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薬剤師Stephenのよろずブログ

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Stephen1969

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2016.08.28
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カテゴリ:生薬・漢方
今回は疲労に用いられる漢方をご紹介します。

疲労.jpg

補中益気湯 ほちゅうえっきとう

配合生薬と薬性
黄 耆:温・補・中・升・中
蒼 朮:温・瀉・燥・升・散
人 参:温・補・潤・升・収
当 帰:温・補・潤・升・散
柴 胡:寒・瀉・燥・升・散
大 棗:温・補・潤・降・収
陳 皮:温・中・燥・中・収
甘 草:平・平・潤・平・散
升 麻:寒・瀉・燥・升・散
生 姜:温・補・燥・升・散

適応
消化機能が衰え、四肢倦怠感著しい虚弱体質者の次の諸症:
夏やせ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随、多汗症

補中益気湯の処方は四君子湯から茯苓を除いた処方が基本となり、黄耆、当帰、柴胡、升麻、陳皮を加えた内容です。
脾で作られた気は肺に送られ全身に送られますので、脾が虚せば肺も虚してきます。そこで脾と肺の両方を補うために人参と黄耆が配合されています。脾から肺に気を升提させる役割として柴胡と升麻が配合されています。柴胡は少陽の気、升麻は陽明の気を升提させます。また、柴胡と升麻には解熱作用があります。
発熱というと実証と思いますが気虚でも病邪に対応しようと一時的に発熱することがあり、ますます体力を消耗してしまうのでその時は瀉するのではなく、補う必要があります。つまり補中益気湯は、中を補い熱にも対応する処方内容になっています。
気が虚してくると血も虚してくるので補血を目的に当帰が加えられ、黄耆は当帰の補血作用を増し、皮膚に栄養を与えます。補気すると気が滞ることがあるので、気をめぐらせるために理気作用の陳皮が加えられています。
脾気虚が進行したことで脾の升提作用が弱まり、内臓下垂が起こった状態を中気(脾気)が下降(下陥)したので中気下陥といい補中益気湯の適応となります。
補中益気湯の使用目標として「手足の倦怠」、「言語が軽微」、「眼に力が無い」、「口中に白い唾」、「食物の味がしない」、「温かい食べ物を好む」、「臍に動悸を触れる」、「脈は散大で無力」これらのなかから1~2つの症状があれば補中益気湯の適応といわれます。


【第2類医薬品】ツムラ 補中益気湯1041 24h【第2類医薬品】ツムラ 補中益気湯1041 24包(漢方薬)

清暑益気湯 せいしょうえっきとう

配合生薬と薬性
蒼 朮:温・瀉・燥・升・散
人 参:温・補・潤・升・収
麦門冬:寒・補・潤・降・散
黄 耆:温・補・中・升・中
陳 皮:温・中・燥・中・収
当 帰:温・補・潤・升・散
黄 柏:寒・瀉・燥・降・収
甘 草:平・平・潤・平・収
五味子:温・補・潤・降・収
適応
暑気あたり、暑さによる食欲不振・下痢・全身倦怠感、夏やせ

清暑益気湯は気虚と津液不足の両方、気津両傷が適応ですが補中益気湯に配合されていない生薬に特徴があります。
麦門冬は生津作用(津液を生む)作用があり、肺経、胃経、心経に作用します。五味子はその酸味で収渋作用があり、肺経、腎経に作用します。つまり、肺を斂め、腎を潤し、津を生じ、咳を安んじます。黄柏は清熱化湿作用があり、腎経、膀胱経に作用します。黄柏は火を降ろし、熱を清め、腎燥を潤します。つまり清暑益気湯は夏風邪に用いられる要素を持っているということです。


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十全大補湯 じゅうぜんだいほとう

配合生薬と薬性
黄 耆:温・補・中・升・中
桂 皮:温・補・燥・中・散
地 黄:温・補・潤・升・収
芍 薬:涼・補・潤・中・収
川 芎:温・補・潤・升・散
蒼 朮:温・瀉・燥・升・散
当 帰:温・補・潤・升・散
人 参:温・補・潤・升・収
茯 苓:平・補・燥・降・収
甘 草:平・平・潤・平・収

