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アルゴリズムの時代(スポンタ通信 2.0)

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Headline News

2007年05月18日
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私は、ブログ普及後のインターネットは、オルタナティブメディア(相互補完的媒体)ではないと指摘している。

ならば、ネットvsリアルではない。

そして、新聞・既存マスコミ vs ネット言論ではない。





Paper_Crowd_01.gif

新聞社は新聞発行において、記事の内容の真正性に責任をとる。
私は、それをオーソライズという語を使って表現している。

とはいえ新聞社も神ではない。

ときとして、間違うこともあるから、訂正をしたり謝罪したり、無実を主張するために法務部を設けたりしている。

*

だが、インターネットの時代になると、情報は多様になり、新聞社がリリースした情報が真正かどうかが、極めて疑わしいことが露呈してきた。

新聞社は神ではないのだから、ことの真正性を突き止めることは不可能である。

また、真正であるかどうかと離れて、現状を批判するにしても、その批判の元になる思想が、民意を反映してのものかどうかも疑わしい。

そもそも、新聞社が「事実性を保証して新聞を発行する」などという行為が欺瞞に満ちていたのである。



インターネット時代の読者たちは、「新聞は、真実とあまり関係なく、固有集団が接した情報をリリースしているに過ぎない」と、看破している。

だから、読者たちは、新聞社が導き出す言論が極めて主観的であっても、それに踊らされるというよりも、それらが恣意的なものであることを楽しんでもいる。

*

たとえば、サヨク系な言論を提示する新聞社に憤懣やるかたない読者がいる。
そのように怒っている所作も、楽しんでいる風景のひとつといえないだろうか…。

私は成人するまで、我が家は、その新聞しか取っていなかった。両親は内灘闘争で知り合ったサヨクの残党だったので、幼い私は、その新聞の言説が左翼的な偏見に満ちたものであるとは予想だにしなかった。そのような時代こそ、まさに危うかった時代であり、幸いなことに、現在は、その危うさから逃れられている。

*

たとえば、新聞には、詐欺まがいのビジネスをしている広告が大きく掲載されている。
たとえば、自費出版系の出版社の悪性がネットでは話題になっているが、その出版社は新聞には大きな広告を載せ、悪行を続けている。出版社の名前をグーグルで検索すれば、当然のことながら、さまざまな事案を通じて、被害者の声に接することができる。

新作の映画だと思えば新新宗教の布教映画だったり、ヒット本だと思ったら教祖の説教本を信者が大量に購入しているに過ぎない。そんなことが紙上にまかり通っている。

記事で何かが批判されていると思ったら、新聞社・記者の私怨に基づく批判だったり…。

*

テレビも同様である。

かつて、芸能人を自殺させる原因にもなった中小企業向けの金融会社が報道番組にCMを出していて、問題になったことがある。
最近でも、解約に問題があることが司法で判断された英会話教室は、一切の弁明もなく、CMを連発している…。

*

読者たちは、そのようにあからさまな裏事情を知りつつも、新聞やメディアを楽しんでいる。

ウサギのCMを楽しみながらも、別の英会話学校に通うだけのこと。
私も、ペプシのコマーシャルで沢尻嬢を愛でながら、コカコーラを飲む…。

それが現実である。

メディアはメディアとして楽しまれている。不満を表明する鑑賞者たちも、イジって遊んでいるに過ぎず、それは必ずしも悪いことではない。

東京スポーツのように開き直る必要もない。とはいえ、真実を伝えるなどと言われては、世の中の空気を読んでいないなどと思ってしまう。

受け手たちが、裏事情を知りつつ、メディアを楽しんでいるということは、メディアが真実性を決定しているのではない。

つまり、新聞が発行されることは、とりあえず真実性が新聞社によって確認されることでしかなく、それが最終的な真実性を保証しない。

*

オーソライズするのは、新聞社ではなく、読者・情報の受け手なのだ。



Paper_Net_01.gif



さて、ガ島通信さんによると、神奈川新聞が、メディアジャムというのを始めたという。

「優良なサイトを自動巡回してニュースをタグで分類するサービス」で、ニュースには一言コメントを書き込むこともできます。新聞社系の会社が運営するものとしては、初のニュースアグリゲーターサービスかもしれません。(ガ島氏評)

