りりたんのPSO周回日記

＜広島５－４楽天＞◇３日◇福山

　開幕ローテは譲らない。広島佐々岡真司投手（３９）が３日、楽天とのオープン戦で先発した。今季初の実戦だったが、２回を無失点。安打１本に抑えるほぼ完ぺきな内容だった。今年も１年間ローテーションを守るため、徐々に仕上げの段階に入っている。

　佐々岡がマウンドに上がり、右翼席に陣取ったカープファンから大歓声が起こった。初回簡単に２死を取った後、鉄平に不運なポテンヒットを許すが、 ４番のフェルナンデスを低めの真っ直ぐで右飛。上々の立ち上がりをみせた。２回は３者凡退。「全部の球種を試せた。内容よりも自分のフォームで投げること を考えた。しっかり右足に体重を１度のせて、左足に体重移動していけるように」と話したが、初の実戦でしっかり結果を残したのはさすがベテランだ。

　０５年は１勝に終わった屈辱のシーズンだった。昨年は１年間ローテを守り８勝８敗。黒田、ダグラスに次ぐ勝ち星を挙げ復活を果たした。昨年もこの 時期、バランスという同じテーマで取り組んだ。「次もフォームをチェックしながら投げたい。あとはキレとコントロール」と納得の表情。ブラウン監督は「ナ イスピッチングだった」とチーム最年長右腕の仕上がりに満足した様子だった。「ローテ落ちなら引退」という覚悟で臨む今季。通算１５０勝まであと１４勝。 ８月に不惑を迎える佐々岡のフォームは、開幕へ向け順調に固まりつつあるようだ。【網　孝広】

［2007年3月4日11時39分　紙面から］

広島尾形サヨナラ弾！手術乗り越え復活へ

＜広島５－４楽天＞◇３日◇福山

　やったぜヨシノリ－。右ひざ前十字じん帯断裂から復帰した広島尾形佳紀内野手（２８）がサヨナラアーチをかけた。福山での対楽天オープン戦。同点 で終わるかと思われた９回２死、右翼に高々と放り込んだ。そこかしこに笑顔の輪が広がり、勝利と復活を喜ぶ余韻が残った。約２年間の地獄を抜け出し、この オフはエンジン全開。もうケガ人じゃない。監督の言う「ヤング・オガタ」は立派な戦力だ。

　白球が福山の青空に舞い上がった。広島ナインは一斉にベンチ飛び出し、行方を見守った。飛び上がる選手もいた。尾形は照れくさそうにベースを１周。戻ってくると数十人に袋だたきにあった。こんな楽しそうな暴力シーンはシーズン中でも滅多にない。

　「久しぶりにいい角度でいきましたね。２年ぶりなんで…。サヨナラ本塁打なんて人生で初めてですよ。気持ちよく（１周）回りました」。

　涙はない。笑顔だけだ。スライダーを力強くすくい上げた。両手に心地よく残る感触を味わいながら振り返った。「特別な思い？　うーん。これで（試 合が）決まったなあ、という感じ。そんなに…ハイ。今日は本当にたくさんの人が球場に来ていた。試合に出たら何とかしたい気持ちだけでした」と頭をかい た。球場を出て、バスに乗る間際には怒声にも似たヨシノリ・コールを浴びた。

　本人にとっては、感傷的に振り返るほどの一打ではない、のかもしれない。「過去」を感じさせない、すさまじい打棒がそう思わせる。劇弾の前の打席 でも右翼に痛烈な安打。２月２５日の１安打と合わせ、オープン戦は３打数３安打。故障者扱いしては失礼だ。石井トレーナーは「もう普通。あとは実戦感覚だ け」と体に太鼓判を押す。

　０５年５月の試合中に右ひざじん帯を断裂。「もう野球ができないかと思った」。実戦復帰目前だった昨年３月にも再度メスを入れた。計６度の手術を 乗り越えた。リハビリ中はファンからの千羽鶴や手紙に励まされた。「支えてくれた方たちに、もう１度元気な姿を見せたかった」と神妙に言葉を選んだ。

　今キャンプは順調そのもの。本来は内野手だが、ひざに負担がかからないよう外野守備に専念している。打力だけでも外野レギュラー争いに割って入る資格がありそうだが「正直、そこまで考えていません。やっとボールに慣れてきたところ。今は野球をできるだけで幸せです」。

　ブラウン監督は「彼が本当に楽しそうに野球をやっていて、見ているこちらもうれしい」と微笑んだ。その思いは誰もが同じのはずだが、まだまだオープン戦。おめでとうの言葉はこれから何百回でも言えるチャンスがある。【柏原誠】

［2007年3月4日11時39分　紙面から］

広島中東、思い出の地で快打

＜広島５－４楽天＞◇３日◇福山

　広島中東が思い出の地で快打を放った。この日試合が行われた福山市民球場は、東亜大４年時、明治神宮大会への地区代表決定戦で、先頭打者本塁打を 放った場所。相手は高知大の山下直明投手（現広島打撃投手）だった。チームは勢いに乗り、そのまま決定戦を制し、大学日本一になった。「大学、社会人 （ＪＲ西日本）時代には、よくここで試合をしていた」となつかしそうに話した。この日は１打数１安打。前日２日の紅白戦でも１死二、三塁から中前へ２点打 を放つなど勝負強さを見せている。「チームが打てない中で、打てたのは自信になる」。打てる捕手として、開幕マスクを狙う。

［2007年3月4日11時40分　紙面から］

広島梵が絶好調、２打席連続本塁打

＜広島６－０楽天＞◇４日◇広島

　広島の梵英心内野手（２７）が２打席連続アーチをかけた。楽天先発のルーキー永井から中越えに先頭打者本塁打。２回の第２打席でも左翼にたたき込 んだ。「両方とも真ん中の直球です。１本目は風でのせいでしょう。２本目は打った瞬間にいくと思いました」。第３打席でも適時二塁打を放つなど切り込み隊 長が大爆発した。

［2007年3月4日19時45分］