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カテゴリ:エッセイ
村上市にお住まいの村上師範についてご紹介したいと思います。
村上師範は長年にわたり心形刀剣術を修行されています。 また、「心緑会」を主宰して多くの門人の育成に努めておられます。 今回、ご好意により、ご自身の演武の動画を送っていただきました。 このブログに掲載しましたのでご覧ください。 動画は関東で行われた大会に山脇師範が出場されたもので、心形刀流の居合(心形刀流では 抜き合いといいます)を演武されています。 動画のはじめのほうは他流派の演ですが、少し進めていただくと直心影流のあと、山脇師範が出てきます。 演武の前半はゆっくりとゆるやかに演武をされています。 後半は、通常の速度で演武されています。 私は太極拳をやっていますので、人前でゆっくりとやることのリスクは充分理解しています。 なぜなら、ゆっくりやると動きの粗が見えてしまうからです。 技のレベルも丸裸になってしまいます。 それをあえてやっている山脇師範は、かなり大胆不敵といえましょう。 しかし、そのスローな演武を拝見させていただくと、実に素晴らしい! ひとつひとつの動きに角がない。 スムーズによどみなく、流れるように動いています。 おそらく技の未熟な人はこれほどゆっくりやれば、角のある動きが見えて硬い印象を与えるでしょう。 上体が沈み姿勢が低くなるその間に、足さばき・刀の操作・半身から半身への転換、そのすべてが滞りなく終わってしまっている。 肩も上下しない。 上体の浮き沈みにバネがないので、動きのリズムが消えている。 手足・体幹の動きに順番がついていないので、全ての動きが同時に重なり、ゆっくりなのに結果だけが早く表れている。 そして刀を鞘におさめる動きの見事さ。 まるで空中に玉が浮いていて、それを軸として刀が円転し、鞘に収まるかのように、無駄なく途切れなく等速に動いています。 刀を持っている重量感がなく、刀が師範の手の内で浮いているような、そんな不思議な感じの納刀です。 そして演武の後半。 これは他派に見るような普通の速さでの演武です。 ここでの見どころは、左右の足を瞬時に入れ替えながら、抜刀するところです。 ここまで足首のバネを消し、上体を浮かせているあいだに左右の足を入れ替えるという、まったく隙のない一瞬の技。 普通、右足と左足の位置を入れ替えれば、重心の上下はするものですが、山脇師範は重心を空中で静止させたまま足を入れ替えて、しかも抜刀までしてしまいました。 立ち上がってからの右半身から左半身に変わるときの自然さ。入れ替わったことすらわからない動き。 なにか特別な動きで、これはすごいと思わせる隙もあたえないような、バネのない動き。 軸がぶれないと、動作は一瞬で終わるため、我々の目には変わったという情報が入ってこない。 私は、これほど見事な動きができる山脇師範を尊敬します。 演武の前半にゆっくりとした動きの演武をもってくるのは、大胆不敵なやりかただと思います。 それをあえてやってみせるところが、山脇師範のにくいところです。 私なら、適当に素早くやってカッコつけて、どや顔で終わります。 実に見事な演武を拝見しました。 山脇師範、ありがとうございました。 山脇師範の「心緑会」のホームページです。 是非ご覧ください。 ↓ 心緑会ホームページ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.09.05 14:09:24
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