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薬剤師Stephenのよろずブログ

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Stephen1969

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2021.09.07
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カテゴリ:薬の話
承認年
2012年

開発の経緯
カンサイダス®点滴静注用50mg/同70mg(以下、本剤)は、有効成分としてカスポファンギン酢酸塩(以下、カスポファンギン)を含有する点滴静脈内注射用抗真菌薬である。カスポファンギンは、Merck Sharp & Dohme Corp., a subsidiary of Merck & Co., Inc., N.J., U.S.A. (MSD)により開発された、世
界で初めて承認されたキャンディン系抗真菌薬で、真菌グラレア・ロゾエンシス(Glarea lozoyensis)
由来のリポペプチド発酵産物ニューモカンジンB0(pneumocandin B0)の半合成誘導体である。
本剤は、ヒトの細胞では産生されない真菌細胞壁の構成成分である1,3-β-D-グルカンの合成を阻害する作用機序により、深在性真菌症の主要起炎菌であるカンジダ属又はアスペルギルス属に対して抗真菌活性を示す。また、その特有の作用機序からアムホテリシンB、フルコナゾール、フルシトシン等に対して耐性を示すカンジダ属の臨床分離株、播種性カンジダ症及び播種性アスペルギルス症並びに口腔咽頭及び消化器カンジダ症の動物モデルにおいても抗真菌作用が示された。
海外では非臨床試験から得られたデータを基に各種真菌症に対する臨床試験を実施し、他の治療法(アムホテリシンB、アムホテリシンB リポソーム製剤又はイトラコナゾール)が無効又は不耐の患者における侵襲性アスペルギルス症に対する適応症が2000 年にメキシコで、2001 年に米国及びEU で承認された。その後、食道又は口腔咽頭カンジダ症、侵襲性カンジダ症(カンジダ血症及び腹腔内膿瘍、腹膜炎、胸腔内感染)、真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症に対する適応症が順次承認され、本剤は世界93 ヵ国(2014 年8 月現在)で使用されている。
国内では、カンジダ属又はアスペルギルス属による深在性真菌症患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験を実施し、カンジダ症又はアスペルギルス症に対する有効例がみられ、また良好な安全性が示された。この国内第Ⅲ相臨床試験を含む国内臨床試験成績及び海外臨床試験成績に基づいて本剤の製造販売承認申請を行い、真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症及びカンジダ属又はアスペルギルス属による真菌感染症[食道カンジダ症、侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性壊死性肺アスペルギルス症、肺アスペルギローマ)]を適応症とする承認を2012年1 月に取得した。
なお、本剤の小児に対する適応は、2014 年8 月現在、76 ヵ国で承認されている。そこで、カンジダ症又はアスペルギルス症の日本人小児患者を対象に第Ⅱ相試験(074 試験)を実施し、日本人小児患者における、安全性、有効性、薬物動態のデータが得られた。この国内第II 相試験および海外試験成績に基づいて追加申請を行い、小児患者への適応の承認を2014 年12 月に取得した。

製品の治療学的特性
・成人および小児の「真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症」の適応を有する唯一のキャンディン系抗真菌剤
・アスペルギルス属及びカンジダ属による真菌感染症*に対する優れた臨床効果
他の治療が無効又は不耐の侵襲性アスペルギルス症に対する有効率は44.6%であった。
食道カンジダ症に対する有効率は81.5%、侵襲性カンジダ症に対する有効率は73.4%であった。
*食道カンジダ症、侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性壊死性肺アス
ペルギルス症、肺アスペルギローマ)
・ローディングドーズにより、初日から目標トラフ値を達成(健康成人、日本人データ)
・国内の深在性真菌症の診断・治療ガイドラインにおける、血液疾患領域の経験的治療/早期治療でAⅠ推奨。外科系・救急・集中治療領域の侵襲性カンジダ症の標的治療においてAⅠ推奨
・安全性
(成人)
国内第Ⅲ相臨床試験において、本剤を投与された60 例 中23 例(38.3%)に副作用が認められた。主なものはAST 増加6 例(10.0%)、ALT 増加5 例(8.3%)、高血圧3 例(5.0%)、好酸球数増加3 例(5.0%)、悪心2 例(3.3%)、静脈炎2 例(3.3%)、血中Al-P 増加2 例(3.3%)、血中カリウム減少2 例(3.3%)、γ-GTP 増加2 例(3.3%)、プロトロンビン時間延長2 例(3.3%)であった。(承認時)
(小児)
国内第Ⅱ相非盲検試験では、本剤を投与された20 例中10 例(50.0%)に副作用が認められた。その主なものはALT 増加5 例(25.0%)、AST 増加4 例(20.0%)、肝機能異常3 例(15.0%)、LDH 増加2 例(10.0%)、γ-GTP 増加2 例(10. 0%)であった。
なお、重大な副作用としてアナフィラキシー(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、中毒性表皮壊死融
解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)(頻度不明)が認められている。

販売名
和 名
カンサイダス®点滴静注用50mg
カンサイダス®点滴静注用70mg
洋 名
CANCIDAS® for Intravenous Drip Infusion 50mg,70mg

名称の由来
Candida(カンジダ)、cidal(殺菌的)、Aspergillus(アスペルギルス)の下線部からCANCIDAS®と命名した。

一般名
和名(命名法)
カスポファンギン酢酸塩(JAN)
洋名(命名法)
Caspofungin Acetate(JAN)
caspofungin(INN)

ステム(stem)
抗真菌性抗生物質:- fungin

引用:カンサイダス・インタビューフォーム



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Last updated  2021.09.07 06:45:14
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