ゲイリー・ピーコック(b)、
キース・ジャレット(p)、
ジャック・ディジョネット(ds)のいわゆるスタンダーズのトリオによる録音で、ゲイリー・ピーコックのリーダーアルバムの Tales Of Another である。このアルバムの存在を知ったのは自分が25歳頃だから、このアルバムが録音された1977年から、7年ぐらい経ってからのことになる。多分このアルバムが出たときは、話題作だったと思うが、自分はこのアルバムをどこで知ったのだろう。多分、新星堂が出していたジャズの名盤カタログか何かで知ったのだろうと思う。
正直ゲイリー・ピーコックの存在さえ、自分はこの時知らなかったから、その名盤カタログ本からキース・ジャレットの名前を見つけない限りは、買うことのなかったアルバムだったろう。買って初めてターンテーブルに載せて、最初のシンバルの音から始まり、キースのピアノが入っていく一曲目の Vignette から
一体何が始まるんだろうという、お化け屋敷に入るようなゾクゾク感が湧き上がってくるのを覚えている。ゲイリー・ピーコックの曲だが、まるでキースとの相性が良く、多分何も知らされないで聴くとキースのリーダーアルバムだと思ってしまう。そして
鬼気迫るキースの演奏は、彼の唸り声によく現れている。三人のインタープレイはとても素晴らしく、後々この三人で数々の録音を残していることからも分るように、三人の信頼関係が厚いことが伺える。
チック・コリアの Now He Siung Now He Sobs も衝撃を与えるようなアルバムだったが、これも匹敵するくらいのアルバムだと思う
ちなみに同年代のジャズベーシストには、
ポール・チェンバース(1935年生れ)、
スコット・ラファロ(1936年生れ)、レジー・ワークマン(1937年生れ)、ロン・カーター(1937年生れ)、
チャーリー・ヘイデン(1937年生れ)などがいる(Wikipedia出典)。