Mirrors
by フルカワミキポップなエレクトロサウンドが心地よい作品です。無機質な声とサウンドが、淡々としたクールな空間を広げています。「OVER YOU」はギターボーカルから徐々に音が加わっていく進行に、オープンニングらしいワクワク感があります。漂うように揺らぐ声と、バイオリンのようなストリングスの噛み合い具合も良いです。「Coffee & SingingGirl!!!」はエフェクトのかかった電子音が宙に舞うように流れ、浮遊感漂う曲となっています。それに乗っかるボーカルもテンポが良く、軽快なギターと共に曲に合った爽快な雰囲気を出しているように思います。「7STARS」は淡々とした出だしから、徐々に熱が入っていく展開が良いです。シンプルなループ音に重なっていくギターが、モノクロなサウンドに色を加えているような感じがします。「Chick,Shick Radio」は低音で淡々と進行しているリズム隊と、高音で動きを見せている唄とギターの色分けがくっきりとしていて、メリハリのついた曲となっています。盛り上がりつつも何処か冷めた感じの残る、さらっとした唄いまわしに好感が持てます。「Sunburst」はバンドサウンドが前面に出ている上、男性コーラスが入ることもあり、最もスーパーカー時代に近い楽曲だと思います。何処か哀愁漂うボーカルとギター、強くアグレッシブに刻んでいくドラムが耳に残ります。川の流れや水の滴を彷彿とさせる、独特の音使いが印象的です。コンパクトでクールな無機質サウンドと、遊ぶように漂う唄と電子音が上手く混ざり合っていく浮遊感が魅力だと思います。スーパーカーの名残を少しばかり感じさせつつも、終始彼女の浮遊感へ誘ってくれる一枚です。