出せなかったのでありましょう。それにしても実直、頑固、勤勉、メカ好き、職人気質な将軍だった様であります。ただ根っからの軍人なんで、みんなにやっと連れられてローマの遺跡やら文化施設を見物しに行っても「良い陣地になりそうだな」位しか言わなかったとか(笑)。

晩年戦傷で入院生活をしていたロンメルは、最後にはヒトラー暗殺計画に関連していたということで自殺を強要されます。事実計画は知らなかったものの、『ヒトラーを何とかして引きずり落とす』ことには加担していたらしいです。ある日2人の将軍が療養中の家を訪問し、毒を煽るかベルリンに来て人民裁判に出るか?を迫ります。

しかしロンメルは人民裁判では勝てるどころか、恐らくベルリンに行く途中に事故に見せかけて…という事を予想していました。毒を取れば名誉と、何よりも息子と妻には手を出さないという保証を信じ、ロンメルは迎えの車に乗ります。

「‥残念だが事故があってね。将軍は急に車内で容態が急変して、喀血して亡くなられたよ」

ナチはロンメルの関与を隠し、ナチスの信奉者である英雄の戦死ということで盛大な国葬を行ないました。無念であります。余談では息子は戦後、シュツッツガルトの市長となったそうです。

本はちょっと後半美化されている面もありますが、戦争の善悪は別として、上司に煙たがられ、敵に一目置かれ、部下に敬愛される頑固な職人気質に悲劇的な最後。…う~ん、こいつぁちょっとやられましたぜ(笑)。





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最終更新日  2005年11月27日 07時30分34秒
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