カテゴリ:BPD&PDD&ASDについて
母親に劇物のタリウムを飲ませたとして殺人未遂の非行事実で送致されていた少女の第5回少年審判が5月1日午前、静岡家庭裁判所沼津支部で行われて、姉川博之裁判長は少女の非行事実を認定したうえで、医療少年院送致の保護処分とする決定をした。医療少年院は心身に障害のある14~26歳未満の少年が収容され、医師の指導で矯正教育する施設。
各紙の裁判長のコメントに若干の違いがあるもののかなり重要な内容だと思われる。 いずれも速報。 読売新聞: 「幼児期からの発達上の問題や後天的な人格のゆがみがあり、精神科医などの専門家による内面に深くかかわった働きかけが必要」 時事通信: 「刑罰でなく、矯正教育をもって臨むのが適切」矯正教育は「相当長期間」を求める処遇勧告を付した。 毎日新聞: 「責任能力の否定などには至らないが、是非弁別能力や行動制御能力がある程度阻害されていた」 共同通信: 「少女は幼児期から発達上の問題があり、人格のゆがみも認められる。是非を識別し、行動を制御する能力がある程度阻害されていた」「審判で否認から非行事実を認めるに至っており、非行の重さと向き合う出発点に立った」 産經新聞: 「幼児期からの発達上の問題が存在し、後天的に形成された人格のゆがみも認められる」とし、責任能力は認めたものの、善悪を判断する能力が阻害された。保護処分とした理由については「かたくなな否認の態度から、非行事実を認め、不十分ながら内省をし始め、矯正教育が功を奏することが期待される」と述べた。 つまり、 早期に脳の機能がうまく働かない状態に気付いており、 適切な対処や支援をすることで防ぐことが可能だったのでは という仮説が立てられる。 幼児期から発達上の躓きに気付かず、 適切な手立てを取ることができず、 それが結果として後天的に人格の歪みを生じさせた ということになるのではと思われる。 この少女が17歳ということで、 彼女が幼少期には小児精神医学は発展しておらず、 スペクトラムな位置にある子どもたちの多くは、 躓きや失敗等を努力不足と解釈され、 それが「生物学的な」必要性において引きおこされているということに 誰もが気付かないで大人になっていく。 この弊害は、小児精神医学が発展してきたことにより、顕在化してきて実数として増えているように「見える」が、少子化の中で、実はもっと小児精神医学草創期の昔にはスペクトラムな位置付けでの「躓き」は解らなかっただけで、かなりあったのではないだろうか。 こういった 後天的に形成されていく人格において、 その育ちの過程で躓かないように、 やはり間違った対処をする前に適切な診断を受けることが大事 だと感じられる。 「お互い」にツライですから…。 医療少年院ではゆっくりと彼女に対して今までの躓きの辛さを十分に理解して、 彼女には焦らず社会生活を営むために必要なことを身に付けていって欲しいと願う。 また、自分独りでできることが全てではないこともお互いに理解していって欲しいと願う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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