カテゴリ:チビざる話
しつこい。
しつこいなぁ・・・うちのチビざるは・・・。 お正月に福岡に帰省した際、最初は孫の面倒を見ることができて嬉しそうだったじいちゃんも、チビざるからストーカーのようにつけ回され、最後の方は軽くノイローゼになっていた。 じいちゃんがうんちをしているトイレにまで入って行きそうなくらい、執拗につけ回すもんだから、いつじいちゃんが 「お巡りさん、助けてぇ!!この子、あたしを異常につけ回すんですっ!」 と交番へ飛び込んで行くか・・・とハラハラしていた次第だ。 そんなじいちゃんが、まだ元気だった初日。 チビざるに『五目並べ』を教えていた。 一手一手、チビざるが打つ碁石にアドバイスするじいちゃん。 最初は当然のことながら勝てるはずがないのだが、どうもチビざるはそのことが納得いかないらしい。 「おじいちゃん、もう一回」 「おじいちゃん、もう一回」 「おじいちゃん・・・もう一回やろ!」 おいらとマイハニーとばあちゃんの3人がお茶をすすりながら談笑しているリビングの隣の部屋で、じいちゃんは軟禁状態である。 おじいちゃんの 「も・・・もういい加減堪忍してくれぇ」 という力ない声が絶え絶えに聞こえてくるが、 「いいじゃん、おじいちゃん、もう一回!」 これはじいちゃんを救ってやらないと、じいちゃん・・・死んじゃうと思ったおいらは、チビざるの相手になってやった。 コテンパンにやっつけて、 「もう、五目並べはしない・・・」 と言わせてやろうと思ったのだが、まぁ~・・・あいつはしつこい・・・。 何回負けても大塚愛並みに「もう一回、もう一回」を繰り返すのである。 しかも、言うに事欠いて 「ボクが勝つまでやる」 などとホザきやがったので、またおいらは伝家の宝刀、『親の力と権力』を振りかざして一喝した。 「この勝負が終わったら、もう一回おじいちゃんと修行しなおせぇ・・・バカもんがぁぁ!」 ・・・おいらは、まんまとじいちゃんを売ってしまった。 あと一回だとおいらに恫喝されたチビざるは、負けたくないもんだから自分の攻撃そっちのけで、おいらの攻撃封じに徹している。 「ちょっと・・・お前さぁ・・・守ってばっかりじゃ勝負にならないでしょ。攻撃しろよ」 おいらもムキになって、攻撃に攻撃を重ねる。 ところが、攻撃ばかりに意識が行き過ぎたおいらはいつの間にかチビざるの碁石が4つ並んでいるのを見逃していたのである。 あああああっ!やばいぃ!! そんなおいらの戦慄を目ざとく嗅ぎ取ったチビざるは目を皿のようにして碁盤を見つめ、最後の一手を打ったのである。 お父さんに勝った・・・。 じゃ、次、おじいちゃんやろう! やつは本当にしつこい・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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