ガ島さんの分析によると…。

気になるのは既存の新聞社サイトの記事をインデクシングすること。自動巡回と言う意味では、Googleニュースと同じですが、自社コンテンツのようにコメントが書き込めるようになっているところに、インデクシングされる側がどう反応するのか…


ガ島さん、情報ありがとうございます。

…そうなんです。

いままでは、読者が自分の中で、新聞記事の真偽を図っていたに過ぎない。だから、それが発信・流通するにしても、口コミに過ぎなかった。

いま、それがネット上で流通することになる。

そのメディアを、よりにもよって同業者・競業社が作成する。

これこそが画期的なことであり、業界再編を大きく進めることを予感させる。



私は、湯川さんがIT潮流でビデオ番組を始めることについて、その先見性を次のように指摘している。

早くも永遠のベータ版宣言。

そして、不特定多数に対する、プレリリース版の存在の告知。

これこそが、次世代のメディアの形だと思っています。

あとは、別場所による、重要度の勘案サイト(リモート・タグ)でしょうか…。

もちろん、重要度勘案には、「複数のアルゴリズムの並存」を期待しています。


今回の神奈川新聞のメディアジャムの凄いところは、競合他社の記事の重要度をランク付けすること。

つまり、同じ業界社が、リモートタグをつくったこと。

たとえ話をすれば、その画期的なことが分かる。

ナベプロが、ジャニーズ事務所のタレントの魅力ランキング表をつくること。

森永製菓が、グリコのお菓子の人気ランキング表をつくること。

それらは、神奈川新聞が、朝日新聞や読売新聞の記事の魅力・重要度のランキング表をつくることと等価である。


そして、記事にはコメントが書き込める。

コメントによっては、ナベプロがつくったサイトの上で、ジャニーズ事務所のタレントが批判されることは必至だし、森永製菓がつくった掲示板で、グリコのお菓子が批判される可能性もある。

ならば、神奈川新聞がつくったメディアで、朝日新聞批判や読売新聞批判が起きて当然である。




神奈川新聞は、「メディア・ジャムというソシアルブックマーク」をつくっているに過ぎぬと思っているのかもしれぬ。

だが、それは明らかにリモート・タグであり、ソースにも影響を与える。

リモートタグによって何が起きるかといえば、同業他社である通信社や新聞社がオーソライズした情報に対して、同業者が再度のオーソライズの機会を設けることになる。

それは、期せずして、新聞が発信する情報のベータ版化を意味する。


*

さすがにnewsingのように、ニュースに○×をつけるようなことはないが、神奈川新聞が、diggや、newsingを参考にしたことは、想像に難くない。

ネットが新聞に突きつけていることは、

1. 永遠のベータ版

2. 対話

3. ログを残すこと

であると、指摘してきた。


*

だが、ネットが新聞に突きつけるのではなく、新聞業界の中で、それが突きつけられている。

ガ島氏が懸念されているように、神奈川新聞の快挙に、他社が対応しないはずはない。

ならば、絶望とも思えてきた新聞が突きつけられている3点への対応も、予想外に早くなされるのではないかと考えている。

本来は新聞社が単独で有するべき「多様なアルゴリズムの並存」であるが、新聞業界全体で、「多様なアルゴリズムの並存」を確保することもできる。

ならば、「単一のアルゴリズムさえ持たぬ」ネット者たちに勝ち目はない。

否、新聞業界が多様なアルゴリズムをつくるならば、ネット者が自主運営でアルゴリズムをつくる必要はないし、それが自然な成り行きという気もする…。


07sponta





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Last updated  2007年05月18日 07時35分28秒
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