こんな国に生まれて…日本狼…純粋バカ一代…山崎友二
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在野ノート32
純粋バカ一代526
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【回顧1】高校時代の同級生が結婚することになった。商店の跡取り息子がやっと固まることになって家族も安心だろう。最初から親と同居するということだが、うまくいきそうな雰囲気は持っていた。新婦とはスキーにいっしょに行ったこともあり、気さくな子ということはわかっていた。
2020.06.28
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【回顧39】他人から親から友人から、どう思われるかより、自分が思うことの方が大事だろうと説得したが、聞くことはなかった。社会の平均点以上をめざすだけで、自分というものがなかった。見放すしかなかった。依存教の信者はほっとくしかない。今頃、どうしてるのか知らない。(終)
2020.06.26
【回顧38】マザコン1号は結婚を悩んでいたようだが、なかなかうまくいかなかった。オレは、もっと単純に女の子を好きになればと言っていた。彼は、女性から好かれて結婚するものだと思い込んでいてうまくいかなかった。その結婚できないことが障害になって、奇行も行っていたように思う。
【回顧37】その他にもマザコン1号の奇行はいろいろあった。同級生なのだから、直してやろうともがんばったが、原因がよくわからず、どうにもならなかった。心理学者や精神科医でもない素人が、勝手に人の精神を変えてしまうことに、危険も感じていた。とんでもない方向へいってしまいそうで…
【回顧36】男3人の子供をもった母親が「ひとりぐらい女の子がほしかったねぇ」というのは常套句だろう。自分が年老いた時に娘から気遣いがあるような気がするのだろう。3人の嫁と対峙するのも疲れるだろう。だからといって、息子が親を気遣って性転換するというのは、おかしいと思う。
【回顧35】ある日、マザコン1号はうつむいて「おれ、ちんぽ切っちまうかなと思ってるんだ」と言う。「えっなんで?女になりたいってこと?」「そうだよ、うちのかあちゃんも女がいいって言ってるし……」「かあちゃんって母親?」母親の要望に合わせて性転換もしようかってことか……
【回顧34】「女なんか好きにならねぇだろうよ」「女は好きじゃないのか?じゃ、男が好きなのか?」「そうだろうよ」「でも、結婚するのは女なのか?」「みんな、女と結婚してるだようよ。知らねぇの?」「ふ~ん。男が好きだけど、結婚は女とするのかぁ」よくわからないなぁ……
【回顧33】「後者だよ」「ふ~ん。ケツの穴に指を入れてもらうのが好きなんだ」笑うでもなく真剣に話は進んでいく。「おまえ、結婚したがってたけど…相手は、女なの?男なの?」「男と結婚する人なんているか?」「いないな、じゃ女と結婚するのか?」「そうだろうよ」「ふ~ん」
【回顧32】女より男が好きだと言うのでこんな質問をした。「マ○コに指を入れるのと、男のケツの穴に指を入れるのでは、どっちが好きなんだ?」1号は迷うことなく答えた。「後者だよ」「へぇ~。じゃあ、ケツの穴に指を入れるのと、自分のケツの穴に指を入れてもらうのではどっちが好き?」
【回顧31】マザコン1号の言動は、ひどくなっていた。ある日「女、好きなのか?」と聞くので「好きだよ。お前は?」「女なんか好きにならねぇ」「女好きじゃないの?じゃ、男は?」「男は好きだろうよ」「へぇ~。そういう人だったの?知らなかった」と言っても、疑問に感じないようだ。
