カテゴリ:素敵に生きる心がけ
講演の準備をしていて、ここしばらくブログをご無沙汰してしまいました。
暑い日が続きますね。 ☆*:。.:☆ とても大切なものを見失っているのに、大切でないことに心を奪われて 毎日を忙しくしていることがあります。 そして、本当に大事なことを失ったときにその大きさを、その大切さを もうどうしようもないくらいに感じたりします。 そんな心に響くお話が『子供を傷つける親癒す親』鈴木秀子著にあります。 ちょっと長いお話なので、ダイジェスト版に縮小してお伝えします。 あなたのクリックをご協力ください。ありがとうございます!! □ □ 人も羨むような学歴、容姿に恵まれた一流商社マンと翻訳家の夫婦がいました。 夫婦にはかわいい男の子が生まれました。俊一君はおとなしく成績がよく、 美貌に恵まれた少年に育ちました。 夫婦は上昇志向が強く、いつも高いものを目指して「もっともっと」と登り 続ける生活をしていました。二人にとって、成功を勝ち得、人々の賞賛を 浴びて社会的に認められることが二人を生かす動機となっていました。 ある日、俊一君は両後ろ足が折れて、片目がつぶれている雑種を拾って きましたが、おかあさんが「そんな醜い犬はダメ」と言って、純血種の子犬を 買い与えました。 ルルと名づけられました。「どうして?」と訊くと、「あの脚の悪い犬が、 片目で僕の方に向けて『ルル、ルル』って泣いていたんだ。」と答えます。 俊一君は有名私立中学に合格しました。お父さんのアメリカ出張に家族は 一緒に旅行をすることになりました。 最高級のレストランで食事をしながら、さっき美術館で見たモネの睡蓮の 絵について俊一君が話をしました。 「モネの睡蓮の絵は、一見静かで漂う穏やかさに目を奪われるけど、 じっと見ていると、底のほうにどろどろと淀んだ計り知れない暗さが 漂っているんだよね。」 これを聞いたお父さんは、素晴らしい絵画鑑賞力と褒め、お母さんは幸せ 一杯の気持ちになりました。 翌日、真っ青な海とヨットの白帆と海岸線の美しい別荘地に行きました。 三人は絶壁の上に立ち、美しい島を遠望しながら、写真を撮ることに しました。誰も通る人はいなかったので、交互に写真を取りました。 夫婦の写真を撮るために俊一君はカメラを持って絶壁の上に立ちました。 写し終るとカメラを静かに地面に置き、夫婦の目の前で海の方へ向き直ると 鳥のように両手を広げて絶壁から海に舞い降りてゆきました。 夫婦には何が起こったのかわかりません。高い高い絶壁と深い海があるばかり でした。 ホテルに戻ると「さようなら」と手紙がありました。自殺でした。 夫婦にはつらい日々が始まりました。そして、少しずつ、分かり始めたのです。 成功すること、人々の目によく見られること、地位を固めること、 エリート商社マンとして上り詰めること、そういったことのみを求めていた 夫婦の心は空っぽで、深いところは、欲とエゴの塊だったということを。 俊一君は未熟なうちにそれを見抜いていました。夫婦は生き方の根底が 間違っていたと気づきました。 他人がただ一緒に住んでいるような隙間風がいつも二人の間を 吹きすさんでいた夫婦でしたが、やっと二人の間に深い絆が生まれました。 他人の目には、はかることのできない静かな深い充足感を感じることが できるようになっていきました。 俊一君が夫婦に贈ってくれた大きな大きな贈り物でした。 □ □ この物語を読んで、いろんな感じ方があると思います。 私は、自殺してしまった俊一君がかわいそうで切なくてたまりませんでした。 「お母さん、どうしてこの犬じゃだめなの。僕もいつも完璧でないと いけないの?息苦しいよ。駄目な僕も見て。駄目な僕も受け容れてよ。」 という悲痛な俊一君の声が聞こえてくるような気がしたからです。 子供は感じていても、まだ、それをうまく言葉で表現できません。 子供が感じていることを、つたない言葉で素直に話せる親子の関係を 築くことができれば、親はうまく表現できない子供の心を 感じることができます。 けれど、それが築かれていないと、子供は表現する機会すら 失います。 あるがままを受け容れるのは、簡単なことではありません。 もう少し、こうあってほしい、あああってほしいと思います。 だからせめて、何でも素直に話し合える関係だけでも築いていれば 俊一君は絶壁から海に飛び込まずに済んだのかもしれません。 そんな気がしてしようがありませんでした。 もし、今、親子間で上手く話せない関係があれば、たわいもない 話をしてみてください。小言を言ってしまいそうだったら、 黙る修行をしてみてください。 子供はいつでもお父さんとお母さんと話をしたいと思っています。 子供とたくさん会話をすることで、親も育てられます。 大切なものが見えてきます。 もう、年をとった親との会話がうまくいっていないときも、 日常の些細なことでいいから何か話してみてください。 年老いた親は子供との会話が何よりも嬉しいものです。 「親子」 大事な関係です。 けれど、この関係を、すべて後回しにして、仕事に追われている お父さんがいます。 子供の成績ばかりに口うるさいお母さんがいます。 でも、大事なのは、子供といる時間を作ること、子供といろんな話を たくさんすること。 大切なことを大切にしてください。 あなた自身のことも。 親や子どもに言いたいことがあれば、勇気をだして言ってみましょう。 「お父さんはね、もっとお前と楽しく話したいんだ。けれど、 何かと小言になるし、お前も反発するし、寂しいと感じてるんだ。」 「私はね、お母さんにあのときこんな風に言われて悔しかったの。 どうして、私のことをもっと別の目で見てくれないの?って。」 こんなこと照れくさくて言えない、そうですよね。 照れくさいし、言いたくもありません。 でも、亡くなってしまってからでは遅すぎるのです。 生きている真ん中で、勇気を出して、出来れば感情的にならずに感情を 伝えることができたら、そこから大きく関係を変えていくことができます。 ずっと抱えて見ぬ振りしているのはしんどいものです。 今日は自分の心が穏やかだな、相手も大丈夫そうだな そう思える日に勇気をだして言ってみませんか? ベストライフ・コーチング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年07月17日 23時01分58秒
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