適応
病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血

十全大補湯は補中益気湯や清暑益気湯と異なり補血作用があり、気血双補の効果が期待できます。
十全大補湯は、補血作用の四物湯、補気作用の四君子湯、人参と協力する黄耆は表を固め、自汗盗汗を治し、桂皮は表に陽をめぐらし、他の9種類の生薬の作用を引き立てる意味合いがあります。気血、陰陽、表裏、内外全て虚したものを大いに補う、その意味が十全大補湯という名前に込められています。
大腸がんや胃がんなどの手術をした後で、気血両方が虚して温補が必要な時や、気血両虚で、寝汗があったり、寒気があったりする場合なども十全大補湯の適応になります。


【第二類医薬品】 クラシエ薬品 セラピー十全大補湯48T

人参養栄湯

配合生薬と薬性
地 黄:温・補・潤・升・収
当 帰:温・補・潤・升・散
白 朮:温・補・燥・平・収
茯 苓:平・補・燥・降・収
人 参:温・補・潤・升・収
桂 皮:温・補・燥・中・散
遠 志:温・補・燥・降・散
芍 薬:涼・補・潤・中・収
陳 皮:温・中・燥・中・収
黄 耆:温・補・中・升・中
甘 草:平・平・潤・平・収
五味子:温・補・潤・降・収

適応
病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血

人参養栄湯は十全大補湯から川芎を除いて、遠志・陳皮・五味子を加え、蒼朮を白朮に変えた内容になっています。
脾は飲食から水や気を取り込みます。脾の機能が低下すると上手に水や気を取り組むことができません。そこで水の脾への取り込みを促す働きをするのが朮です。蒼朮も白朮も水を取り込み、動かすのは同じですが、気への働き方が蒼朮と白朮では異なります。蒼朮は水も気も動かす作用があるのに対して、白朮は気を補って水を動かすという違いがあります。つまり蒼朮は理気作用、白朮は補気作用があります。人参は穀から気を取り込み、茯苓は脾に取り込んだ飲食、水穀の気を肺に送る役目があります。茯苓の帰経は心経、脾経、肺経ですので、脾、肺もちろん心にも働きます。
人参養栄湯は「和剤局方」に「脾肺倶ニ虚シ、発熱、悪寒、四肢倦怠、肌肉消痩」となっています。つまり肺を意識した処方内容になっています。五味子の帰経は肺経と腎経で鎮咳、強壮、鎮静作用が、遠志は心経と腎経で強壮、鎮静、去痰作用が、陳皮は脾経、肺経で、理気、健胃、去痰作用があります。十全大補湯との使い分けは配合生薬から考えると慢性の肺疾患を伴う場合は人参養栄湯の方が良いと思われます。


【第2類医薬品】クラシエ 人参養栄湯  45包 にんじんようえいとう 【第2類医薬品】

今回の4処方に配合されている代表的な生薬

人参
ウコギ科、オタネニンジンの細根を除いた根、性味:甘微苦、微温
オタネニンジン.jpg

黄耆
マメ科、キバナオウギの根、性味:甘、微温
キバナオウギ.jpg

蒼朮
キク科、ホソバオケラの根茎、性味:苦辛、温
ホソバオケラ01.jpg

茯苓
サルノコシカケ科、マツホドの菌核、性味:甘、平
マツホド.jpg

地黄
ゴマノハグサ科、アカヤジオウの根、性味:甘苦、温
アカヤジオウ01.jpg

升麻
キンポウゲ科
サラシナショウマの根茎、性味:甘辛、微寒
サラシナショウマ.jpg

五味子
マツブサ科、チョウセンゴミシの果実、性味:酸、温
チョウセンゴミシ.jpg

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Last updated  2016.08.28 17:25:29
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