カテゴリ:チビざる話
おいらは加減と言うものを知らない。常にフルパワーだ・・・。
チビざるが確か幼稚園の年長の時・・・だったと思う。 お風呂に入っていると、チビざるが急にシャックリをし始めた。 親としては、息子がシャックリで苦しんでいる姿を見ているのがつらい・・・。 ・・・というか、ヒックヒックうるさい・・・。 先日の日記に書いた『さるぐつわ=穴の開いたピンポン玉』という誤った思い込みと同様、シャックリについては『シャックリ=驚かせれば止まる』という不動の公式が、おいらの頭の中に刻印のようにインプットされていたわけである。 そこで、シャックリで苦しんでいるチビざるを楽にさせてやるために、おいらはある話をチビざるに聞かせた。 「ある公園のトイレで、一人の男がうんちをしていたんだ。そのトイレは『ぽっとん便所』でさ・・・」 「え?『ぽっとん便所』って何?」 「・・・あああ・・・いいから聞け!とにかく、うんちをしていたんだ。 そしたら、トイレから青白い手が出てきて『紙をくれぇ~~』って言うんだな。」 「・・・。」 「男はびっくりして、ちょうど3枚持ってたティッシュペーパーのうち1枚渡すとスゥ~~っと手が下に下がって行ったんだな。」 「うん・・・。」 「はぁ~よかった・・・って思ってたらまた手が出てきて『紙をくれぇぇ~~』って言うんだよ・・・。またびっくりして1枚渡すとスゥ~~ッと下がって行ったんだって。」 「・・・。」 「やばい・・・紙があと1枚しかない・・・って思ってたらまた『髪をくれぇ~~』って・・・。仕方なく『これで最後です』って言って最後の1枚を渡したら、また下がって行った。」 シ~ンとした風呂場に、おいらのひくぅ~~い声だけが静かに響いている中、チビざるはまんじりともせず、ただただおいらの話を身を乗り出して聞いている。 「(頼むからもう出てこないでくれぇ・・・)と思ってたらさぁ・・・また『紙をくれぇ~~』って手が出てきたんだよ・・・。」 おいらはクライマックスの効果を上げるために、さらに声のトーンを落とし、チビざるに顔を近づけてささやくように語り掛ける。 「男はさぁ・・・『もう・・・紙がありません・・・』って言ったんだけどさぁ・・・その手が『まだ残ってるよ・・・』って・・・言うんだよ・・・」 チビざるはお地蔵さんのように固まっている…。 「男が『え・・・どこにあるんですか?』って言ったらその手が・・・ おまえの髪だぁぁぁぁ~~!!」 と風呂場イッパイにこだまする大声を上げながら、チビざるの髪をムンズと掴んだ。 もっとも、この『驚き』がシャックリを止め、「シャックリ、止まったでしょ。よかった、よかった!』・・・となる予定だった。 しかしその瞬間、あまりの驚きにチビざるの瞳孔は完全に開き、 うわぁぁぁぁぁぁ~~~ん!! こぉ~はぁ~いぃぃぃぃ~! とおいらの声以上の大絶叫で大泣きし、収拾がつかない状態となってしまった。 マイハニーに言われた。 「・・・やりすぎ・・・。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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