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イタリア・スタジアムB級グルメの第2弾はミラノ編です。
ミラン対バイエルン・ミュンヘンを取材に、サン・シーロに行ってきたのでした。先週の代表マッチに続き、クラブレベルでもイタリアがドイツを4-1で一蹴。ゲルマン魂はどこに行った。と言っても、ゲルマン魂っていう言葉は日本にしかないらしいですけど。 というわけで本題です(このブログではサッカーはあんまり本題じゃありません)。サン・シーロの回りにも、試合の日になるとたくさんのトレーラー式屋台が並んで、パニーノ(サンドイッチ)を売っています。どうでもいいんですが、日本ではどうしてイタリア風サンドイッチのことを1個でも2個でもパニーニ(パニーノの複数形)と呼ぶのでしょうか。いっぽんでもにんじん、みたいだ。 ミラノの場合、フィレンツェのランプレドットみたいに、特別なご当地ものというのはなくて、メインの「具」は、全国的にポピュラーなサルシッチャ(生ソーセージ)。豚の挽き肉の腸詰めですね。フランクフルトとかそういうドイツ風のソーセージとは違って、生の挽き肉に強めに塩をしたものを腸詰めにしただけなので、そのままでは食べられません。で、こうやってふたつに割って鉄板でじゅーっとグリルするわけです。かなり脂身の多い(つまり安い)部位を使っているので、決して上品な味じゃありませんが、その分ワイルドな味わい。歯応えもあります。ストリートフードは庶民の食い物ですからね。 このサルシッチャのパニーノには、いろんなトッピングを加えることができます。一般的なのは、写真の奥のパニーノにも入っているペペロナータ、すなわち赤黄ピーマンの炒め物、それかチポッラ(オニオン。これも炒めてある)でしょうか。この2つは両方頼む人もいます。ドイツ風が好きな人のために、ザウアークラウト(千切りキャベツの酢漬け)もあります。さらに、マヨネーズ、ケチャップ、マスタード、タバスコなどをかけることもできます。でもこういうソース類は、もともとのイタリアの食文化にあるものじゃなく、ホットドッグをはじめとするアメリカン・ジャンクフードの影響なので、まあ邪道といえば邪道。イタリア人の皆さんはそんな固いこといわずに好きなようにかけてもらってますけど。 ミラノに限らず、この手の屋台ではどこでも、ハムやチーズやチキンカツなんかを挟んだ、出来合いのパニーノも売っているのですが、そういうのは街中のバールとかでいつでも食べられるので、わざわざスタジアムで食べなくとも、と思うわけです。 鉄板で焼いてもらう「具」としては、このサルシッチャのほかにドイツ風のヴルステル(フランクフルトみたいなやつ)もあって、いわゆるホットドッグも作ってもらえるわけですが、はっきり言ってイタリアで売ってる既製品のヴルステルは全然美味くないです。混ぜ物が多いただの工業製品という感じ。こういう練り物系のソーセージは、元々イタリアにはなくてドイツ文化圏(オーストリアとかドイツ語圏スイスとかも含む)のものなので、イタリアで作られたものが不味いのは仕方ないかと。 ちなみに、イタリアで唯一この手のソーセージが美味いのは、一番北部にあってドイツ文化圏に入っているアルト・アディジェ地方くらいでしょう。アルプスの南斜面にあって、南チロル地方とも呼ばれるこの辺りは、言葉もイタリア語よりドイツ語が主流で、公用語も二カ国語がドイツ語、イタリア語の順に使われています。サッカーは全然盛んじゃなくて、州都のボルツァーノにあるスッドチロルというクラブがセリエC2(4部リーグ)で戦っているくらい。そのかわりウィンタースポーツはすごく盛んで、こないだのトリノ・オリンピックに出場したイタリアの選手は、大半がこの地方の出身です。みんなイタリア語じゃなくドイツ語しゃべりながら暮らしてるという不思議。□ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.03.09 21:44:21
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