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臨時教員を考える 加藤ブログ

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April 26, 2010
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カテゴリ:臨時教員
1.自分の働き方、生活実態

私は、現在、A市の小学校で非常勤の仕事をしています。1年生、2年生の算数の授業に担任の先生と一緒に授業を担当し、子どもの前に立って授業をしたり、個別に授業についていけない子どもに指導をしています。また、「勉強の保健室」という場を設定し、放課後、勉強の解らない子どもたちが、「勉強を教えて」とやってくる補習のようなこともやっています。勤務時間は、9時40分から3時25分までです。1日5時間、時給は1,210円ですので、年収80万円程度です。

しかし、学校全体のことや子ども達全体のことをもっと知りたいと、8時30分からはじまる朝の職員集会や、3時30分過ぎに始まる職員会議などには、自分から管理職にお願いして参加させてもらっています。また先生達が、職員室に戻ってくる時間まで残っていてその日の授業のことや、子ども達の様子、翌日の授業のことなどについて、なるべく話をするようにしています。放課後の「勉強の保健室」では、子どもたちを迎えにくるお母さん方と、今やっている勉強のことや子どもたちの学習の様子など話をしています。

だが、教育委員会は、私達「サポート臨時教員補助員」の立場を「一般職員」としていて、「指導もしなくていい。授業もしなくていい。」などと言っています。(ですから、時給1,210円でも良いということなのでしょうが)

でも、実際には忙しい現場では、全校遠足の付き添いや学級崩壊のクラスの給食指導に毎時間出たり、運動会の時には担任の先生のようなことをしたりするなど、教員としての仕事を任されています。

 また、生活実態としては、この仕事をはじめた頃は、スーパーの試食販売の仕事を土日のどちらかをやりながら学校の仕事もしていました。日曜日にスーパーの仕事をした翌日の月曜日は疲れて、子どもたちと関わることが面倒になってしまいました。「何のために教師をやっているのか」と考えた末、教員として専念するために試食販売の仕事をやめました。年収80万円程度では、生活が成り立たないので5年くらい前から生活保護を受けながら教師の仕事をしています。生活保護を受けているので、ぎりぎりの生活ではありますが、放課後、算数の学習会に参加したり、生活指導のサークルなどにも参加し、どのようにしたら子どもたちに勉強を解らせることができるのか、どのようにしたら子どもたちとより良い関係がつくれるのかについて学ぶ機会があり、嬉しく思っています。

しかし、親戚や友人には「制度のせいにばっかりして!」「いつになったら国を変えられるの?」「アルバイトでもすれば!」「臨時の先生をやっているというのがはずかしい!」などということを顔を合わせる度に言われます。

学校では正規の先生のようにがんばりながら、しかし家に帰ると厳しい生活実態があります。そのギャップがとても苦しく、その自分の気持ちをどこにぶつけたら良いのか判らず、そのことがとても辛いことでした。

2.職場の先生との関係を作るためにどのようなことをしているのか

私の勤務時間は1日5時間ですが、本来教育という仕事は時間で区切られることではないと思います。また、私の仕事はここまでと割り切れるものでもないと思います。教育というものは、学校の教職員全員で作っていくものだと思っています。そこで、先生方とのコミュニケーションをとることが、教育という営みの中では何より大切ではないのかと思います。

私がやっているサポートという仕事は、子どものサポートだけでなく教師へのサポートでもあると思います。連日サービス残業にならざるをえませんが、なるべく先生方との話し合いを大切にしようと思っています。子どもの生活実態やお家の方の対応、私の知らない学校での様子、どのくらい学習を理解しているのかなど、担任の先生と話しをすればするほどいろいろなことが見えてきます。そして、子どもをどのように対応していけば良いのか、どこをポイントにして学習に取り組ませたら良いのかが、解ってくるように思います。さらに、担任の先生の考えも解り、自分のやったことの意味や課題なども見えてくると思います。

教育そのものが話し合いの中で作られ、またサポートという立場ではなおさらではないかと思います。担任の先生の子どもとの人間関係作りの大変さを共有し、お互いに支えあうこともサポートの大切な仕事です。また、T2として子ども達に関わるときも自分で教材研究をしながら「自分だったらどのように授業をやるか」と授業案を考えます。そうすることで先生の授業のねらいや進め方が理解できるようになりますし、解らない子どもへの指導にも幅ができ、より積極的に自信をもって主体的に関わって授業を作っていくことができると思います。

このように、臨時、非常勤という立場の違いを超え、同じ学校の教員という立場で子ども達の教育にあたっていくことが、子どもにより良い教育を保障することになるのではないかと思います。

そのために、私達は臨時、非常勤の待遇改善は不可欠なことだと思います。教育委員会は、私達のことを、「サポート臨時教員補助員」と位置づけ、教員ではなく「一般職員」としての扱いしかしていません。だから、授業もする必要ないし、職員会議にでる必要もないと言っているのです。しかし、少しでも、私達の待遇を正規採用の待遇に近づけていくことが臨時、非常勤の先生をこれ以上増やすことに歯止めをかけ、正規採用の先生を増やし、教育を良くしていくことにつながっているのではないかと思います。

 私は、「勉強の保健室」という補習ための勉強室を担当しています。5時間目の終わる2時30分くらいから4時近くまで、勉強についていけない子ども達に勉強を教えています。宿題や授業で解らない所を中心に学習しています。担任の先生やお家の方からこんな勉強をさせて欲しい、こんなところに躓いているという課題を紙に書いてもらい、そこを中心に勉強します。帰りは、お家の方がお迎えにきて一緒に帰ります。

 そこに通う子ども達と一緒に学習することで、担任の先生と子ども達の学習面での躓き、家庭の状況や生活面での見直しなどについても話し合い、協同で子ども達に関わることができます。協同で子ども達に関わることで、授業で解らなかった子どもが解るようになり「算数がたのしい」と言ってくれたり、「算数に自信をつけ、他の教科にも自信をつけ生活態度も変わっていった」という子ども達の変化があります。また保護者の方とも子どもの学習の躓きをともに考え、子育ての悩みを共有しながらやってきました。保護者の感想に「お迎えに行き、子どもの実態を見て、先生と話しをしながら、勉強をどのように子どもに教えたら良いか教え方がわかって良かった」という意見もありました。子ども達も「一緒に勉強する友達がいて、分からないところを教えてくれる先生がいる勉強の保健室は楽しい」と嬉しそうに通ってきます。

 クラスの中で勉強の保健室で頑張ったことご評価され、「勉強の保健室」は、勉強ができない子が行く所というのではなく、もっと勉強が解るようになりたいという子ども達が行く所というように位置付けが変わっていき、「勉強の保健室」に行きたいという子ども達が増えてきました。







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Last updated  May 10, 2010 04:00:53 PM
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