バッハ『ヨハネ受難曲』
2012年11月11日(日)
東京オペラシティ コンサートホール
指揮:郡司博
福音史家:望月哲也
ソプラノ/女中:國光ともこ
アルト:三輪陽子
テノール/下役:中嶋克彦
イエス/バス:大井哲也(replacing Koji Yamashita)
ピラト/バス:押見春喜
ペテロ:上田潤
合唱:新星合唱団 東京オラトリオ研究会 小平コーラス・アカデミー アフタヌーン混声合唱団 ヨハネを歌う会
管弦楽:オラトリオ・シンフォニカJAPAN
やはり望月さんは雨男なのかもしれません…
きょうは望月さんがエヴァンゲリストのヨハネ受難曲でした。
東京オペラシティコンサートホール、終わって外に出たらざんざん降りでした。
同じイル・デーヴでも大槻さんは晴れ男のようなので、対照的でおもしろいですね♪
お隣のNNTTこと新国立劇場ではノルマ・ファンティーニがタイトルロールの「トスカ」が初日でした。こちらにもすばらしい歌手たちがたくさん集結していて壮観でした。
次回の「セビリアの理髪師」のリハがあったようで有名歌手たちがぞろぞろ…。
本題のヨハネ、
望月さんがやはり光り輝いていました。
とてもオペラティックで感情が入っていました。
このコンサートのCDを売っていたので即予約しました。
まるで白黒映画の中の一人だけ天然色のキャラクターのように、
彼は際立っていました。
彼の歌う声はきらめく☆か花火のよう。
中音域がノーブルですばらしく豊か、高音の独特のもっちー節。
オペラ歌手がオラトリオを歌うとこんなにいきいきするんだ!
と感動的でした。
バッハを好きな人というのはとてもストイックな人だと思う。
その後、音楽史において豊かでメロディアスでフィルハーモニックな音楽が誕生しているにもかかわらずバッハを好むというのは。
バッハ苦手な私としてはきらめくような望月哲也と重厚で艶のあるイエスの山下浩司のかけあいが注目の主眼点だったので、山下さんが降板してしまい、その思惑がはずれてしまった。
エヴァンゲリストはストーリーの展開役なのであくまでも語り部でしかないのである。テノール独唱も他にソリストがいたし。
それなのにそれなのに望月さんはスーパーだった。
エヴァンゲリストというにはあまりにも熱く、演技していた。能面のようなエヴァンゲリストではない。
彼はイエスが殺される前には怒りに満ちて語り、処刑の後の声は悲痛さに満ちていた。
畳みかけるようにソリストと合唱の橋渡しをした。
技巧を尽くしてみせて、時には叫ぶように歌った。
すべてが終わった時、指揮者は感動のあまり望月哲也に抱きついた。
これはあまりにも感動的な光景だった。
前半はペテロの3度のイエスの否認が語られる
そして鶏が鳴き、ペテロは激しく泣く
weinete bitterlich
ここの伸ばしといい歌い方といい瞠目で、あ!本領発揮開始~という感じ。
指揮者は珍しく望月がん見で指示を出している。
テノールのアリア
Ach, mein Sinn
ここはテノールソリストが歌う。
中嶋克彦さんはレッジェーロで高い声のテノール。
とても美しい声でした。
ここで第1部終わり
後半
いよいよピラトが登場する。
重い声のバスを渇望していた私としてはようやく…という感じ。
ピラト役の押見春喜は最初から剣呑な目つきで堂々としていて、役になり切っていた。最後までその演技をやめることがなかった。
すごく芝居上手~なのだと思う。
アリアもあったが、レチタティーヴォがうま過ぎでよかった
ちゃんとドイツ語になっていてピラトがしゃべっている!と感じた。
また別のオペラで見てみたいと思った。
ピラトはイエスを磔刑にするのは本意ではなかったがユダヤ人たちに詰め寄られて仕方なく…というのを描き出している。
「お前はユダヤの王なのか?」
イエスは答える
「王ならこうして引き出されまい」
「私は真実を語るのみ」
Was ist Wahrheit?
「私は罪人と思えないので釈放したい」
人々は叫ぶ
「彼ではなくバラバを!」
Evangelist:
Barrabas aber war ein Mörder
望月はこのBaを叫ぶように強調して歌う。
バスのアリオーゾ 大井哲也
これはすばらしかった!
テノールのアリア。
これもとてもよかった。
イエスが出てくる
いばらの冠と上着
見よ!この人間を
人々は叫ぶ
「磔刑にせよ!
ピラト かってにするがよい。
人々「私たちには死刑にできる権限がありません。」
ピラト(イエスに)「黙ってるのか
イエス
人々「釈放したらあなたは皇帝の友ではない」
ピラト「お前たちの王を磔刑にするのか?
祭司長「私たちの王は皇帝です。
ピラトは処刑を命じる。ゴルゴダの丘での。
バスのアリア(押見)
よかったです。これは非常に難しいアリア。
イエスは弟子に自分の母親の面倒をみるように頼む。
イエスは
Es ist vollbracht!
これで終わった」という言葉を残して死ぬ。
ここでアルトのアリア
Es ist vollbracht
感情をこめて歌う
最後のEs ist vollbrachtで次のエヴァンゲリストの言葉「頭を垂れてこときれた」の字幕を先に出してしまう。およよ、違うよ~と思ったが、エヴァンゲリストの言葉でまたその字幕が出た。
Und neiget das Haupt und verschied
32番のアリア
音楽急に軽くリズミカルに明るくなる
34. Arioso (T)
Mein Herz
よかった
ソプラノのアリア
その後、
他の2人の罪人は足を折られたがイエスはすでに死んでいたので足を折られることはなかった
わき腹を槍で突かれ、そこからは血と水が流れ出た。
イエスは新しい墓に葬られた
コラール
終了
お疲れさまでした~