【回顧30】「客に『おまえ』っていうのやめてくれる」マスターは、ふふっと笑って「気にしたのか?」と言う。「…いや実は気にしてないけど…っていうか、うれしかったけどね…」「『おまえ』って言われてうれしかったのか?」「うん」人生の先輩に指導されるって、うれしいことだけどね。
【回顧29】ナイフの背をつまんで引き上げると、抵抗することもなくすぐとれた。「刃物を渡す時ってこうするんだよね」とナイフの柄の方をマスターに向けた。「そうだ。いいか、これはそいつからじゃなくて、おまえから預かるんだからな」「わかった。そうしてくれる…ただ…」「ただ何だ?」
【回顧28】そうか、オレが悪かったのかと考え込んでいたら、マスターが笑顔で「悪かったな、おまえのせいだなんて言って」ずいぶん早い撤回だけど、気が楽になった。「そのナイフ出しな。捨てるんじゃなくて預かってやる」と言ってくれた。「ありがとう。そうしてくれる」とナイフをつかんだ。
【回顧27】「おまえがしっかりしないからだ」マスターはオレに言う。オレがちゃんと矯正すればよかったのか。でもどうすればいいのだ。オレには原因がマザコンだからということもわかっていなかった。ただ変な考え方をする奴だということだけだ。こっちが普通に接しても不穏な動きをする。
【回顧26】普段、柔和な顔のマスターの顔つきがきびしくなった。ナイフを見て「うちには、そんなもの捨てるゴミ箱はねえぞ」声も荒くなっている。「そうだよねぇ、どうしよっかな」「なんだ、そいつは。なんでそんなもの持ってるんだ?」「なんでだろうね。オレにも理解不能なんだけど」
【回顧25】マザコン1号は、ナイフを持った手を下げ、うつむいている。オレはゆっくりと手首をつかんだ。つかんだ手を上にあげてマスターに言った。「ねえマスター、ゴミ箱ある?」「あるよ、何捨てるの?」「これなんだけど」と手首を持ち上げる。「手首もいっしょに捨ててくれる」
【回顧24】使わないナイフを見せびらかすのはどういうわけだ。ナイフそのものを見て驚き恐がらせるのが目的か。ナイフには罪はない。オレだって研ぎ澄まされたサバイバルナイフには魅力を感じる。キャンプ以外に外に持ち出すことはないが。罪なのはそれを持ち歩いて悪用する人間にある。
回顧23】ペチンと頬を打ったので、ナイフで反撃してくるかと立ち上がった。ナイフを振り回してくるかもしれないと思い、椅子を後ろに蹴りスペースを広く取ってかまえた。だが、しずかだ。彼は、ナイフを持った手をだらんと降ろしうつむいている。どういうことだ?ナイフは使わないのか。
【回顧22】しばらくたったある日4人で居酒屋のカウンターにいた。マザコン1号はオレのとなりにいた。突然「俺ナイフ持ってるんだ」とヘラヘラ笑いながら、オレの顔の前でナイフを揺らした。まだ懲りてないのか。「オレの前でナイフ出すんじゃねえよ」と左手で顔をペチンとぶってやった。
【回顧21】「警察沙汰にならなかったのか?」ナイフを持っているだけでも銃刀法違反だ。「警察なんかどうにでもなるだろうよ」彼の弟は警察官だった。現実感がないのか。おそろしい状況だが、人を怖がらせるために、特に女性を怖がらせようとナイフを見せるような人間は何もできないだろう。
【回顧20】「それで職場の人たちはどう対処した?」と聞くと「ナイフ取り上げられちったんだ」と言う。周りの人はちゃんと対応してるようだ。「その人たちをおまえはどう思った?」と聞くと「女の子によく思われたいんだろうよ」と言う。自分勝手な行動で、他人のことが見えていない。
【回顧19】ある日の飲み会「女の子って弱いんだなぁ」と言う。女が弱いかな。そうは思えないけど。「職場でナイフ見せたら、みんな逃げちまうんだ」と言う。そりゃ気味悪いから逃げるだろう。自分を強く見せたくて、ナイフの力を借りたか。というか異常行動だな。それを職場でやったって?
