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テーマ:今日の健康状態は?(10523)
カテゴリ:精巣腫瘍(ガン)・・・闘病日記
インフルエンザやタミフルについて情報が氾濫していますが、ありもしないウワサ話やとんでもない都市伝説(?)に発展したものなどがあるようですので、ここらで情報を整理してみようと思いました。
なーんか↓のような間違った情報も流れてるようで・・・。 ・とりあえずタミフル飲めば普通のカゼでも治る・・・それって万能薬か? ・タミフル飲みはじめたら5日間飲まないと新型にやられる ・タミフルは「鳥」に効かない・・・投与後タミフル耐性を持ってしまっただけです ・風邪をひくなんて気合が足りない。普通の風邪薬を飲め・・・実はかなり危険 ・普段もらってる抗生剤があるから・・・効きません ↓以下まとめです。 <インフルエンザ対処法> ★普通の解熱剤やかぜ薬はダメ! 家庭用常備薬のサリチル酸系解熱鎮痛薬は14歳以下の子供に使用するとインフルエンザ脳症の危険あり。 他の成分(ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸)も脳症の状態を悪化させる。 また、かぜ薬は熱・咳・鼻水などの症状を抑える薬でありインフルエンザに効くわけではない。 ★インフルエンザに抗生物質は効かない 抗生剤が効くのは風邪などの「細菌」で「ウイルス」には効かない。 ~補足~「ウイルス」とは 細胞を持たず、他の生物の細胞に侵入しないと生存・増殖できない遺伝子系病原体。 DNAウイルスとRNAウイルスの2種類あり、例として天然痘、エイズ、SARSなどがある。 <タミフルについて> ★発症後48時間以内に飲む理由 タミフルはインフルエンザ・ウイルスの増殖を抑える薬であり、ウイルスがもっとも増えるのが48時間後であるため。 間違ってはならないのは、タミフル自体にインフルエンザ・ウイルスを殺す力があるわけではないということ。 インフルエンザウイルスの増殖を抑えるだけであり、増えてしまったウイルスを殺すのは体内の免疫細胞。 ★タミフルのメカニズム インフルエンザは一旦DNAの状態で喉などの粘膜から細胞に侵入します。 次にその細胞の中で自分自身を1000~10000倍の数に増やした後、再び粘膜表面に出てきます。 ここで、次に繁殖するためにインフルエンザは外に出ようとするのですが、このときノイラミニダーゼ(neuraminidase)と言う酵素を用いて宿にしていた感染細胞と自分自身とを切り離します(離脱)。 タミフルはこのメカニズムを利用し、この離脱=増殖過程を阻害することで、ちょうど鳥の羽をもいだように、外に飛び立てなくしているのです。 そうして粘膜表面でいつまでもウイルスがつかまって動けないでいる間に、体内の免疫細胞がせっせと彼らのDNAを解析して兵力を整えるわけです。 これまでの対インフルエンザ薬では侵入時のメカニズムを応用して侵入を阻害していたわけですが、この場合ウイルスの型が非常に多種に変遷するため無力化されていました。 タミフルは逆に侵入を許し、離脱のメカニズムに着目することでこれを解決しています。離脱時のキーになる酵素が実はそんなにバリエーションが無く、なかなか変遷しにくいということにより、現在かなり新型発生率が少ないことが確認されています。 ★タミフルは風邪には効かない 上記のように、特殊な機能のためです ★他の型には効かないの? タミフルはA,B型に効き、C型には効かないといわれますが、そもそもC型は小児病の一種であり、毎年世界的な大流行を起こすインフルエンザというのはA,B型だけです。 また鳥インフルエンザはH5N1型と言われていますが、これはA型に含まれます。 ★幻覚・異常行動はタミフルの副作用か? タミフルの副作用としてニュースで一気に有名になったが、実は幻覚・異常行動はインフルエンザの症状の一つ。 従って現時点では報告があるというに過ぎず、タミフルが原因とは断定されていない。 ★タミフルは連続5日間絶対服用しないといけない⇒ウソ タミフルを中断しても、体内に抗体が出来ている状態で十分に戦える状態になっていれば、あとは自力でも完治します。 先に述べたとおり、タミフル自体がウイルスを殺すわけではないからです。 あくまで免疫細胞が敵の情報を解析し、兵力を整えるための時間稼ぎというわけです。 では何故5日間飲み続けるように言われるか?これにはいくつか理由があります。 成人の場合、48時間以内に飲み始めれば2,3日で体内のウイルスをほぼ壊滅できる(見た目には治っている)状態になります。 それでも飲み続ける理由は喉の粘膜等にウイルスが残留しており、これがタミフルを飲まないと外に舞ってしまうためです。よって残りの日数もちゃんと飲むように指示されるのは他人に感染させないようにとの意味があります。 この場合、本人はいくらウイルスを撒き散らしていても、同一の(遺伝子変化していない)ウイルスである限り再発することはありません(免疫細胞は過去に戦ったウイルスの設計図を記憶している)。 一方子供の場合、大抵の病院では、飲むなら5日間きっちり飲むように指示されています。 これは次のような問題があるためです。 子供にタミフルを飲ませると、タミフル耐性を持つ新型が体内にあらわれて、それを周囲にまきちらすという場合があります。 これは免疫システムがまだ未熟な為にウイルス淘汰に時間がかかるため(その分ウイルス側がタミフルを解析する余裕ができる)です。 そのため中途半端に飲むのをやめたり、間を空けたりすると大変なことになる可能性があります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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