カテゴリ:勘違い・失敗談
床にうつ伏せになって寝っ転がり、本を読もうと両膝を着けたとたん、
「あイタぁぁぁ~~!」 ・・・となった。 そういえば、すっかり忘れていたが、今朝大変だったのだ。 昨夜は広島出張で、日帰りするつもりがついつい深酒になり、電車がなくなり・・・それで朝帰りである。 広島バスセンター発の高速バスで松江まで帰ろうとしたのであるが、当然座席の予約なんてしていない。 運転手のおっさんに、 「予約のお客さまが乗られてから、空いた席にお座り下さい。」 と言われ、予約した輩に続いておいらが最後に乗り込んだのであるが、思いの外混んでおり、一番前の通路側と、一番奥しか空いていない。 一番奥に座ろうと思い、一番前の席を2,3歩通り過ぎたが・・・やっぱり一番前に座ろう・・・と思い直して、そのまま後ろ向きに2,3歩後ずさったところ、あろう事か最後の一歩が段差に引っかかってしまったではないか・・・。 おいらは後ろ向きのままバランスを崩し・・・ (いかん!このままだと仰向けに倒れて、多分ただ事ではすまない事態になる・・・) とおいらの身体がとっさに判断し、体中の筋肉を全部おちんちんに・・・い、いやちがう!・・・身体を振り向かすために使用する部分に集中し、 「おぉおりゃぁぁぁ~~!!」 と振り向いた。 しかし、振り向いただけではまだ足りないのである。 振り向いても、倒れる方向が仰向けか、うつ伏せかだけの違いであって、依然として倒れ続けていることには変わりないのだ。 しかも、帯をシュルシュルとほどかれて、 「あぁ~~れぇ~~」 と、大広間で無駄に場所を使いながら、くるくる回っている芸者さんとは訳が違う。 バスの料金を支払う計器を目の前に、あの狭い通路でおいらの事件は起きているのである。 このままうつ伏せに倒れ込めば、少なくとも料金を払う計器を破壊し、それ以上に何とか態勢を立て直そうとあちらこちらに手をつこうと藻掻くことで、コックピットのいろいろな計器もおいらの手で破壊することになるという恐怖に戦慄。 「これは倒れたらあかん!!」 と、おいらは足を踏ん張り、料金を払う計器に両膝をガッツリ当てて、膝を支点にして天秤のようになりながら、それでも倒れそうになり、膝が計器にめり込むくらい力を込めてがんばった。 手はどこに着くこともなく、おいらは膝の力だけで態勢を取り戻し、何事も無かったかのように、一番前の通路側の席に着いたのである。 その一部始終を真横で見ていた運転手さんに 「・・・大丈夫ですか?」 と小声でささやかれ、おいらはあまりの両膝の痛みに、激しく両膝をさすりながら力無く微笑んだのであるが、それにも増して、予約を取って既に座り終えている他のお客さんに、倒れまいと膝を計器にゴンゴンぶつけながら必死で藻掻いているおいらの哀れな姿をズッと見られ続けていたと思うと、あまりの情けなさに止めどなく涙があふれて仕方がなかった次第である・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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