【回顧18】強烈なマザコンは、劣等感の裏返しで母親に好かれようとする。同級生の母親も美人だった。母親に対する劣等感が強すぎる。他人に好かれるようとするより、好きになる方が大原則だ。というより、それが普通だ。マザコンは、人を好きになるより好かれたいと思う。それが異常だ。
【回顧17】昭和の戦争時代や高度成長時代にもマザコンは活躍したと思う。善悪の判断ができずに行動できる人が大勢いた。ただ『母親』がわりの人が導いてくれればいいのだ。『母親』の顔色をうかがって、怒られないように行動していた。恐いのは、その仮面の下がぐちゃぐちゃだってことだ。
【回顧16】マザコンとは、過保護に育てられ甘えている人間をいうのかと思っていた。マザーコンプレックス…コンプレックスは劣等感だ。親に劣等感を感じて育つのがマザコンだ。劣等感があるので、気が弱くなり、判断ができなくなる。自分で判断するのが怖いから、上の人の言うことを聞く。
【回顧15】親は上の人。上の命令はできないとだめ。親が特に母親が兵隊を作った。高度成長期にも突進した。それが、戦争のない平和な時代にも生き残っている。自分では判断せずに、みんなやっているから、やらないと他人に悪く見られるからという基準で行動する。これがマザコンの正体だ。
【回顧14】日露戦争では、太平洋戦争より戦死者が多かった。でも、民衆は「バンザイバンザイ」と日ノ丸を振って喜んでいた。戦争には勝ったから。死んでもいいからお国のためになる人間が生み育てられていた。「突撃!」と大声の号令がかかれば、善悪の判断もできず突っ込んでいった。
【回顧13】気の弱さができるできないの判断をしている。いちばん影響しているのは、親だ。親の言うこと・親に叱られることができるできないに関わっている。「かあちゃんの言うことなんか聞けるか!」と反抗期を過ごしていれば、普通のおとなになる。それがないとめんどうなおとなになる。
【回顧12】ほんと、なんでしていいこと悪いことの区別ができないんだろう。高校時代はおとなしくてまじめなやつに見えたけど。どうやら行動の基準が、みんなやってること、はげしく叱られないこと。それが、できるできないの判断になっているように見える。意思決定がぐちゃぐちゃなのだ。
【回顧11】「そいつのことはほっときな。あんたのほうが大事なんだよ」マスターの言うことは説教的説得に聞こえた。「うん、わかった」「しかし、そいつはなんだ。善悪の区別もできないなんて。友達か?」「うん、高校の同級生なんだけど…」「なんで、そんなふうになっちまったのかねぇ」
【回顧10】マスターは、ふふっとやわらく笑うと「殺したいやつがいねえんなら、殺人マシーンなんていらねえだろ」「そうだけど…オレが持ってないと、誰か他の人間につかわれちゃうだろうよ、殺人マシーンが」「使われたっていいだろうよ。あんたが悪くなるのがいけないんだって言ってんの」
【回顧9】声の主は居酒屋のマスターだった。60歳くらいで短髪のやさしそうなおじさんだ。低い声には凄味があった。「止めないでくれる。オレの殺人マシーン作ってんだから」「殺人マシーン?…」ふうとため息ついて「誰か殺したいやつがいるのか?」「う~ん、今んとこいないけど…」
【回顧8】「殺し方は、あとで教えるから…やる相手をオレに聞け」と言うと「わかった」と答える。「大事なこと教えるから…万が一警察に捕まってもオレの名前は言うな」「わかった」「わかるよなぁ、おまえ頭がいいんだから…」とそこまで言うと「おい!そのぐらいにしとけ!」と声がする。
【回顧7】「なんだ、人殺しができないのか」と言うと『できない』という言葉がひっかかっているようだ。「できないのは、人殺しのやり方を知らないからだろう。オレが教えてやるよ」「やり方さえわかれば、おまえにもできるだろう」と言うと「うん」と返事した。自分でも変な会話だと思う。
【回顧6】「みんなやってるのか?」うつむいたままそう聞いてくる。「ああ。み~んなやってるよ。おまはやらないのか?」黙って考えている。善悪の判断はせずに、誰もやるからという理由で動こうとしている。日本人的だ。ただ、殺人となるとかなりの『度胸』がいるらしい。決めかねている。
【回顧5】「やっぱ、銀行強盗はやめとけ」と言ってやった。「受付の女の子を怖がらせるのがかわいそうだ」スーパーでの何百円かの窃盗はできるが銀行強盗となると考え込んでいる。「度胸があるんなら、強盗より殺人はどうだ?」そう言っても黙っている。「度胸がある人はみんな人殺しするぞ」
