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カテゴリ:北朝鮮の話し
![]() 北朝鮮の体育は人民思想教養の一環として、または軍事力を強化する必要性に従って整備されている。即ち、北朝鮮は体育を「身体を多方面的に発展させて、集団主義精神と革命的同志愛、屈強な意志、規律遵守に対する自覚性と責任性などの高尚な思想と道徳品性を培養することで、国防力を強化して社会主義、共産主義建設を成果的に遂行するのに貢献するためもの」と定義して、手段的な価値の側面から体育を認めているだけである。このような基本的な視覚に従って、北朝鮮の体育政策は体育の大衆化・生活化を通じた労働と国防に対する寄与、学校教育の専門化及び1人1技の所有、体育での「思想、闘志、速度、技術戦」方針の貫徹などに基礎を置いている。 従って北朝鮮体育の基本政策は、体育を通じて人民大衆を「革命と建設、そして国防に貢献する共産主義的人間」に育成するのにあると言える。最近、北朝鮮は金正日の指示に基づいて、毎月第2日曜日を「体育の日」と指定して、各地域及び各団体別に各種体育競技を行うと決めることで、住民たちの組職性と規律性を高めて、集団主義精神を培養させることを督励している。 北朝鮮の体育政策は「体育指導委員会」で全般的に指導、統制管掌している。体育指導委員会は党の指導下に国内外の体育競技組職及び各種スポーツ行事の調整と統制、人民体力検定の実施、優秀な選手の発掘及び養成などを、その主要業務にしている。 -青少年体育 北朝鮮で体育選手になるためには、各学校の学生たちを対象に実施される定期的なテストや、父兄の申請によって種目別に実施される基礎体力テストを通過しなければならない。このようなテストを通じて選抜された学生は、各道、市、軍(区域)などに設置されている体育学校、体育学院、学生少年宮殿・会館体育クラブなどで訓練を受ける。 また北朝鮮では、青少年たちの体力を鍛錬させて、優秀な選手を体系的に養成するために、学校体育事業を強化して来たし、学校体育の方向を種目別専門化に切り替えて、学校内に「専門化体育小組」を運営して来た。「専門化体育小組」はサークル活動と似ていて、高等中・人民学校に約1万個が組職されていて、約40万人以上の学生たちが登録して活動している。 -正規教育機関 専門的な教育機関としては、「中央体育学校」と「平壌体育大学」、各道に設置された体育専門学校である「高等体育専門学校」、そして師範大学及び教育大学の体育学部などがある。 一方、北朝鮮の各道、市、軍、区域には体育クラブが組職されており、基本的な体育種目別に選手たちを養成したり、人民学校及び高等中学校の選手たちを管理している。 -体育団(体育選手団) 体育選手団は完全に体育活動だけに従事し、事実上の職業人としてプロに近い性格を帯びているアマチュアである。すなわち、専門体育人になるためには「体育団」に所属して、集中的・体系的な訓練を受けなければならない。 北朝鮮の体育団は、実力によって1級、2級、3級体育団に分類されている。選手たちは共和国選授権大会(毎年9~10月中に開催)の評価を通じて、次上級の体育団に抜擢される。 「1級体育団」は「4.25体育団(人民武力部管轄)」、「鴨緑江体育団(人民保安省管轄)」など、社会の各部門を代表する体育団であり、約20個がある。「2級体育団」は各道を代表する道体育団で、都内の各企業所・学校などから種目別に優秀選手を選抜している。「3級体育団」は各工場・企業所の体育団で、運動と労働を兼ねている兼職体育団であり、約40~50個があり、随時、解散、組職される。 -国家代表 国家代表の場合、国際競技に備えて種目によって競技開催の6カ月から2年前に、専門家たちが種目別に最近の大会の成績を元に選抜して、代表チームを構成する。彼らは普段は所属体育団で活動しているが、国家代表選手として選抜されたら、内閣体育指導委員会傘下の「国家総合体育選手団」で体系的な訓練を受ける。 -優秀体育人褒賞制度 北朝鮮は優秀体育人に対する褒賞制度を通じて、体育人の士気の向上及び競技力の向上を図っている。他分野の従事者に比べて、月給・住宅普及、職場の斡旋などの待遇が良い。 オリンピックや世界選手権大会など権威ある国際大会でメダルを獲得した選手には、「人民体育人」、「功勲体育人」などの称号が与えられ、北朝鮮最高の栄誉である「共和国英雄」や「努力英雄」の称号も授与される。 1999年にスペインのセビアで開催された世界陸上選手権大会女子マラソンで優勝したチョン・ソンオクは、体育人としては唯一「共和国英雄」の称号を受けた。「努力英雄」の場合、「共和国英雄」には及ばないが、社会的に最上級の待遇を受ける。彼らの中には体操の「アンマ王」と呼ばれたペ・ギルス、レスリングの世界選手権者のキム・チョルファンなどがいる。 「人民体育人」の称号は、世界大会で3位圏に入った入賞者に与えられる。「人民体育人」としては、シドニー・オリンピック女子重量上げ銀メダリストのリ・ソンフィ、アトランタ・オリンピック女子柔道金メダリストのケ・スニ、バルセロナ・オリンピック優勝後プロに転向したボクシングのチェ・チョルスなどを挙げる事ができる。「人民体育人」に選定された体育人は、中央機関の局長級の待遇を受けるとされている。 人民体育人の次の級としては、世界大会ではない地域別大会や国内大会で優秀な成績を収めた選手に与えられる「功勲体育人」がある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年11月19日 09時37分48秒
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