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カテゴリ:OPERA
Biwako hall, Otsu, Japan 30 Nov. 2012 Biwako hall Japan Wolfgang Amadeus Mozart : Cosi fan tutte Georges Delnon's new production world Premiere Cond:Ryusuke Numajiri Dir:Georges Delnon Fiordiligi: Noriko Sasaki Dorabella : Wakako Ono Despina: Nobuko Takahashi Ferrando : Tetsuya Mochizuki Guglielmo : Yasuo Horiuchi Don Alfonso : James Clayton Cho: BIWAKO HALL Vocal Ensemble Japan Century Symphony Orchestra My first time experience at Biwako hall. What a privilege to have been able to come here today! びわ湖ホール「コジ・ファン・トゥッテ」 演出:ジョルジュ・デルノン プレミエ(バーゼル歌劇場に先駆けて世界初演) Day1 2012年11月30日 沼尻竜典オペラセレクション モーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ』 2012年11月30日(金) ・12月2日(日) 指揮 沼尻 竜典 演出・照明 ジョルジュ・デルノン フィオルディリージ 佐々木 典子 ドラベッラ小野 和歌子 デスピーナ 高橋 薫子 フェランド 望月 哲也 グリエルモ 堀内 康雄 ドン・アルフォンソ ジェイムズ・クレイトン 合唱 びわ湖ホール声楽アンサンブル 管弦楽 日本センチュリー交響楽団 びわ湖から帰ってきたら分厚いザルツブルク音楽祭の案内状が来ていた。その一番上がコジ!ABC順だから?ドンアルフォンソがジェラルド・フィンリー、グリエルモがルーカ・ピサローニ、指揮はヴェルザー=メスト、演出はベヒトルフ!オケはウィーンフィル。 場所がハウス・フュア・モーツァルト。この小屋は激眠くなる。居心地が良過ぎで。だから私には禁物だ。 そんなことはどうでもよくて、きょうの小屋、びわ湖ホール、実にすばらしいホールですね!感動しました。ぜひ一度はオペラ愛好者クラシック愛好者は行くべき!大きさがオペラにちょどいいね!特にモーツァルトにはいい!大きさがぴったり。木製でよく反射するし。 きょうはびわ湖は曇りのち晴れの予報だったのに、私がたどり着いたら湖には分厚い雲がかかっていた。もっちーパワー恐るべし! Lake Biwako きょうは朝から夢の中にいたのに5時半に劇場の外に出たとたん、魔法が消えたシンデレラみたいにすごく哀しかった。 今日の望月哲也さんは水を得た魚でした。彼はフェルランドとして生まれてきたのではないでしょうか。彼がモーツァルトのテノールとして最高であるゆえんがきょうわかったような気がしました。彼の声はレッジェーロのように細いわけではないのになんでこんなに美しいのか。一般的なイタリア系テノールのぐいぐい音を押し出していく感じではなく、すごくまろやかで気品があるんですよね。 きょう望月さんの次に注目していたのは高橋薫子さん。すっばらしかったです!!演技もうまくて愛嬌があって可愛くて、かつらが赤で可愛らしい髪形。お人形みたいでした。 デルノンはマルチな才能がある人で、芸術監督としていろんな歌劇場でオペラと違う方面も手がけているだけあって違うものを持ちこみますね。彼がやったのはこないだの菅尾友さんと逆のことです。読み替えです。ストーリーを変えています。時代と場所を変えるだけなら読み替えとは言えないので。 ここから内容にふれますので、日曜に見る方はご注意ください。一応書き終わったらいったん落します。 ミキエレットコジの時も同じことをしました。本当にコジって演出家の創作欲を刺激する作品なんですね。 *** 彼がオフィシャルHPからリンクしてあるガイド誌で語っているのですが、モーツァルトはこの物語をフェルランドとフィオルディリージを中心に書いてあると思わせぶりに書いています。彼はそういうストーリーに変えています。 ドラベッラは最初から軽薄な浮気女、いまどきの女として徹底的に描かれ、フィオルディリージは読書好きの常識人、堅物として描かれます。 時代設定は現代のローマ、男性2人は商社マンです。戦争に行くのではなく、ロンドンに出張に行く設定です。社会風刺、人間風刺満載で、モーツァルト(ダ・ポンテ)が意図したのとは別の作品になっています。 舞台セットも簡素で、セットチェンジもありません。しかしいろいろ仕掛けがすごくていくらでも深読みできるようになっています。 *** 沼尻さん登場!トスカ以来だ~ 序曲が始まるとすぐに幕が開き、デスピーナがいろいろお運びをしている。中央にソファ、クッション。デスピーナはシャンパンを入れるボールを運んでいる。しもてに特大のヴ―ヴ・クリコ。かみてに姿見を運んでくる。姿見を見ながらポーズをとって飴をなめる。可愛い!2人のお嬢様の洋服と帽子の箱を運んでソファに置く。 背後に世界時計がずらりと並んでいる。左からTokyo,NY,London, Rome, Paris, Moskba. ここがどこであるかはあとでわかるようになっている。そういうとこもうまいよね。デスピーナはNYの時計にあいさつし、Parisの時計に投げキスし、モスクワの時計に敬礼する。 演奏もすばらしい! 序曲が終わった瞬間デスピーナがソファに座りこむ。うまいね。 そしていよいよと思ったら、え! というところに登場する男性3人 ラミアドラベッラカパッチェノネ、カパッチェノネ、 という歌唱の冒頭部分、いきなしの高音から入る楽譜になっている。フェルランドのお手並み拝見というチャレンジングな出だしなのである。望月フェルランドは予想通りのすばらしい声!テンポといい最高。 フェルランドとグリエルモはヴァイオリンの弓でちゃんばらしている。 彼らはドンアルフォンソと口論してる。チェントゼッキーニ賭けるわけですけど、その賭けになんと指揮者も乗る。(笑) そしてまったりの女性2人。罠にかけるためにやってくるドンアルフォンソ。男3人はしもてでまだもめている。 ドラベッラは泣いているアルフォンソに 「もしかして私たちの恋人が死んだの?」 と笑いながら言うのだ。 「けが?」 演出家の意図は明白ですよね。ドラベッラの小野和歌子さん、すばらしい演技でした。演出家の意図を体現していました。 Attoプリモ、シェーナ4 フェルランドのお相手はドラベッラ。いきなりRの巻き舌音満載でさすがの望月さん。 その後のレチタティーヴォと N7小二重唱はカット(通常カットのようです) 軍隊の合唱。出てきたのは軍隊ではなく、疲れ切ったサラリーマンとサラリーウーマンだち。 ドンアルフォンソは会社の社長で部下たちに次々に出張を命じているのだ。女性たちは社長を取り囲んで楽しげにしている。 ドラベッラもフィオルディリージも出張を嫌がる男2人を鼓舞するように出かけさせる セリフとは裏腹なのである。亭主元気で留守がいいもんね。 3人が N10小三重唱 Soave sia il vento を歌っている間に飛行機が離陸する(笑)。 アルフォンソが歌っていると、デスピーナがやってくる。アルフォンソはソファの前に隠れる。 デスピーナは嘆く女性2人に食べ物を配る。ドラベッラはお盆を押しのける。フィオルディリージはヤクルトを2本飲む(笑)。 ドラベッラのアリア 隠れているアルフォンソの上に飲み終わったヤクルトの容器が2本落ちてくる 場所を移動すると今度はドラベッラの食べ残しが落ちてくる(笑) デスピーナのアリア、すばらしい! ドンアルフォンソが独り言をしゃべっていると、とっくに気付いていたデスピーナが後をつける。ここも爆笑。 そして変装した(?)男たちが大勢やってくる。いわゆる「イケメン」たち。皆映画スターの写真を顔に貼り付けている(笑)。 フェルランドはだいだい色の派手なジャケットにメガネ、髪が立っている。ショーンコネリーのボードを持っている(笑)。 グリエルモも髪が立っている。 自分の恋人ドラベッラの気を引こうとするグリエルモに怒っているフェルランド。 血の気が多そう。 アルフォンソは来訪者と知り合いであるふりをする。 友よ! N14 フィオルディリージのアリア。すばらしかったです。 フィオルディリージが歌っている最中に、ドラベッラは姿見の角度を変えて、フェルランドを映し、秋波を送る。フェルランドはドキッ!としておののく(笑)。 フィオルディリージはたしなめるようにドラベッラの横へ行き座り込んで歌う グリエルモのアリア。 勝利、羽飾り、髭!と言って笑いだす グリエルモ、フェルランドに「きょうは飯抜き?」 戦いが済んでからさ もうこのへんでどっきどきでした。今回一番聴きたかったフェルランドのアリア Un'aura amorosa が始まるからです。 Un'aura amorosa Del nostro tesoro いやもう~本当にすばらしかったです。美しい声と表現力。 彼の声の特性である高い音の独特の裏っ返り方(ヴィブラ―とのかかり方)がなんともいえない快感を呼び起こします。 これはもっち~節と私は勝手に呼んでいますが、もう炸裂です! これがあるので平板な歌い方にはけしてならないのです。 世界唯一無二のアリアだと思いますね。こういう歌い方をする人は他におりません。 Part2に続く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年12月03日 20時31分01秒
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