【回顧4】「万引きは恥ずかしい行為だぞ」といくら言ってもヘラヘラしている。「度胸がないんだな」と言われた。「スーパーで何百円の物かっぱらって度胸があるのか?」と言ったら少し考えていた。あきれかえったので言ってやった。「度胸があるなら、銀行強盗で5千万くらい持ってこいよ」
【回顧3】ある日の居酒屋でとつぜん言う。「スーパーで万引きしたんだ。万引きしたことあるか?」オレは口を開けてあきれてしまった。もう30歳すぎているんだ。万引きなんかするか。「万引きはしないなあ。刑法の窃盗罪だぞ」と言うと「法律なんかどうにでもなる」どうなるんだよ。
【回顧2】自分に自信がないから、他人を悪く見がちだ。「うちの職場の子は、湯呑置くときドンと激しく置くんだ」と言う。「それをお前はどう感じた?」と聞くと「いまどきの女の子はお茶のいれかたもわかんないんだな」ええ?それはおまえがきらいだから、ドーンと置くんじゃないのと思うが…
【回顧1】高校時代の友人4人ほどで毎月飲み会をしていた。その中にちょっと変わった男がいた。背が高くあまいマスクなのだがちょっと気が弱いようだ。それでも世の中の人には受け入れられるものだが。どうもコンプレックスが強すぎるようだ。自分を大きく強く見せたがる。よせばいいのに…
【回顧14】その後、酒乱の男はいなくなり。夫婦ものも出て行った。毎月金が入るようになって、働く意欲をなくしたのか。しかし、妊娠が早くわかったな。ほんとは、子供はできてなかったのかもしれない。それでも、酒乱男は一生養育費を払い続けるのか。どっちもどっちという話だ。(第27話 終)
2020.06.24
【回顧13】ある日、若夫婦と洗面場で会う。女は顔に水をつけていた。その時殴られたようだ。オレは「だいじょうぶか?」と安易に声をかけた。女は怒った顔で「どうすればよかったの?友二さんなら解決できたの?」と言う。オレは「すまなかった。オレにはなにもできない」と下を向いた。
【回顧12】「酒乱の人の奥さんと子供はどうなるんですかね」「うん、うちのホテルで働きなさいと言ったんだが、この土地を離れたいらしい」「う~ん。酒は恐いですね。めちゃめちゃになっちゃいましたね」「酒は、ほどほどに飲めばいいものなんだよ。人と人の間の潤滑油だと思ってるけどね」
【回顧11】「養育費を毎月払うんだが、これが異常なんだよ」「と言いますと」「札幌でトラックの運転手をやれと、稼げるからな」「はあ」「それで、タバコ銭程度の金だけ渡して、あとは養育費として巻き上げると」「養育費ってそんなに…?」「養育費には上限が決められていないからね」
【回顧10】「警察に届けるという手は…」「わしも警察に相談したらと勧めたんだがね」「ゴウカンは刑法犯罪だから、それで仕切るのが筋かと思いますけど…」「それがね、女は十代の頃補導歴があって、警察は信用してくれないだろうと言うんだ」「ゴウカンは親告罪だから…警察は民事不介入…ですか」
【回顧9】「いくらヤクザでも、金をせびり続けるのは無理でしょう」「ところがねぇ…むこうも考えてきたんだねぇ」「なにか作戦ですか?」「う~ん。女に子供ができたから生むっていうんだよ」「え?妊娠しちゃったんですか?」「それがはっきりわからんのだが、子供を産むと言うんだな」
【回顧8】「それでその女のおにいさんがヤクザだそうでね…」あらら、ゴウカン事件だけでもたいへんなことなのに、ややこしくなりそうだな。「仲裁にはいったというか…それが無謀なんだよ」「やっぱり金ですかね…ヤクザだと…」「その金なんだが…慰謝料とか手打ちとかの一時金ではないんだよ」
【回顧7】「あの若い夫婦もんがいるだろう?」「ええ、いっしょに仕事してましたよね」「あの女をやっちゃたんだよ」「酒乱の人がですか?ゴウカンですか」「ああ、酒が入ると人が変わっちゃうんだな」「誰でも多少は気が大きくなったりしますけどね…」「だけど、そこまでは乱れないだろう」
【回顧6】「用度係にKというのがいるだろう?」「Kさん?あのおとなしいひとですか」「そう…いやそれが酒を飲んだらたいへんな酒乱でね」「アル中なんですか?」「ただのアル中ならいいんだがね…ひとに迷惑もかからんし…」「酒乱とアル中って違うんですね。いっしょかと思ってました」
【回顧5】ある日社長が珍しくひとりで出かけるという。いつもは後部座席で3号さんと5号さんにはさまれているが、今日はひとりで落ち着かない感じだ。片道100Kmの1時間ドライブだ。社長が突然話しかけてきた。「君は口がかたそうだから話すんだけど…ホテル内で面倒なことがあってね」