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テーマ:暮らしを楽しむ(388350)
カテゴリ:薬の話
承認年
2018年 開発の経緯 トリアゾール系抗真菌薬であるラブコナゾールはエーザイ株式会社で創製され、強い抗真菌活性と広い抗真菌スペクトルを有することが確認されている。ラブコナゾール創製後もさらに開発が進められ、ラブコナゾールの水溶性及び生物学的利用率を高めたプロドラッグであるホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物注)が創製された。 ネイリンⓇカプセル100mg(以下、本剤)はホスラブコナゾールを有効成分とする経口爪白癬治療剤であり、経口投与後速やかに吸収され、活性本体であるラブコナゾールに変換される。 本剤の適応症である爪白癬は、病状が進行すると、爪の肥厚に伴う痛みや歩行困難等のQOLの低下を生じさせる可能性がある。また、未治療のまま放置することで足白癬の再発や家族内感染の引き金になり得る疾患である。 爪白癬に適応を有する薬剤として経口剤及び外用液剤が臨床応用されている。治療選択の幅は広がっているが、爪白癬の治療ゴールである完全治癒を達成するためには、より治療効果が高く、安全で、利便性を兼ね備えた新規抗真菌薬が望まれてきた。 ホスラブコナゾールは成人国内第Ⅰ相臨床試験、爪白癬患者を対象とした成人国内第Ⅱ相臨床試験及び成人国内第Ⅲ相臨床試験における有効性及び安全性の結果に基づき、佐藤製薬株式会社が2017年1月に製造販売承認申請を行い、2018年1月に承認を取得した。 注)以下、その遊離酸と塩違い化合物も含み「ホスラブコナゾール」とする。
製品の治療学的・製剤学的特性 1. ネイリンⓇカプセル100mgは、本邦で創製された経口爪白癬治療剤である。 2. 本剤は、ラブコナゾールのプロドラッグであるホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物を含有する経口爪白癬治療剤である。 3. 用法及び用量は1日1回1カプセルを12週間経口投与で、食事に関係なく服用できる。 4. 爪白癬患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験において、投与開始48週後における完全治癒率は59.4%、著効率、有効率はそれぞれ83.1%、及び94.4%であった。 5. ラブコナゾールはCYP3Aを中程度阻害し、併用注意薬としてCYP3Aにより主に代謝される薬剤(シンバスタチン、ミダゾラム等)、その他にワルファリンが設定されている。 6. 国内第Ⅲ相臨床試験において、101例中、24例(23.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、γ-GTP増加16例(15.8%)、ALT(GPT)増加9例(8.9%)、AST(GOT)増加8例(7.9%)、腹部不快感4例(4.0%)及び血中Al-P増加2例(2.0%)であった。 重大な副作用として、肝機能障害、多形紅斑が報告されている。 販売名 和名(命名法) ネイリンⓇカプセル100mg 洋名 NAILINⓇ Capsules 100mg 名称の由来 爪(NAIL)に薬物が入る(IN)ことからNAILINと命名した。 一般名 和名(命名法) ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(JAN) 洋名(命名法) Fosravuconazole L-Lysine Ethanolate(JAN) ステム お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.09.25 06:54:12
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