フィレンツェ名物、ランプレドット
こんにちは。UK色の濃いSTARsoccerにちょっとしたアクセントをつけるべく、イタリアからこのblog PLANETに参加することになった片野道郎です。いま発売中の創刊号に、ロベルト・バッジョのストーリー(P68-71)と、ナポリ特集のほとんど(P124-135)を書かせていただいたんですが、誌面だけでなくこっちでもお世話になります。どうぞよろしく。 このブログのタイトルの一部であるfuori casaというイタリア語は、直訳すると「家の外」、カルチョの世界では「アウェー」のことを指します。ホームはもちろんcasa、つまり家ですね。 今日はちょうどぼくもfuori casa、つまり遠征中です。3月1日は、6月のワールドカップを前にした最後の国際Aマッチデー。欧州クラブサッカーはこの5,6年、スケジュールの過密化が進む一方で、代表マッチのためのスペースはほとんどなくなってしまいました。昔は月いちくらいで取れたんですが、今や年に5,6回がいいところ。と言いつつ、今回はイタリア対ドイツという見逃せない試合が組まれていたので、フィレンツェまで取材にきたわけです。 イタリアでは、サッカーの試合がある日はスタジアム周辺に、普段街中を歩いていてもあんまり行き当たらないストリートフードの屋台が出てて、これが試合観戦の密かな楽しみのひとつだったりします。大体はサンドイッチなんですが、その具が地方によって違ってるのがいいんだな。 ここフィレンツェはといえばこれ、ランプレドット、つまり牛の第4胃の煮込みです。創刊準備号で鹿野編集長が鹿島スタジアムのもつ煮を食い荒らしていましたが、あれと煮たような、じゃねーや、似たようなもんですね。もちろんイタリアなので、味噌や醤油じゃなく、トマトと香味野菜で煮込んであるわけですが。これを写真のごとく鍋から引き上げ切り刻んでパンに乗せ、その上からパセリやニンニクやビネガーを使ったサルサ・ヴェルデ(グリーンソース)、そしてペペロンチーノ(唐辛子)が入った辛いオイルをかけて、残った方のパンをちょっぴり煮汁に浸してから上に乗せてできあがり。これが、腰のあるgommyな(?)歯応えと内臓ならではのじゅわっとした味わいがあって美味いんですよ。内臓好きなら一度は試してみる価値あり。 フィレンツェの場合、街中でもちょっと中心から外れた庶民的な地区に行くと、このランプレドットやトリッパ(こっちは牛の第2胃)のサンドイッチを食べさせる屋台があります。確か中央市場の中にもあったような。UKのフィッシュ&チップスとかドイツのヴルスト(ソーセージ)とかナポリのピッツァとか、そういうのと同じ類い。庶民のためのストリートフードですね。 というわけで、このブログは基本的にカルチョのブログにするつもりですが、そこを基準点にいろいろな方面にはみ出していきたいと思っています。どうか、今後ともよろしくご愛読のほどを。□